“冥府の炎王”コロナ・ティミル 作:冥府の炎王
むしろ、1万あるので分割してもよかったかも。
負けた後、私には大変な苦難が押し寄せてきました。それは一切身体が動かないという事です。魔力ダメージ? そんなのありません。原因は至ったて簡単です。それは……私の中にあるものです。そう、それは現在、精神世界にあるガレアのお城に引きこもっている子です。
「イクス~イクス~開けてください」
「……」
返事はありません。大きな扉を何度叩いても出てきません。ここはガレアの城にある玉座の間。というか、ここしか存在しないのですけどね。城でのイクスの行動範囲がここだけですし。私室すらなかったようです。普段は戦艦に乗って戦場をふらふらしていたようですし。
「私は気にしていませんから、ね?」
「……嫌です……もう、出たくありません……あんなに、あんなにかっこつけたのに、負け方がアレなんて!」
「まあ、確かにアレはどうかと思いますね、はい」
顔面キックとか、どういう教育をしているのか、親の顔が見てみたいです。親は高町なのはさん……といいたいところですけど、今はまだドクターになるんでしょうね。それならば納得です。許しませんけど。私とイクスの、女の子の顔に蹴りを入れてくれたのです。この恨み、晴らさずおくべきか。
「うぅ~もう引き篭もるんです、千年ぐらい」
「待ちなさいっ! それはしゃれになってないですよ!」
「本気ですっ!」
もしかして、海底遺跡に居たのって引き篭もったからですか? うわぁ、一気にろくでもない感じになりました。
「というか、イクスが居てくれないと身体は不調で動かないし、大変困るのです。おそらく、マリアージュのコア無限生成装置が問題なのでしょうけど」
私達はあくまでも二人で一人ですからね。片方に引き込まれるだけで、大変です。
「なら、管理者権限あげます。それならいいですよね。もう、放っておいてください」
「……いいでしょう」
本当に譲渡されたようで、さっそく権限を使って複製します。これで、私もイクスと同レベルです。
「もう、こないでください……」
「だが、断る」
「え?」
「権限さえ貰えればこちらのものです」
「だから、外で好きに……」
「ええ、
指を鳴らし、ドーラを生成して砲塔の上に乗ります。
「な、なにをする気なのですか?」
「開かぬのならば、破壊して、粉砕して、粉々にして通るまでです」
「ちょっ!?」
「撃て」
轟音が轟き、至近距離から800㎜の特殊な砲丸を受けた扉は、粉々になって砕け散りました。その中に列車砲に乗りながら入っていきます。ちなみにレールもちゃんと引きました。
「なっ、ななな、なんてことをするんですかっ!!」
イクスは玉座に三角座りで驚いた表情を向けています。
「何故、私が引き篭もるなんて惰弱な考えをした駄目駄目な王の言う事をきかないといけないんですか。馬鹿なんですか。ああ、そういえば馬鹿でしたね」
「むっ。いくらコロナでも怒りますよ」
「怒ったところでたかが知れていますね。そんなんだから、監禁されていいように使われるんですよ? こんなに生きて、まだわからないんですか、お婆ちゃん」
「かっちーん。いいでしょう、その喧嘩……数億倍にして買ってあげます。来なさい、我が兵よ!」
一瞬で玉座の間に7万もの機械兵が出現しました。やはり、魔力量では敵いませんね。でも、イクス。貴女は間違いを犯した。
「さぁ、コロナに身の程を教えてあげなさい!」
「ええ、教えてあげなさい」
機械兵達はこちらに向けていた銃口をあっさりと反転させ、イクスに向けて発砲します。
「え? ちょっ、なんで、なんでなんですか!?」
「おバカなイクスに教えてあげます。機械兵はゴーレムです。つまり、私の
「あっ、まった、待ってください!」
本当にイクスは可愛いです。
「えっと、えっと……マリアージュっ! いっぱい!」
全力で出したのか、大量のマリアージュが現れました。その数、数十億単位です。床ではたりず、壁のように重なってでてきました。でも、ですよ? 貴女、さっき自分が渡したのをなんだと思っているんですかね?
「撃滅せよ」
容赦なくドーラから砲撃すると、マリアージュが吹っ飛んで爆発しました。それは連鎖していき、部屋中を炎で包みます。ですが、私とイクスは無傷です。どんだけマリアージュがいようとも、圧倒的な武力と数で届く前に撃ち殺せばいいだけです。
「ほら、どんどん出してください」
「ふんだ。魔力切れになっても知りませんよ!」
「やれるものならやってみなさい」
「どこまでも馬鹿にしてっ! もう、許してあげません!」
特攻してくるマリアージュ達と、それを撃ち殺す戦争が始まりました。
一時間。そろそろ、魔力が
「そろそろ魔力が切れてきましたか? 私はまだまだ出せますよ!」
「そうですね。では、It is show time.」
「え?」
ゴライアス・フルアーマーを作製して、銃弾の弾幕を更に強化します。ついでに砲台も設置しまくって、弾丸の壁をプレゼントです。
「なななななっ、あ、ありえません! ありえませんよ!」
「この世にありえないなんて事こそ、ありえません。某ホムンクルスさんが言っていました。ほら、考査しないと勝てませんよ」
「くっ……コロナの魔力量は私も把握しています。でも、明らかに使っている量と消費が釣り合っていませんっ!」
爪を噛みながら、悔しそうに考えていくイクス。私はニコニコしてみています。これが愉悦ですか?
「明らかに異常な魔力量です……というか、今も上昇しています。私が供給するマリアージュより上? ありえません。たかだか、数千くらいしか生物を殺していないコロナが、642個の惑星と多数の世界を滅ぼした私が同じ? そんなのあるはずありませんっ」
「ほらほら、肉盾が薄いですよ。どんどん出さないと駆逐されてしまいますよ?」
私はどんどん兵器と兵士を追加しています。何せ、現在進行形で魔力が増えているんですからね。
「っ⁉ あっ、コロナの卑怯者っ!」
「ああ、気づきました? でも、戦争に卑怯者くそも無いですよ」
「私のマリアージュを殺して、私から魔力を、
「正解です」
吸魂の術式をここでも発動させ、マリアージュを殺すごとに貰っています。ネタは簡単です。管理者権限を使い、マリアージュの作成に魂を必要として、それをイクスに作らせる。後は殺して回収。貯蓄が多すぎて、管理しきれていないイクスなら気付くはずもありません。
「御馳走様でした」
「あ、おそまつさまです。って、違いますよ!」
「からくりさえ気づいてしまえば……」
「そうですね。これでゲームセットです」
「え?」
「だって、イクス。私に管理者権限を渡したでしょう」
「あっ⁉」
「つまり、この
「くっ、悔しいです。悔しすぎますっ! やり直しを要求します!」
「いいですけど、管理者権限は渡してあげませんよ。マリアージュも使用禁止です」
「待って、それって戦えないじゃないですか!」
「身体があるじゃないですか!」
「無理ですよ! コロナと違って鍛えてないんですから!」
「貧弱のぷにぷにですもんね」
「ひゃうっ!?」
イクスの二の腕をぷにぷにします。撫で心地がいいので、そのまま楽しみます。
「むぅ~」
膨れたイクスを膝に乗せて、玉座に座ります。他のは消して玉座の間も修復します。対面にいるイクスを抱きしめて、撫でてあげます。
「ほら、イクス。もう満足したでしょう。外にでますよ」
「嫌です。というか、むしろストレスが……」
「ちっ」
「舌打ちしましたね!」
「ほら、イクスは王様なんですから、やられたらやり返さないと舐められるのは当然です。外交と一緒ですよ」
「あっ」
「そう、やられたからには何万倍にしてやり返さないといけません。あの憎き聖王に」
「なっ、なにをする気なのですか?」
「とりあえず、呪いをかけます。そして、と~っても苦しんでもらいます……ふふふ、私の顔を蹴ってくれた恨みは是非とも返さなければ。人を呪わば穴二つ? 知りません。そんなもの、取り込んで燃やし尽くしてあげましょう」
「あっ……そういえばコロナの身体でした」
「そうですよ。だから、二人で復讐しにいきましょう。ああ、安心してください。殺しはしません」
「……殺したら、苦しみから逃れられるからですよね」
「ええ、その通りです。地味に辛い呪いをかけるだけです。それが終ればクレープを食べにいきましょう」
「わかりました。落とし前はつけさせるべきですからね。決してクレープが食べたい訳じゃないですからね!」
「はいはい」
「違うったら、違いますよ!」
「はいはい」
「コロナっ、わかってませんね!」
「じゃあ、クレープは要りませんね。どうせなら、スイーツ食べ放題でも行きたかったのですが……イクスがいらないというなら、我慢しましょう」
「ごめんなさい、食べたいです」
「よろしい」
イクスをお姫様抱っこして立ち上がり、玉座の間の壁を破壊して外にでます。空には月は見えず、分厚い灰色の雲が覆っています。ガレアの、ベルカの標準の空です。視線を下にやれば、大地には夥しい数の武器で作られた墓標が埋め尽くし、埋められない死体は山積みにされています。その奥では大量の兵器群があり、機械兵達も整列して待っています。これこそが、私達の、ガレアの世界です。何れ、固有結界を展開したいですね。
高町なのは
「びぃええええええええええええええええんっ!!」
私とフェイトちゃんは歩いていると、向こうの方からヴィヴィオの泣き声が聞こえてきた。
「フェイトちゃん」
「行こう、なのは」
「うん」
走って部屋に入ると、寮母のアイナさんがヴィヴィオを慰めていた。
「大丈夫、ヴィヴィオ?」
「ままっ、ままぁ~」
フェイトちゃんが抱きしめて、ヴィヴィオの背中を撫でていく。
「痛いの痛いの、とんでけ~」
「ぐすっ」
あっちは任せておけばいいかな。
「それで、何があったんですか?」
「それが、私の後を歩いていたんですが、急にこけて……」
「それで泣いたんですか?」
「いえ、違います。こけた所に片付けていた積み木が崩れて、三角の部分に額が……」
「う、運が悪かったんですね」
「いえ、これだけじゃないんです。その時はまだ、涙目になりながらも、立ち上がったんですけど、今度はペンを踏んで、そのまま転がってベッドの端に頭をぶつけ、痛みで転がると今度はタンスの角に小指を思いっきりぶつけたみたいで……」
「……」
な、なにそれ!? どんな確率なのかな!
「それで泣いていたんです」
「わかりました。後はこちらで見ていますので、アイナさんは仕事に戻ってください」
「すいません、お願いします」
アイナさんが部屋を出て行く。フェイトちゃんが、ヴィヴィオを抱いて立たせた後、椅子に座らせて飲み物を取りに冷蔵庫の方へと向かう。私はヴィヴィオを見ていると、椅子に座ってにこにこしている。どうやら、ジュースが貰えるからのようだ。
「はい、オレンジジュースだよ」
「わ~い」
ヴィヴィオがオレンジジュースを持った瞬間。今までなんともなかった椅子の足が急に折れて、ガクっと体勢が崩れる。そこをフェイトちゃんがすかさず椅子を持って防ぐ。しかし、今度はヴィヴィオが座っている部分が裂けて、身体が落ちていく。その下には三角系の積み木が、なぜかあり、思いっきり股間に突き刺さった。更にオレンジジュースのコップを離してしまい、それが回転して何故かヴィヴィオの頭にかかり、更には頭に落ちてから、カップが転がっていった。
「びぃえええええええええええええええええええええええええええええええんんっ!!」
「うわぁっ……」
「だ、大丈夫っ、ヴィヴィオ。怪我してない?」
「と、とりあえず脱がして確認しようか」
「う、うん」
それから、二人で脱がして確認するとアソコが少し赤くなっていた。痛いだけで、他は大丈夫みたいだ。とりあえず、ヴィヴィオはオレンジジュースも被ってしまったので、お風呂に入れる。ヴィヴィオはびくびくしながら、私達に抱き着いている。しかし、そこでは何も起きなかった。
外に出て着替えてから、ゆっくりする。ヴィヴィオは今度はお気に入りのぬいぐるみに抱き着いてベッドの上を転がっている。私とフェイトちゃんはしっかりとヴィヴィオを見ている。すると、今度はぬいぐるみがヴィヴィオの目の前で顔が縦に裂けた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!」
「ふぇ、フェイトちゃん……」
「こ、これは運が悪いとかじゃないよ……呪いだね……」
「そうだよね。お祓いとかした方がいいのかな?」
「う、うん」
ヴィヴィオを抱きしめて、フェイトちゃんと話してお祓いの出来そうな人に確認を取ってみる。
『それで、私ですか。まあ、いいですけど』
「お願いします、カリムさん」
『そうですね。じゃあ、ヴィヴィオちゃんをしっかりと見せてください』
「はい」
「ぐすっ」
泣きながら、私に抱き着いているヴィヴィオをカリムさんに見せる。聖王教会なら、なんとかしてくれるよね。
『これは呪いが掛かってますね』
「呪いですか」
『調べてみますので、少し待っていてください』
少しカリムが席を外し、本を持ってきた。
『呪いの魔法や呪術と呼ばれる物のようです。ベルカに居たと言われる魔女の術式に似ています。死ぬことはありませんが、対象を苦しめるだけの嫌がらせ用の魔法みたいです』
「い、嫌がらせ……」
「あ、悪質だね」
『戦場で王に呪いをかけて不幸に見せかけて殺すために開発したとの事です。ですが、非常に大量の魔力を使うので、非効率すぎて嫌がらせにしか使えないそうです。この魔法では絶対に死なない上に痛みを負うだけで怪我もしないそうなので、これを使うくらいなら普通に暗殺した方がはやいでしょう。ですが、これを使うくらいよほど恨まれたのですか?』
「な、なのは……私はヴィヴィオに恨みがあって、これを使えそうな子を知っているんだけど……」
「奇遇だね。私も知っているよ」
『では、その方に呪いを解いて貰う方がいいですね。呪詛返しは危険が伴いますし、この魔法は誰かと広い範囲で触れ合っていれば効果を発揮しないようです。子供ですから、抱きしめてあげていれば大丈夫ですよ』
「そうですか。ありがとうございます。こちらでどうにかしてみます」
『はい。それではまた、ごきげんよう』
「「ごきげんよう」」
さて、通信を切ってからフェイトちゃんと話し合う。
「犯人はイクスヴェリアだろうし」
「恨みはアレだろうね」
「まあ、女の子としても王様としても許すはずないよね」
「あの状況にだもんね」
「不敬罪で死刑と考えられていてもおかしくないよ」
「ヴィヴィオ、イクス……コロナちゃんに謝った?」
「……ヴィヴィオ、悪い事してないもん。ママを虐めるのが悪いんだもん」
ヴィヴィオの言い分も分かる。でもね、それはルールを決めた戦いではやってはいけない事なんだよ。
「いい、ヴィヴィオ。あれは模擬戦なの」
私はヴィヴィオに説明していく。勝負や戦いの事を詳しく教えていく。格闘技の試合も見せつつ、説明し、最後には実際にフェイトちゃんとゲームで戦ってもらう。そして、ヴィヴィオが優勢の時に私が邪魔をしてフェイトちゃんに勝ってもらう。
「ママ、ずるい!」
「それが、ヴィヴィオがイクスヴェリアにした事だよ」
「あっ、そっか。ずるなんだ」
「うん、そういう事」
「だから、謝らないとね。私やなのははヴィヴィオの事を知っているし、仲がいいからこれくらいじゃ嫌いにならない。けれど、ヴィヴィオの事を知らない、友達でもない全く無関係な人に邪魔をされたらもの凄く怒るよね」
「そりゃそうだよ。気持ち良く戦っているところで台無しにされたんだもん!」
「じゃあ、ちゃんとごめんなさいをしないとね。だから、イクスヴェリアちゃんはもの凄く怒ってるんだよ」
「う、うん」
「それと、女の子の、特に顔に攻撃するなんてもっての他だからね。もしも傷が残ったりしたら、その子は一生、傷をつけられた顔で過ごさないといけないんだから。ヴィヴィオもそんなの嫌だよね?」
「あうっ。い、いやだよぉ……」
「だから今、ヴィヴィオは謝らないといけないんだ。悪い子のヴィヴィオには、今みたいな事が起こるんだよ」
「な、なのは?」
「どうせだからね」
教育に利用させてもらおう。
「ヴィヴィオは良い子になれるかな?」
「ヴィヴィオ、良い子になる!」
「うん、いい子だ」
「それじゃあ、謝りにいかないとね」
「フェイトちゃん。それじゃあ、ちょっとヴィヴィオを見てて。探してみるから」
「わかった」
とりあえずシャマルの居る医務室に聞いてみる。
『イクスヴェリアちゃんなら、起きて部屋に戻るっていってましたよ。だから、キャロちゃんの部屋に居ると思いますよ』
「ありがとう」
次はキャロに連絡をいれてみる。
『えっと、
「わかった、ありがとう」
『いえいえ』
ん? キャロはコロナちゃんっていった? いや、基本的にコロナって名乗ってるんだっけ。確かにそれが身体の名前だし。おかしな事は……ないよね? なんか引っ掛かるなぁ。まあ、今は屋上にいってみよう。
「フェイトちゃん、屋上だって」
「じゃあ、いってみようか」
「そうだね。ヴィヴィオ、ちゃんと謝らないとね」
「うん」
それから、屋上に向かう。
屋上の扉を開くと、そこには異界が広がっていた。いや、まあ屋上の中心部でイクスヴェリアが台に乗って、火にくべられている大きな鍋に杖を入れてかき混ぜているだけなんだけど。それを三角帽子にマント、中身の服装はゴシックドレスになるのかな。それのワンピースタイプという恰好でまさに魔女といったコスチュームだね。似合っているけど、鍋の中からぬいぐるみの手みたいなのが、必死に出てこようとして杖で突き落とされて混ぜられている。
「あ、あの?」
「ちょっと待っていてください。もう直ぐで憎いあんちくしょうに地獄の業火を味合わせてやれるのです」
「ひぃっ!?」
「呪いは上々。後はこのぬいぐるみを使って、杉の木に打ち付けたら完成なのです」
そして、杖を使って鍋から出されたのは、ヴィヴィオの姿をしたぬいぐるみだった。
「うわぁぁぁぁんっ、ごめんなさいぃぃぃぃぃっ!!」
「ふんっ、今更謝っても遅いのです。謝って許してくれるなら、国家保安本部なんていらねーのです」
「いや、そりゃいらないよ!」
国家保安本部って、占領地の敵性分子を諜報・摘発・排除する政治警察機構の司令塔だったよね。謝って許してくれるなら、確かにいらないと思う!
「そこをなんとか、ね?」
「安心してください。死にはしないですから。ただ、ちょっと身体を磔にされる痛みや、焼かれる苦しみを味わうぐらいです」
「どこに安心する要素があるの!」
「死なないですよ?」
「それって、ただ永遠に苦しむだけだよね?」
「そうですが。王の、私達の顔を蹴ったのです。死刑すら生ぬるいです。永遠に苦しみ悶えなさい」
あれ、これってもしかしなくても、コロナちゃんも相当怒ってる? 確かにコロナちゃんの身体だし、納得だけど。
「本当にごめんなさい。でも、ヴィヴィオも悪気があってやった訳じゃないの」
「悪気がなくても、やった結果はかわらないです」
「そうだけど、謝ってるわけだから、どうにか許してあげられないかな?」
「……少し待つのです」
「う、うん」
イクスヴェリアは、そのまま後ろ向いてしゃがみ込んで何かをぶつぶつと言い出した。声はわからない。何かの結界を張っているようで、私達からは何も聞こえない。
「条件付きで許してあげます」
「条件?」
「ミッドチルダにあるホテル、フレスランド・ロイヤルホテルの最上階にあるスイーツの食べ放題で手を打ってあげます」
「「え!?」」
確か、そこって王族とか管理局の将クラスの人の御用達点で、確か値段は時価でとんでもない値段のスイーツがある店だよね。万じゃ効かないっていう……
「王様御用達を名乗っているのですから、イクスヴェリアが食べて調べないといけません。王が食すのに値するかを」
「それってただ、食べたいだけだよね!」
「はい」
「えっと、場所代とかスタッフの代金も合わせて、全部で70万? なにこれ……次元世界の至高のデザート達……な、なのは、こ、こんなの無理だよ!」
「お、お金なら大丈夫だよね。家を買うために貯蓄があるし」
「よ、予約がいるんだよ。二年先だって……」
「では、二年はこのまま現状維持ですね」
無表情な状態から二コリと笑う、イクスヴェリア。これ、本気の顔だ。
「ま、待って、まだ最終手段があるよ」
「え?」
私は携帯を取り出して、広報課に連絡を入れる。内容を伝えると、オッケーが出た。
「ふう、明日夜、七時に予約して貰ったよ。流石は管理局の広報課だよね」
「待って、広報課っていった?」
「うん」
「なのは、もしかして……」
「言ったよね、最終手段だって。写真撮影だって……頼まれてたのを断ってた奴」
「むっ、無理っ、無理だよ!」
「諦めて。フェイトちゃんは美人過ぎる執務官だったかな。私はエース・オブ・エースの特集だったね」
「ふふふふ」
「ふぇ、フェイトちゃん?」
フェイトちゃんが携帯を取り出して、何処かに連絡を入れた。多分、広報課。
「じゃあ、そういう事でお願いします。はい、ありがとうございます。じゃあ、なのは。一緒に頑張ろうね」
「なななな、なんてことをしてくれたのかな!」
「私だけじゃ不公平だから、なのはもだよ。逃がさないからね」
「くっ」
「面白そうですね。私も参加しましょうか」
「待って!」
「あくまでも管理局のだから!」
「いえ、ホテルの宣伝もあるのでしょう。冥府の炎王の後継者として、私も出てあげましょう。話題性バッチリですよ」
「ど、どうなるの、これ」
「さ、さあ……」
その後、私達を知る者は誰も居なかった。という事はなく、なんていうかドレスコードした私達を他所に、イクスヴェリアちゃんが絶大なカリスマを発し、ほとんど全てを持って行った。お蔭で大分助かったんだけど、なんで管理局のアイドルみたいになっちゃってるの!?
「人心掌握術は帝王学とならぶ王の基本装備です。存在としての格が違うのですよ、格が」
王様はヴィヴィオとケーキの取り合いを笑ってするぐらいは、機嫌がよかった。その後、出た写真集にイクスヴェリアちゃんがメインになっていた。これでいいのか、広報課と思ったのだけれど最後の部分に袋とじがあって、1/1000000で高町なのはさんと、フェイト・T・ハラオウンさんの就寝写真が当たると書かれていた。
「なにこれ、なにこれ!」
「あわわわわわわ」
「これ、やったのイクスちゃん!?」
「いえ、私ではないです。私はただ、はやてにレポートを提出してあげただけです」
「はやてちゃぁああああああああああああああんっ!!」
「だまらっしゃい!! 二人だけ美味しい思いをしてお土産無しとか、ふざけんなぁあああああああああああああぁぁぁぁっ!!」
「ま、待ってイクスヴェリアちゃんが持って行ったはず……」
「アレはセッテ用ですよ。他は知りません」
「アリシア、お母さん、いまそっちに……」
「フェイトちゃん、はやまらないでぇぇぇっ!」
「離してっ! あんな姿が世に出るなんて、生きてられないっ!」
「ふふふ」
「ん、コロナ、またケーキ欲しい」
「いいですよ。味はコピーしましたし、代用品も準備できています。好きなだけ、作ってあげましょう」
「「「……」」」
私とフェイトちゃん、はやてちゃんは固まって、イクスヴェリアちゃんを見る。イクスヴェリアちゃんはこっちを見て、にこりと笑って……
「欲しいですか、愚民ども。あの程度、私の解析技術を持てば簡単にレシピを発見でき、数千年で培われた技術を使って改造が容易です。それと、その写真の件ですが……見本なのでまだ販売されていませんよ。先に検閲するので売る前に送るように言いましたから」
「流石は王様!」
「た、助かったの……」
「まだや、発売しいひんなんて許さへん! 私は食べれてへんねんから!」
「そーだそーだ!」
何時の間にかヴィータちゃんまで湧いて来た。その間にも、王様がキッチンを作り出して着々と作っていっている。ほとんどがオートメイション化されているようだけど。というか、無断に芸術品を作り出している。これが王様の標準装備だというの? なんていう女子力!?
「あの、それをみんなに食べさせてあげてくれないかな?」
「いいですよ。お二人がこのジュースを飲んでくれたら」
「「え?」」
「大丈夫です。害はありません。なんなら、私が飲んだ後飲んでもいいです。むしろ、疲れた体にはいいものですよ。ちょうどいい、キャロもどうぞ」
「あ、はい」
キャロが通りかかって一瞬で捕まった。それで渡されたジュースを飲んでいく。
「だ、大丈夫?」
「大丈夫ですよ。普通に美味しいです。それに身体が軽いです。ケーキと会いそうですね。私も貰っていいですか?」
「ええ、キャロはいいですよ。飲んでくれましたし。そうですね。飲んだら食べていいですよ?」
「お、まじか。じゃあ、いただきます!」
「ヴィータ!? あれ、なんともないようや」
「じゃあ、飲もうか」
「そうだね」
「まち。どうせなら私も飲むから一緒に飲もうか」
「うん」
「じゃあ、いっせぇ、ので」
私達三人はごくごくとジュースを飲む。すると、身体が熱くなっていく。あわてて、イクスヴェリアちゃんを見るけど、ニヤニヤと笑っていた。
「馬鹿な、ヴィータ達はなんともなかったのに……」
「私達に違いがある?」
「あ、あの、なのは? はやて?」
「ど、どうしたの? って、何その恰好!?」
フェイトちゃんの方を向くと、そこには懐かしい姿が。管理局の制服がぶかぶかになり、下に落ちている。ぎりぎりシャツで身体は隠せているけれど、そこに居るのは9才のフェイトちゃんだった。まって、視界の高さが変わらない。それってもしかして……私の身体をみると同じ事が起きていた。はやてちゃんもだ。
「どうやら、成功のようですね。名付けて、
「うわぁ、すげぇなつかしいな!」
「昔の皆さん、凄くかわいいです!」
「…ヴィータ達がかわらんかったのは……」
「元から小さいからだね」
「やられた」
「ちなみに成長率は子供の頃のままです。大人に変わっても得た力はそのままです。ですが、大人に戻れるようになるまでどれくらいかかるかは知りません。せいぜい、頑張って魔法少女をしてくださいね」
「なんでこんな事を!」
「私とキャロが見たかったからですが、なにか?」
「小さいフェイトさん、凄く可愛いです」
これは急いでシャマルに助けをもとめないと、まずい! 威厳が、私の威厳が!
「その状態でカリスマを出せたら、新たなステージです」
助けて、この子性格悪いよ!
Stsが好きです。でも、無印とASのほいが、もっと好きです。大人モードがあるなら、ロリっ娘モードがあってもいいじゃない!
どこかの同人でそんな話がありました。