釘宮円で葛藤   作:NANA@

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椎名と柿崎の話はとんとん行きます。

椎名も短いですが、柿崎はもっと短いです。

今回は本編のキャラクターに関係がある人物が出てくるかも……





ツッコミを補充したかったんです……






第二話「褐色美女で心配」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 魔法具制作とは基本的に時間がかかるものである。

 

 それから三日間、釘宮円ら三人はただひたすら術式を組んでは、それぞれの魔法具を制作していた。

 

 そんなことをしながらでも、“フライマンタ7000”の自動操縦は釘宮たちを目的地へと連れて行ってくれる。

 

 彼女たちは“鬼神の童謡(コンプティーナ・ダエモニア)”を探す拠点となるフォエニクスに到着した。

 

 そして、釘宮円はアルビレオとともに街の中を歩いていた。

 

 「さてと、御前は“鬼神の童謡(コンプティーナ・ダエモニア)”の情報集め、桜桃は辺りの情報収集。私は土地感のある人間を雇うんだが……お前は私たちといてもいいのか?」

 

 「えぇ、どうせ行くあてもありませんし……したいことができるまで続けるつもりです。ダメですか?」

 

 「構わねえよ……私はこの世界のノウハウはわからねえしな。テンペテルラとは勝手は違うみたいだし、手伝ってくれよ」

 

 「もちろんですとも」

 

 そう言ってアルビレオは釘宮を先導した。

 

 「あっ……おい!! この人ごみの中一人で勝手に行くっつぁ!!」

 

 釘宮はすぐさま人の流れに押され、アルビレオとはぐれそうになる。

 

 「おやおや、危なっかしいですね」

 

 アルビレオが釘宮の手を掴んだ。

 

 「へっ?」

 

 「はぐれてしまっては元も子もありませんし、手をつないでおきましょう」

 

 「あっ……うん……わかった……」

 

 何故かほっぺたを赤くする釘宮。

 

 そのあと、何かに気がついたように頭を上げると、周りに聞こえないくらいの声で何かをつぶやき始めた。

 

 まぁ、アルビレオはそんなことには構うことなく、人の流れに逆らい、無駄なくなめらかに進んでいく。

 

 そして、たどり着いたのは、魔法世界ならばどこにでもある魔法具屋だった。

 

 「ほら、つきましたよ。カーフォテーゼさん」

 

 「ついたって、ここが目的地なのか?」

 

 「はい、何かを買ってください」

 

 「じゃあ、アルビレオのサイズに合うコンドー「馬鹿ですか?」……冗談だよ」

 

 釘宮が危ないことを口走ったので、アルビレオが冷や汗をかきながら止めた。

 

 止めてから少し後悔したのはここだけの話である。

 

 そのやり取りで釘宮は冷静さを取り戻したようで、軽く薬や魔法銃、そして御札などを手に持つとそれを店員に渡した。

 

 「はい、全部で730ドラクマね。はいぴったり毎度あり」

 

 店員はそれだけ言うと商品を釘宮に渡した。

 

 すかさずアルビレオが首を突っ込んだ。

 

 「ええと、お嬢さん。私たち傭兵を雇いたいと思っているのですが……」

 

 「あぁ、旅人かい? それなら、向こうの方にある酒場に集まっているはずだよ」

 

 「ありがとうございます……さぁ、行きましょうか?」

 

 「おっおう」

 

 そして、再び釘宮を引っ張っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ここか? なんだ、傭兵を雇うのは酒場って決まってんのかよ……」

 

 「まぁ、街それぞれですかね。メガロメセンブリアなんかは完全に機械管理になっていますし、オスティアではそもそも傭兵なんてものがなく、国営の治安維持機関に依頼する形になりますから……」

 

 「なるほどな」

 

 釘宮は辺りを見渡す。

 

 とは言っても、釘宮は傭兵の見極め方など知らない。

 

 完全にアルビレオに任せる形になってしまう。

 

 「すまん……」

 

 釘宮は目を伏せてアルビレオに謝った。

 

 「いえいえ、構いませんよ。お役にたてそうで何よりです」

 

 アルビレオは釘宮の頭をぽんぽん柔らかく叩くと、うっすら目を開け、それぞれの傭兵の魔力容量、乱れ、そして筋肉のつき方から身のこなしまでさまざまな視点からふるいにかけてゆく。

 

 釘宮たちはみんながみんな、かなり腕の立つ魔法使いだ。

 

 伝説の傭兵、“水の泡”(クラッシャー)柿崎美砂。

 

 多くの“樹”を操り、最強種に拮抗する力を持つ椎名桜子。

 

 この二人がいるだけで大抵の困難なら乗り切れてしまう。

 

 となると、雇う傭兵はできれば単独、そして土地感のありそうな人間が好ましい。

 

 そこまで考えて、ある人物にアルビレオは白羽の矢を立てた。

 

 その横顔を見て釘宮が言う。

 

 「見つけたみたいだな」

 

 「ええ、この中では彼女が一番でしょう」

 

 そう言うとアルビレオは均一に並べられた石畳の床を歩き、その女性に向かって歩いてゆく。

 

 釘宮も続く。

 

 目の前にいたのは褐色の肌の女性だった。

 

 真っ黒な艶やかな黒髪は頭の後ろでひとつにまとめられており、まだ若い。

 

 スレンダーと言えるその体は、儚さというよりも引き締まった細さをにじみ出させている。

 

 軍人を思わせるその服装と厳かな雰囲気は彼女自身を表しているのかもしれない。

 

 目の前に経てば圧倒され、誰でも緊張してしまう。

 

 そんな女性だった。

 

 釘宮よりも20cmほど身長の高い彼女に、釘宮は物怖じしないで近づいていく。

 

 そして、目の前に立った。

 

 褐色の女性は目を開き、釘宮を一瞥する。

 

 「なんのようだ?」

 

 「私はエン・カーフォテーゼ。“鬼神の童謡(コンプティーナ・ダエモニア)”を探して旅をしている者だ。あなたを雇いたいと思っている」

 

 釘宮は真剣な顔つきで言い切った。

 

 その内心はというと、

 

 (やっべー……龍宮真名か? いやいや、原作始まる150年前だぜ……いくらなんでもさば読みすぎだろうよ……)

 

 などと失礼極まりないことを思っていたのだが……

 

 まぁ、それとは裏腹にこの瞬間も、本当に命を預けるに足る存在か、どのような人間か、目を凝らし見定めているところは抜け目無いというか、ケチくさいというか……

 

 褐色の女性は動かず、口だけで答える。

 

 「いくら払う?」

 

 「10万ドラクマでどうだ?」

 

 その額に周りの視線が釘宮に集中する。

 

 それはそうだ。10万ドラクマといえば、一年は遊んで暮らせる額になる。

 

 ぶっちゃけ、椎名がカジノで大暴れしたせいで、余る程金があるのだ。

 

 魔法具の材料費に使ったりしているのだが、金がなくならない。

 

 まあ、あって困るものでもないのだが……

 

 「トレジャーハンターか……まぁ、いいだろう」

 

 釘宮は懐から1万ドラクマ取り出し、褐色の女性に渡す。

 

 前払金というものだ。

 

 仕事が終わったときに全額を渡す。

 

 「私はカンナ・アルカナ。見ての通りしがない傭兵さ……まぁ、よろしく頼む」

 

 そう言って、カンナは軽く笑みをこぼすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 椎名桜子は一人、“光の神殿”(フォス・ナオス)へと足を運んでいた。

 

 遺跡にしては珍しい二階建ての建物で、その全貌は植物の蔦によって隠されている。

 

 「なんだろう……ここは濃い血の匂いがする」

 

 椎名の胸に嫌な予感が立ち込める。

 

 「ううん……そんなはず……」

 

 その蔦に近づき、触れた。

 

 蔦から何かが流れ込んできた。

 

 そして椎名は目を見開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 釘宮とアルビレオ、そして仲間に増えたカンナ・アルカナは椎名と柿崎と合流した。

 

 場所は街の外。

 

 そこには、なんとも見事な豪邸が立っていた。

 

 椎名の“樹”、“きゃくたすはうす”である。

 

 その中にあるリビングルームと呼べるような部屋に彼女たち5人は集まった。

 

 長机の端に釘宮が座り、その両隣に柿崎と釘宮、そしてカンナとアルビレオが座っている。

 

 「さてと、御前、桜桃。お前らが集めてきた情報を話してもらおうか?」

 

 釘宮は漆黒の甚平を着崩した姿で、二人にそう促した。

 

 その言葉に柿崎と椎名は頷くと、椎名から話し出す。

 

 「まずは私からだね……。最近このあたりで私たちの害となるほどの生物は存在していない。遮断された道路はあるけれど、空を飛べば問題ないよ」

 

 それに続いて柿崎は、

 

 「ええと、“鬼神の童謡(コンプティーナ・ダエモニア)”の在り処として有力なのはやはり、“夜の迷宮(ノクティス・ラビリンス)”です。ここの歴史を調べたところ、尋問に“鬼神の童謡(コンプティーナ・ダエモニア)”が使われていることが確かになりました。ですが、この遺跡はまだ開拓されている場所も少なく、帰ってこなくなるトレジャーハンターも多いようです。少しばかり、警戒は必要かと」

 

 「そうか、ご苦労だったな」

 

 釘宮は二人を労った。

 

 二人も笑顔でそれに応える。

 

 「それで、カンナさん。“夜の迷宮(ノクティス・ラビリンス)”に潜った経験は?」

 

 釘宮が聞いた。

 

 「場所は知っているが、潜ったことはないな……あの場所はかなり危険なところと知られていてな。四肢のいずれかを失ったり、帰らなかったなんてこともよくある話だ。そういえば妙な連中が出入りしているのを何度か見たぞ。話を聞いてみるといいんじゃないか?」

 

 カンナは、軽く答える。

 

 「一応聞いておくが、どんな奴らだった?」

 

 「とにかく白い無表情な連中だった。この目で見たんだ、間違いない。まぁ、私はあまり関わりたくないがな」

 

 カンナは口をゆすいだ。

 

 それを釘宮は聞き、頭を抱えた。

 

 そこに柿崎から念話がかかった。

 

 『おそらく、彼女の言う変な集団とはおそらく、“創造主”たちの集団と思われます。“夜の迷宮(ノクティス・ラビリンス)”はかつてアジトのあったところでしたが、今もまだ使われているとは……』

 

 『報告ありがとう……』

 

 釘宮はため息を突いた。

 

 「さて、どうすっかなぁ……」

 

 「ここはひとつ、簡単な遺跡に潜って、ノウハウを知るのがいいのでは?」

 

 顔に笑顔を貼り付けて、アルビレオがそう言った。

 

 柿崎と椎名もそれに頷く。

 

 「俺も試してみたいことがあるしな……そうするか……カンナ、どこがいいと思う?」

 

 「そうだな……私としては、“光の神殿”(フォス・ナオス)がいいだろうと思うが……」

 

 椎名の目が見開き、驚愕に揺れた。

 

 そんなことには気づかず、釘宮は、そこに行くことを決めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 装備を揃えている間、柿崎が何かを釘宮に投げ渡した。

 

 それを釘宮は片手で受け取る。

 

 「これは?」

 

 「封魔刀と言います。呪や装備を対象から引き剥がす効力を持った魔剣です。対一戦闘用決戦兵装“愚かな王の夢”(ダーインスレイブ)のお返しとして受け取っておいてください」

 

 釘宮はその剣をまじまじと見つめる。

 

 長さは40cm程のこぶりな剣。

 

 白銀の刀身に、何やら魔方陣が描かれていた。

 

 釘宮はその件を鞘に戻すと、甚平の腰紐にくくりつけた。

 

 「ありがとよ……」

 

 「どういたしまして……それと、桜桃」

 

 柿崎は柔らかく微笑むと、椎名にも何かを投げ渡す。

 

 「“無限輪廻”(ドラウプニル)を返しておきます。もしかすると、必要になる可能性もありますので」

 

 その金でできた九つの指輪を、空中ではめ込んだ。

 

 「うん、わかった」

 

 そして、三人は“きゃくたすはうす”の外に出た。

 

 その先には準備を済ませたアルビレオとカンナが待っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 釘宮たちは“フライマンタ7000”によって“光の神殿”(フォス・ナオス)を訪れた。

 

 砂漠に位置するその遺跡は、全体が蔦で覆われていた。

 

 砂が山のようになっており、釘宮たちからは、自然と見上げる形になる。

 

 明るいせいか、不気味さはない。それどころかあたりにある真新しい足跡が根拠のない安心感を与えてくれていた。

 

 おそらく、トレジャーハンターが入ったあとだろう。

 

 釘宮円は四人を引き連れ、その中に入った。

 

 「後ろは私が守ろう」

 

 それまで最後尾につけていた柿崎の後ろにカンナがたった。

 

 先頭を歩くのは椎名。

 

 その後ろにアルビレオと釘宮。

 

 椎名はその二人を守るように障壁を展開した。

 

 釘宮は椎名のあとに続く。

 

 「流石に中は薄暗いな……」

 

 「えぇ……建物に窓はありましたから、おそらく植物が遮ってしまっているのでしょう」

 

 釘宮の問いにアルビレオが答えた。

 

 「全く、どこが“光の神殿”(フォス・ナオス)だよ……。光なんてねえじゃねえか……」

 

 釘宮が悪態をつく。

 

 その言葉にカンナと椎名、そしてアルビレオが頷いた。

 

 「“光の神殿”(フォス・ナオス)というのは、本来この遺跡の名前ではありませんので……」

 

 柿崎がそう言った。

 

 「そうなのか?」

 

 「えぇ、ここにはかつてセルリアという町があったのですよ、殆どは砂漠に飲まれてしまったようですがね。当時、神の信託を知るための協会が“光の神殿”(フォス・ナオス)という名でした。この遺跡は蔦によって埋もれたようですね……。おそらく、“光の神殿”(フォス・ナオス)というのはその名残なのでしょう」

 

 「へぇ、物知りなんだな」

 

 釘宮はその話を頭に保存した。

 

 その話を聞いて、アルビレオは、

 

 「セルリアといえば、傭兵“水の泡”(クラッシャー)の出身地と同じ名前ですね。いやはや、聞いたことがない名前なので魔界の地名だとばかり思っておりました」

 

 「御前、“水の泡”(クラッシャー)ってなんだ?」

 

 釘宮はそんなことを柿崎に聞いた。

 

 なんだもなにも正真正銘ご本人様である。

 

 無知とはときに恐ろしいものである。

 

 「ええと、主に帝国内部で活躍した魔法使いですね……。“魔王”と呼ばれる悪人の一人で、反政府勢力や少数民族に手を貸し、テラスに一人で喧嘩を売ってやられた、馬鹿な魔法使いですよ」

 

 少し自虐的な笑みを浮かべながら、柿崎はいった。

 

 「気まぐれなやつで、金額で主を簡単に変えてしまう。計画や戦力、魔法陣や財産なんてものを圧倒的暴力的な一撃で無に返す。それで付いた名前が“水の泡”(クラッシャー)ってわけさ」

 

 カンナがそういって話をしめた。

 

 「世の中広いな……」

 

 釘宮は少し顔を青くしながら、その話を聞いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ふーん……へぇ……なるほど……ここ嫌いだ!!」

 

 釘宮がそんなことを言った。

 

 それもそのはずで、彼女はかつて鬼のような師匠(椎名桜子)の植物の怪物に襲われて以来、植物に多大な嫌悪感を感じてしまうのだ。

 

 「あははは……我慢しなさい」

 

 笑いながら言うのは椎名桜子。

 

 先程から自ら率先して罠に引っかかり、その攻撃を防ぐというむちゃくちゃな方法で仲間の安全を確保していた。

 

 それを間近で見ているアルビレオと釘宮は苦笑い。

 

 椎名は遊んでいるようにしか見えないのだ。

 

 前から飛んできた数十本の矢をその身で受け、抜き、肉体を再生するのだから精神衛生上よろしくなかったりする。

 

 ほかにも横から降りてきた斧を素手で受け止めたり、催眠ガスを全部自分で吸ってしまうなど……

 

 まぁ、進んでやっていることだから心配ないだろうと、釘宮は勝手な結論を出し、彼女についていった。

 

 釘宮は周りを見渡す。

 

 「うーん……おっかしいなぁ♪ どこかに隠し通路があると思ったんだけど♪」

 

 椎名がそんなことを口にした。

 

 「隠し通路ですか?」

 

 アルビレオがそう言った。

 

 「この場所は十年前からこのような感じだが?」

 

 カンナもそう呟く。

 

 その言葉を聞いた釘宮は怪訝そうな顔を見せた。

 

 柿崎は先程から辺りを警戒している。

 

 「じゃあ、やっぱないのかなぁ……。なんか、魔力を感じたんだけど……どこからかはわかんないし」

 

 椎名は目を閉じ盛大にため息をついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「いいや、隠し通路かどうかは知らないが、隠されている部屋ならあるぞ」

 

 釘宮はあっけらかんとそう言い切った。

 

 その言葉に、柿崎は無表情、椎名は驚愕し、アルビレオは微笑み、カンナは冷笑した。

 

 「ええと、それはどこにあるのですか? カーフォテーゼさん」

 

 「下だよ」

 

 これまた、子供に常識を教えるように言った。

 

 「一応、一度見たものは忘れない、すぐに自分のモノにできるなんていうご都合主義な体なもんで、建築学やらなんやら、一通り勉強してみたんだよ」

 

 「それで?」

 

 「蔦で隠されちゃいるが、この遺跡、ここ数年で増築されてるぜ」

 

 そう言うと、釘宮は一階の天井に十手を叩き込んだ。

 

 そこから出てきたのは、鉄筋だ。

 

 コンクリートの中に入れ、横の衝撃を防ぐためのもの。

 

 それを手に取る。

 

 「この鉄筋だが、“光の神殿”(フォス・ナオス)の壁のいたるところに入ってるみたいだが、階と階のあいだには通されてない。そもそも、ここが集落だった時からある建造物なのに鉄筋コンクリートが使われてんのは可笑しすぎる」

 

 釘宮は頬を釣り上げて、得意げに言った。

 

 「そもそもあたり一面が砂漠だったここに集落なんかできるはずがねえ。集落があったとしたらここは砂漠化したことになる。他の建物が残ってないことも考えるとここは砂漠にうもれた。ということは、山じゃなく、少なくとも平面に出来ていた集落だったはずだ。つまり、本来のこの建物は既に地面に埋まっている」

 

 それを聞いて、柿崎はニヤニヤ、アルビレオもニコニコ。

 

 「まぁ、ここはマルネリス峡谷の延長線上にある。だとすればセルリアは谷底にあった集落だった可能性が高い。だんだんと谷に砂が堆積したんだろうよ」

 

 釘宮は十手を弄びながら言った。

 

 「だとすれば、ここを増築して、何かをしなくちゃならない何者かがいる。もしこの遺跡が谷底からここまで全てつながっているとしたら、一体地下何階まであるんだろうな? これで満足か、桜桃」

 

 何故か周りが拍手した瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 椎名たちはそれを聞くと、まっすぐ地下一階へと下りた。

 

 そして、地下一階の地面を叩き割った。

 

 五人は頷きあうと、地下二階に飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこで彼らを襲ったのは背後からの重たい一撃だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







はい、というわけで次回から戦闘に入ります。

椎名の過去描写はしません……文才無いので……

次回こそはコメディを!!


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