“冥府の炎王”コロナ・ティミル   作:冥府の炎王

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第3話

 逃げ帰った私は急いで証拠隠滅に走ります。機材を全部お母様の部屋の仕事部屋に戻して、机の上に座って高速で宿題を終わらせます。本来ならこれもイクスにやって貰うのですが、時間がありません。宿題を終えて……肝心な事を忘れていたので、急いでシャワーに入って着替えます。着替えた物は洗濯機に突っ込んで、洗濯します。髪の毛を乾かしたら、予備の制服に着替えておきます。

 

「これで完璧です」

『どうでしょう?』

 

 まあ、不安ですが大丈夫でしょう。それよりもついでなので勉強を続けておきましょう。

 

「ただいま~。良い子にしていたかしら?」

「怪我はしていませんよ」

「そう?」

 

 身体をチェックされますが、問題ありません。掠り傷くらい何時もの事ですし。

 

「掠り傷を負っているじゃない。女の子なんだから、気を付けないとね」

「そうですか?」

「そうよ。それより、晩御飯はなにがいい?」

 

 そんな話をしていると、家のチャイムが鳴りました。

 

「あら、お客さんかしら?」

 

 お母様が下の階に行きます。嫌な予感がして、こっそりと聞き耳を立てます。

 

「時空管理局本局、機動六課の高町なのはですが……こちら、コロナ・ティミルさんのお宅で間違いありませんか?」

「ええ、そうですが……主人ではなくコロナですか?」

「はい、そうです」

「あの娘が何か……」

 

 やばい、なんでここがばれたのですか! それに名前まで! こうなれば逃亡して……

 

『駄目みたいですよ?』

 

 窓を開けてそこから逃げようとすると、そこには金髪の女性が空を飛んでいました。

 

「何処に行こうとしているのかな?」

 

 その女性に腕をつかまれます。慌てて操作魔法を発動します。

 

「無駄だよ。ちゃんと対策しているからね」

「っ⁉」

 

 こうなれば最終手段です。

 

「ん?」

「きゃぁああああああああぁぁぁぁぁっ⁉ 変質者っ! 犯されるっ! 誘拐されるぅぅぅぅぅっ‼‼」

「ちょっ⁉ 違うよ!」

 

 思いっきり叫ぶと、何事だとそこら中の家から家の人達が出てきて、中には通報してくれる人もいる。

 

「違います! 違いますから!」

 

 慌てて弁明する金髪の人は私から手を離す。今の間にわざと服をはだけて通り抜けようとしたのだけど、背後から扉が蹴破られて二人の人影が入ってくる。

 

「大丈夫!」

「管理局です。大人しく投降してください、へんし……あれ?」

 

 お母様と高町なのはさんが入って来てしまいました。こうなったら、仕方ありません。私が取る選択肢はひとつ。

 

「うわぁぁぁんっ、お母様ぁ~~」

 

 泣きながらお母様に抱き着いて、その背中に隠れます。

 

『黒いです』

 

 勝てば官軍です。

 

「フェイトちゃん、まさか……」

「違うから! 確かに腕を掴んだけど……」

「フェイトちゃんにそんな趣味があったなんて……キャロも……」

「なのは~~~~!」

 

 なのはさんは泣いている私とフェイトさんを見る。

 

「フェイトちゃん、ちょっと署の方で話を聞こうか」

「違うから! 信じて、なのは!」

「うん。話は署でね。だから、コロナちゃんも来てね?」

「え、やだ」

「だ~め」

「あれ、なのは? もしかして、そういう事?」

「コロナ、よくわかんない」

「今更、猫を被っても駄目だよ」

「あの、この子は何をしでかしたんですか?」

「それは……とりあえず、座りながら話しませんか? 少し長くなるので」

「わかりました。コロナ、逃げるのは駄目ですよ」

『観念してください』

 

 変りませんか?

 

『嫌です』

 

 仕方ないです。でも、なんでわかったんでしょうか?

 

 

 

 リビングに移動し、私とお母様が椅子に座り、対面になのはさんとフェイトさん。それに後からやってきたはやてさんとヴィータさんが居ます。ヴィータさんは思いっきり睨んできています。私は怖いのでお母様に抱き着いておきます。まだ、どうにかなるはずです。たぶん。

 

「それで、話というのはなんでしょうか?」

「それなんですが、本日コロナちゃんが危険な魔法を使用していました」

「危険な魔法ですか? 法律に抵触するような魔法は教えていませんが……」

「参考までになんの魔法を教えたのですか?」

「基本的な物と、ゴーレムクリエイトです」

「なるほど。爆発系統はどうですか?」

「発火くらいは教えています。この子もデバイスマイスターの資格を持っていますから、テストの為に必要ですから」

「この年でそれは優秀ですね」

「そうなんですよ。うちの子は天才なんです。小学校も主席で……」

 

 お母様の自慢話が続きますが、ボロを出さないようにしないと。

 

「それで、大規模な爆発系の魔法を使われていたんですよ。そこで声をかけたら、逃げまして。その為に捕まえたんですが、操作系魔法を使われて……」

「それはうちのコロナで間違いないんですか? 確かに操作系の魔法を使っていますが……」

「デバイスなどの記録されたデータはすべて消去されていました」

「では……」

「ですが、現場にこれが落ちていました」

 

 そういって、なのはさんが取り出したのは私の学生証でした。ポケットに入れていたはずですが、どうやら波で転がされた時に落ちたのかも知れません。

 

「ですが、それだけでは……」

「そうですね。これが砂の間に埋まっていなければ問題なかったでしょう。調べたら、最後に逃げる彼女が足跡を消す為に作り出した波によって運ばれた砂などをかぶっていました。精査した結果、落とされたのはこちらの八神さんがその少女と出会う直前でした。もう、わかりますよね?」

「コロナ」

 

 私はそっぽを向きます。

 

「な・に・を・し・て・い・た・の・か・し・ら?」

「考案した新魔法の実験をしていました」

「なんで逃げたんや?」

「だって、怪しい人に話しかけられたら逃げなさいって教えられたから」

 

 私の言葉に全員の視線がはやてさんやヴィータさんに集まる。

 

「いや、ちゃんと管理局って名乗ったから!」

「そうだそうだ!」

「え? そう言って誘拐して言えないような事や身代金を要求する人が居るって」

「管理局の名を騙って犯罪をする人もいるから……」

「管理局の名を語って犯罪をする人もいるから……」

「それ以前にちゃんと証明の登録証を見せ……」

「なあ、はやて」

「なんや?」

「そいつ、ずっと後ろ見てたぞ? だから、アタシが横から……」

「はやてちゃん?」

「見せて……ないね」

「それ以前に、子供にわかるのかな?」

「つまり、しっかりしている私のコロナだから、逃げたという事ですね」

 

 これで逃げた事はどうにかなりました。

 

「まあ、それはええやろ。とりあえず、ヴィータにかけた魔法を解除してくれへんか? 解析班の結果じゃ、増幅に、侵蝕まであるみたいやけど」

「増幅というより、侵蝕です。私のお人形さんに変える術式ですから」

「怖いわっ!」

「まあ、完全な解除は無理ですが、ある程度なら解除できます。残りは時間経過で解かれます」

「それなら、まあなんとかなるやろ。んで、危険魔法の使用に関してや。今回は幼い事もあるから注意だけでええけど、次はないで?」

「はい」

「気を付けさせます」

「というか、管理局に訓練所があるから、そこでやればいいのに」

「管理局の施設とか、データを取られるので嫌です」

 

 特にミッドチルダの地上は危険すぎます。

 

「いや、それでも危ない事はないよ?」

「あり得ません。私は管理局を信じていません」

「……それはなんでかな?」

「これを見てください」

 

 私はジェイル・スカリエッティの資料を渡す。これはお父様経由で集めて貰いました。彼の戦闘機人の技術は欲しいのです。

 

「これはジェイル・スカリエッティの事件記録だね」

「これを見て不思議に思いませんか?」

「ん?」

「どこもおかしいような所は……」

「あるよ。こうしてリストにされて見ると明らかにおかしい」

「「え?」」

「ほら、コロナが言いたいのはこれだけ検挙するために襲撃しているのに、その施設のほとんどが廃棄されているってことだよ。これは管理局の情報が洩れているってことだね」

「それも上層部ですよ。例えば最高評議会とか」

「確かに彼らが発注した資材が高確率で奪われているね」

「はやてちゃん、これって」

「やばい事やないか」

 

 さて、この段階で最高評議会を疑う事が出来るようにしたから、頑張ってくださいね。

 

「この情報、どこで手に入れたの?」

「お父様にお願いしました。少し興味があったので」

「そう。これはこっちで調べておくよ」

「お願いします。それとその理由以外にですが、管理局は子供を働かせるブラック企業だという事です。休みは一ヶ月に一度だけ。それも半休です」

「「うっ」」

 

 なのはさんとはやてさんがそっぽを向いた。

 

「そして何より、行き遅れになりそうです」

「「「なっ⁉」」」

「三人の方は結婚していますか?」

「それは……」

「し、してない……」

「あ~」

「強くなりすぎた上に地位も高く給料も高い女性。そんな人に男性はやってきません。ほとんど、寄生目的のろくでもない男性です。良い人達は高嶺の花より、身近な花で妥協するものです」

「はぅ!?」

「ぐぅっ!?」

「ふ、二人共、大丈夫?」

「なのはちゃんはユーノ君がいるし、まだ希望はあるやろ。でも、私らは……」

「ど、どうしよう!」

「コロナ、どこで習ったのかしら?」

「それは……ドラマで」

「そう。テレビも考えないといけないわね」

「はやて、はやてにはアタシ達がいるじゃねえか」

「そ、そうやね! はっ、こほん。」

 

 はやてさんがわざとらしく咳をして、話を変えてきた。

 

「ところでコロナちゃんの目的はなんなん?」

「最年少で次元世界最強です。つまり、DSAAの優勝です」

「なるほど……それなら、外部協力者として登録だけしてくれへんかな?」

「嫌です」

「そういわずに。それなら魔法を使っても問題ないで」

「そんなの、いりません。そこの高町なのはさんは9歳でスターライトブレイカーを使っていました。なら、私が同じ威力の物を使っても問題は……」

「いや、あそこは管理外世界やから、ここは管理世界や」

「……」

「大丈夫やって。緊急時にだけちょっと手伝ってほしいだけや」

「駄目です。コロナに危険な事をさせる訳にはいきません」

「そこは……」

 

 お母様とはやてさんが話していきますが、結局登録は免れました。ただし、魔法を使う場所はしっかりと申請を出すように言われました。なので砂浜を登録しておきました。まあ、罰としてデバイスを取り上げられたのですけどね。もっとも、イクスが居るのであまり必要はありませんが。

 

 

 

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