“冥府の炎王”コロナ・ティミル   作:冥府の炎王

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第12話

 

 さて、小さくなった人達を改めて観測します細胞の増殖と若返りに関しても、流石は数百年以上と時を生きた魔女が作り出した秘薬です。なんの問題もなさそうです。変身魔法のような扱いはしていますが、全くの別物です。後は売りに出す時は秘薬を薄めて、変身魔法を自動で使うそれ専用のデバイスをバッテリーつきで販売しましょう。犯罪に使われる場合もあるので、あくまでも個人の若い時を参照して発動するようにしましょう。問題はないようです。

 

「な、何をする気なんや!」

 

 なのはさんが出て行き、フェイトさんはキャロさんに抱き着かれています。

 

「ただの資金稼ぎです。デバイスの開発にはお金がかかりますからね。永遠に若い姿を保つのは女性の夢なのでしょう?」

「それはそうやけど……って、戻るの?」

「しばらくはそのままです。といっても、一ヶ月くらいで戻る手段を渡しましょう。ただし、私に開発室を使わせてください」

「ええやろ、つかわしたる。けど、もう一つ追加で条件がある」

「条件?」

「そうや。シグナムのレヴァンティンを修復して欲しいんや」

「お断りします。ですが、改造していいのなら、構いませんよ」

「それは……」

「構いませんよ」

 

 何時の間にか、シグナムさんが屋上にやってきていた。彼女は近付いて、はやてさんを抱き上げました。

 

「し、シグナム?」

「懐かしい姿ですね。高町があの姿で出て来たので、もしやと思ったのですが」

「いや、ちょっと?」

 

 お姫様抱っことは、やりますね。

 

「イクスヴェリア。レヴァンティンは貴女に預けます。ベルカの技術者として最高の物を用意して頂きたい」

「いいでしょう。最高の剣に仕上げてみせましょう」

「期待しております」

 

 二人は歩いていきました。どこに行くかはわかりません。このままベッドへ直行かも知れませんね。

 

『よかったのですか? 剣を作るなんて』

「構いませんよ。私の実験台になってくださるそうですから」

『実験台ですか?』

「ええ、データを取らせていただきます」

 

 イクスと話しながら、私はセッテと一緒に借りられる部屋を聞くために二人を追いかけます。

 

 

 

 

 新暦75年9月10日

 

 

 

 なのはさんが指揮する六課のフォワード達+ロリっ娘フェイトさん対私とセッテという戦闘訓練が行われました。戦いは言うまでもありません。()()()()()でした。ゴライアス対ヴォルテールの戦いを海上で行い、それ以外は陸地での戦闘です。しかし、大怪獣決戦は残念ながら負けました。ヴォルテールは流石に強いです。しかし、それは一対一ならです。デストロイみたいに三体もゴライアスを用意したら勝てました。やはり、勝因は物量ですね。ちなみに私達の戦いはフラッグ戦です。私達は目標のフラッグを手に入れれば勝ち。逆にフォワード達は私を倒せば勝ちです。

 

「左舷、弾幕薄いです。何やってるんですか」

「むぅ」

 

 左舷はセッテの担当です。ちなみに私達はドーラの砲の上で立っています。

 

「追加支援します」

『了解です。取り敢えず、3千機ほど増やしましょう』

「そうですね」

 

 現在、戦いはイクスに頼んでいます。ですが、私達が一緒に戦っています。という訳で、3千機の機関銃の砲台を設置し、一斉に砲撃を開始します。すると、突破しようとしていたエリオさんとスバルさんが慌てて逃げていきます。

 

「すかさず追撃です」

『1番から255番まで、ホーミングミサイル発射』

 

 盛大にミサイルが飛んで行きます。

 

「ぎゃぁぁぁぁっ!」

「無理むりぃぃぃっ!」

 

 爆発で吹き飛んでいくフォワード達はまるでごみの……こほん、はしたないですね。こんな事を思いつつ、空を見上げるとキラっと光る一番星が……振ってきました。

 

『イクス』

「それがありなんですか」

『高高度からの降下作戦。確かに使える手段です』

 

 フェイトさんが大鎌を持ちながら、とんでも無い速度で突撃してきます。涙目で、恨みがましい目をしながら。瞬時に迎撃のために放った弾幕を突破してくるフェイトさん。

 

「任せました」

『はい』

 

 私とイクスが変わり、昨日作った試作剣でフェイトさんの鎌を受け止めます。

 

「イクス、なんでこんな恰好なの!」

「その恰好がデフォルトでしょう。見ましたよ、お二人の戦闘記録」

「っ!? この年になってこんな恰好をさせられる恥ずかしさがわかる!」

 

 ちなみに皆さんの服装は映画版です。これは変身魔法を使わせてバルディッシュに本来作らせられているバリアジャケットとは別です。なので、しばらくしたら解析されて解除されるでしょう。

 

「ええ、わかりますが、そっちの方がいいですよ。おっきいお友達に」

「なななななっ」

 

 顔を真っ赤にしてうろたえるフェイトさんの隙をついて、腹に蹴りをプレゼントしてあげます。断空拳を足で再現したのですが、かなりの威力……いえ、自分で飛びましたね。

 

「ふふふふ、もう怒ったよ」

『危ない気配がします』

 

 おや、雨雲が集まってきていますね。おかしいです、今日は天気のはずです。

 

「サンダーフォール……収束。圧縮」

 

 え? なんだか、大量の雷を自分に落として集めているんですが、あの人。しかも、あれ、魔法でもない本物の雷ですよ?

 

「術式兵装・雷神」

 

 雷を取り込んだのか、全身がバチバチと帯電しています。次の瞬間には目の前に居て、蹴り飛ばされました。なに、光の速度ではないですが、音速ぐらいは出ています。

 

「ちょ、これは無理です」

『あはは、なんですかこれ』

「ちぃっ、弾幕が間に合わないっ!」

「貴女は強い。でも、圧倒的に速度が足りない!」

 

 一瞬で身体を切り刻まれていきます。

 

「くっ、こうなったら!」

 

 一斉に空間爆雷を設置して、高速で動けなくします。しかし、相手は更に先を行っていました。気付けば私の周りには巨大な魔法陣が雷の道で描かれており、それは円形の立体魔法陣で私達は完全に包囲されていました。

 

「辱しめを受ける私の痛みを思い知って!」

「いや、待って下さい。それでこれはいくらなんでも……というか、なのはさんもそうですが、なんでそんなの使えるんですか!」

「前にイクスちゃんのを見て、喰らって覚えたの!」

「どんだけ天才ですか!」

 

 無印の二人は化け物か! ああいえ、化け物でしたね。始めて魔法を使って二週間から一ヶ月練習するだけで収束砲(核兵器)を使える女の子のライバルですもんね。

 

「イクスちゃんに言われたくないけどね」

「私のは純然たる努力と観察力です」

『後は時間ですね』

「私もそうだよ?」

「『嘘です!』」

「ふふふ、取り敢えず、ぶっつけ本番だけど喰らってね。雷神の鉄槌(トールハンマー)

「『みぎゃぁあああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!』」

 

 巨大な雷撃の柱が私を包み込み、全身を隈なく痺れさせてマッサージしてくれました。ええ、一瞬でイクスが私と変わってイクスが気絶してしまいました。

 

「倒れてない?」

「こ、殺す気ですね」

 

 なんだか、とっても身体が軽くていい気分です。

 

「そんな事はないよ。ちゃんと非殺傷だし。さっきのは物量の雷じゃないからね」

「よかったです。ですが、対策は考えました」

「へぇ、じゃあもう一発いってみようか」

「え!?」

「大丈夫。たった残り12発だから」

「それはたったじゃないです!」

「問答無用だよ。えい♪」

 

 そして、また落ちてくる雷撃の柱に私はある魔法を唱える。

 

「ニトクリスの鏡! 八咫の鏡!」

 

 反射させてやりますよ! 実際に何発も返して互いに拮抗していました。しかし、このままでは不味いので、さっさとイクスに起きて貰います。どちらかが起きていたら、リンクしてたたき起こす事が可能なのです。

 

「甘いよ」

「え?」

 

 視界を雷で奪われ、鏡を持つ体勢で固定されて見失っていた一瞬で背後を取られて、大きな鎌が私の首に添えられました。空間爆雷の中を駆け抜けてきたんですね。本当におかしいです。

 

「まだやる?」

「り、リミッター外してますよね!」

「ううん、してるよ?」

「明らかにおかしいんですが……」

「うん。昨日、いっぱい勉強したんだ。イクスちゃんがしていた自然界の魔力を使う方法。覚えちゃった」

「いや、覚えちゃったって。アレを一日とか……私、四ヶ月はかかったんですが」

『ん~頭が痛いです。ですがコロナ、あの魔法は普通に才能の有る人でも80年はかかりますよ? 一応、魔導の奥義の一つですから。ちなみに私は使えません』

 

 イクスはそもそも必要ないでしょう。どんだけ魔力があるんですか。というか、なのはさんとフェイトさんって、こっちの技術を見せたらどんどん吸収して強くなるような気がします。

 

『見取稽古ですね!』

「降参して?」

「はい。ここは潔く戦いの負けを認めましょう。ですが、次はこちらも負けません」

「ん?」

『見取稽古が得意なのは自分達だけだとは思わない事です。うちのコロナだって負けていません!』

 

 いえ、こんなバグキャラと一緒にしてほしくはないです。

 

「それじゃあ、帰ろっか」

「はい」

 

 フォワード達の方に行けば、彼女達は倒れて積み重ねられており、その上でセッテが立った状態で腕をあげていました。まるで勝利を宣伝するかのように死体の彼女達に突き刺したフラッグを持って。

 

「ああ、訂正しておきますよ。あの時点で、私達の勝ちは決まっていました」

「なななななっ、なんで一人に負けているの!?」

「セッテの実力を甘く見ましたね」

「あはははは、うん。彼女、とんでもないね」

「うむ。ベルカの戦闘技術を余す事なく取り入れているようだな」

 

 なのはさんとシグナムさんがセッテの実力を評価しています。それはそうです。私が徹底的に技術を教え込んで、助手と練習相手を務めて貰っているのです。

 

「冥王の従者を甘く見てはいけませんよ」

 

 てくてくと寄って来て抱き着いてくるセッテを抱きしめ、頭を撫でてあげます。するととっても嬉しそうに頭をぐりぐりと首筋に擦りつけてきます。

 

「ぎぶぎぶっ、ぎぶですっ! 苦しいです、セッテっ!」

「あははは、負けたねフェイトちゃん」

「戦いには勝ったけど勝負には負けたよ。本当にすごいね。もっと精進しなきゃ」

「そうだね。じゃあ、今夜も戦技訓練しようか。朝まで寝かさないよ」

「うん。なのはもだよ」

 

 この二人。まだ強くなる気です。どうにかしてください、誰か。

 

 

 

 

 

 

 

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