Creatures.E   作:駿駕

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あらすじ
蛍ノ島にやってきたチームO。
そこには豪雪と多数の動く雪像、そして国の研究者がいた。



作戦と忍び寄る影

ホテル内ではたくさんの物が見つかった。

寒さをしのぐための毛布やこういうときのための非常食。さらには、ラジオや懐中電灯などの便利なものがあった。

しかし、ストーブは全て燃料が必要で、中は全て消えていた。また、電気が通っていないのか、冷蔵庫の中身は腐り、照明はつかないみたいだ。

 

「監督、いろんな物が見つかった。とりあえず、一日はなんとかなりそうだ」

「キラ、ありがと。私も・・・今、やっと・・・セキュリティが、完成、した・・・わ」

リア監督はその場に倒れる。すぐにオルガが監督の額に手を当てる。

顔が赤く、息が荒い・・・。

「すごい熱だ。・・・船といい、ここのセキュリティといい、少し能力を使いすぎた。リリーなんとかなるか?」

「はい!風邪なら数分もあれば治せますが、疲労となると、ベッドに運んだ方がいいと思います。ここまでの症状だと、数時間はかかります」

「そうか・・・。雷帝、監督を隣の部屋に運んでくれ!」

「わかったぜ」

雷帝は監督を持ち上げると、クロサクとリリーを連れて隣の部屋に移動する。

「柊とルナと四津野は三、四階から外の状況を見てくれ。敵に入れなさそうな窓なら割っていい」

「了解だ。行くぞ、二人とも」

 

四津野の行動は予想通りだった。四津野は何の躊躇いもなく窓を割って外を見る。四階からでも景色は相も変わらずの雪景色で、真っ白な空間が広がっていた。

俺たちを追いかけてきた雪像はこのホテルの前に包囲するように立っていた。

「四津野さん、そろそろ閉めてください!」

「ルナ。閉めてって言ってもあれはどうしようもない。だって割れてんだぜ」

「あー、どうするか。とりあえず、ダンボールでも貼る?そこに置いてあるやつでも広げてさ」

四津野はダンボールを刀で切り、ガムテープを探してくると割れた部分に貼り付けた。

四津野は満足して下の階に報告するために降りていく。

「敵は前に列を作って待機している。いつでも襲いかかってきそうだ」

「監督によると、セキュリティの方はちょっとした爆撃なら無効化できるくらいの力はあるみたいだ。雪像の攻撃なら、まず壊されることはないらしい。そして内側からの攻撃には全くもって効果無しだ」

「それはわかってる。なぜなら、私が窓を割ったからな」

「冗談で言ったのだが・・・。まぁ、いい。みんなこれから作戦会議をする。奥の部屋に来てくれ」

オルガはそう言い、奥の部屋に入っていく。

奥の部屋は食堂となっており、何個かの円卓があり、その周りに何個かのイスが等間隔で置かれていた。

荒らされたような痕跡はないが、円卓とイスにはほこりがかぶっていた。

「今、考えるべきなのは三つのグループ分けのことだ。一つ目はここで監督やリリーを守るグループ。二つ目はこの島にいる能力者を探すグループ。三つ目は二つ目のグループのためにおとりになるグループだ」

二つ目のグループの案が出たところぐらいから四津野が手を挙げている。

「私と柊とルナは能力者を探しに行ってもいいかな?」

俺とルナを指名する。何か嫌な予感はしていたが、予感は的中してしまった。

「・・・正直、他のグループにしたいが頼んだ。おとりはどうする?」

「俺はここに残っていいか?」

意外なことに雷帝がそんなことを言い出す。

「正直、おとりが失敗したらここに大量の敵が攻め込んでくる。それを対処できるのは俺くらいだろ?オルガも指揮係としてここに残るべきだ」

「・・・ということは残りはおとりということで」

「おいおい、俺らには権限無しかよ!俺も行きたいぜ、能力者探しによ!」

「全くッスよ!」

「・・・わかった。二人は雪像を片付けしだい、四津野達と合流して探してくれ。おとりじゃなくて雪像の排除ということで頼む」

「それなら面白ぇな。なぁ、クロサク。」

「そうスね。それなら賛成ッス」

「全員には小型通信機を渡す。何かあったら連絡してきてくれ」

戦闘用小型通信機。

普段は戦闘に使われるもの。大きさはワイヤレスのイヤホンと同じと考えていいだろう。

この通信機の中に、位置情報を所得するためのGPSと連絡用のマイクとイヤホンが搭載されている。

チームAやZといった研究者の多いチームはさらに小型化されているが、チームOには研究者が一人もいないため、全チームに渡されるものしかない。

全員はそれをつけると、各々の行動を開始した。

 

「ひゃ~~~。探すっていったけどね~こんな寒いとはねぇ」

この蛍ノ島中心に存在する山。ここに能力者がいるらしい。噂によると、洞窟のなかにいるとか。

キラとクロサクはホテルのドアを蹴破り、ホテル前の雪像を退治している。今さっきから爆発音がここら一帯を轟かせている。

「それにしても、寒いねぇ。こんなところにその能力者はいるのかい?」

「リア監督によるとですが」

監督から渡された紙にはその能力者の詳細と、リアの能力によって嵌め込まれたナビゲートシステムが記載されていた。その能力者の能力値と思われるものに反応してこのナビは方向を差しているようだ。

(海都、後ろから何かがついてきているわ)

「何!?」

俺はタマにそう言われて、後ろを振り返る。だが、そこには誰もいなく、足尾ともなかった。

(本当にいたんだ。その木の影に)

「・・・あの二人が倒し損ねたんじゃないか?」

(いや、人間よ。生命を感じたわ)

四津野とルナは、そのナビを頼りにどんどん上へ登っていく。俺とタマは足を止め、その木の影を睨み付けるようにジッと見る。

「もしも、人間だとしたら・・・いったい誰なんだ?」

作戦通り決行しているとするならば、キラとクロサクが俺たちを追ってきているのか?

だが、数十体のあの雪像を相手にそんな数分で終わるわけがない。

でも、この雪山に他の人間が・・・まさか!

(そう、そのまさかかもしれないわ)

「国・・・」

「柊、何をボーッとしてるんだ? 早く行くぞー」

後ろで四津野の声が聞こえる。だが、この気配に気づいた俺がもしも、振り返ったら攻撃が始まるかもしれない。

「二人は先に行って下さい。俺は今、その木の影にいる敵を倒してから向かいますので」

「・・・それはダメ。」

「なぜですか!」

「オルガが言ってたろ?戦うことが無いように行動しろ、てね」

四津野はそう言い、俺のまたの間から顔を出すと、そのまま俺を肩車した。

「ちょ、四津野!?こ、これって!?」

「いいから、ほら行くよーッ!」

俺はその姿を見るルナを見て顔が熱くなる。十年ぶりだ、こんなことをされるのは。しかも、俺と三つ年が離れた女にこんなことをされるのは、人生で二度とないだろう。

「四津野、わかった!わかったから、下ろしてくれ!はずい!はずいっての!」

「追っ手が見失うまでこれで逃げるよ!」

「ひぇぇ~~」

 

 

木の影から現れた男。手には銃、腰には刀を装備して、三人が雪山を登っていくのを、眼鏡の奥からじっと見ている。

男は白衣の上に薄地のコートを羽織っている。

 

あの三人を見失った。

境界線を通ったものはあの三人。他は通っていない。

何としても、三人を捕まえなくてはならない。この先にいる能力者のことを知ってはならないのだ。

「おさよ、奴等を捕まえろ」

「了解です、マスター」

対能力者戦闘用アンドロイド、F-034を向かわせた。

そう簡単には破壊されて帰ってこないだろう。

「この先にいる魔物に会ってはいけない。一筋縄ではいかない能力者だ。『氷には炎』なんて甘い考えでは勝てないくらいのSS級能力者、榊原 鈴華に・・・」

 

男はアンドロイドと共に柊、四津野、ルナを追う。

三人の排除ではなく、三人を男の言う能力者に会わせないために。

 




★能力解説★
(能力解説以外にも、その能力者のプロフィールとかも書くかもしれない)

リリー・クロノ
能力 治癒、回復など。
年齢は柊やルナの一つ下だが、学年は一年生。
中学生の頃、リアに救われた。
戦闘は得意ではなく、本当に回復しかできない。
そのため、戦闘時に頭数に入れることはできない。
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