“冥府の炎王”コロナ・ティミル   作:冥府の炎王

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第7話

 ウェンディ

 

 

 

 アタシ達は負傷したクアットロを連れて帰宅した。ドクターにその事を話すと、楽しそうに笑っているっす。

 

「それで、レリックはどうだね?」

「もちろん、確保してきたっすよ」

 

 ケースを開けて、中を確認するとそこには何か変な結晶みたいなのがありやがったっす。

 

「レリック?」

「違うね」

「なんだなんだこれ?」

 

 ノーヴェがそういうと、急に結晶が光り出して、一瞬。私達の視界を覆いやがったっす。その直後に中から人が現れやがったっす。

 

「なんだかんだと聞かれたら」

「答えてあげるが世の情け」

「世界の破壊を防ぐため」

「世界の平和を守るため」

「愛と真実の悪を貫く」

「ラブリーチャーミーな敵(カタキ)役」

「コロナ」

「イクス」

「次元を駆けるガレア団の二人には」

「ホワイトホール、白い明日が待ってるぜ!」

 

 なんて事をいいながら、人影から多数の砲塔が飛び出してきやがったっす。

 

「貴様はっ」

「ほう、イクスヴェリアか。しかし、聞いていた話と随分と違う」

「こ、こんな奴が悪逆非道といわれるガレアの王なんっすか?」

「我々の要求は簡単です。最高評議会の事を暴露して、管理局と司法取引を行ってください。聖王オリヴィエのクローン、ヴィヴィオを完成させ、聖王の鎧を標準装備させてください。また、それに伴い聖王のゆりかごは諦めてください。私が聖王を倒します。それとせっかくの遠足を台無しにされ、学校に通えなくなった責任として慰謝料を請求します」

「おい」

「なんかふざけた要求っすが……でも、確かに最後のはひどいっすね」

「ふむ」

「なお、この要求が受け入れられない場合……本施設に対して自爆及び砲撃を行います」

「物騒っす!」

「いや、それ以前に自爆といったか?」

「うん。これ、十中八九マリアージュだね」

「つまり、偽物っすか」

「そうなると……相手の目的は要件だけではなく……しまった、急いで研究区画に!」

 

 ドクターが走りだすと、後ろの砲台たちが砲撃を開始しだした。うちらは急いで無力化するっす。

 無力化がどうにか終わり、自爆する前にノーヴェがマリアージュを粉砕してくれたから、どうにかなったっす。それからドクターのもとへと向かうと……そこは一言で言うと荒らされていたっす。

 

「ドクター?」

「やってくれたよ。彼女は最初から私の研究データと資材が狙いだったんだ。しかも、セッテが奪われた」

「セッテって、確か初期段階のミスで今は別ボディで眠らせていたんすよね?」

「ああ、そうだ。そっちが奪われたんだよ」

「取り返すっすか?」

「いや、いい。それよりもここを廃棄せねば。計画が狂うが仕方あるまい。どうせ、追った所で罠が待ち構えているだろうからね」

 

 やっぱり、ドクターはうちらの事を娘とも思ってねえっすか?

 

 

 

 

 

 

 コロナ

 

 

 

 

 

 さて、必要なデータと資材を確保しました。逃亡した先で追っ手を待っていたのですが、全然来ません。これは諦めましたか。残念ですね。

 

『コロナ、この子はどうするんですか?』

 

 びしょ濡れで裸の()()女の子が私の腕の中に居ます。

 

「えっと、思わず連れてきてしまいましたが、どうしましょう?」

『えっと、わからないです』

 

 この子は桃色の髪の毛をした戦闘機人のセッテちゃんです。イノセントの方というのがまた、凄いです。年齢は私と同じくらいで、瞳も桃色です。ドクターが予想以上に早く戻ってきた事もあって、慌てて連れてきてしまいました。

 

「これはもう、あれですね。このまま連れていきましょう。捨てていくのは可哀想ですし」

『そうですね。お友達になってくれるでしょうか?』

「多分。取り敢えず、起こしましょう」

『そうですね』

 

 幸い、あちらから取って来たデータと資材を使えば目覚めさせられます。一応、別の世界に移動してから目覚めて貰うとしましょう。

 

 

 

 ホテルの一室で、セッテを目覚めさせました。ちなみに彼女にはちゃんと私の服を着て貰っています。

 

「……」

「起きましたか?」

「ん」

「身体に問題はありますか?」

「……ない……」

 

 それから話しを聞いたところ、彼女は今目覚めたばかりのようで何も知らず、わかっても居ませんでした。これはあれです。奇しくも生まれたばかりの戦闘機人を貰えたようです。これがガンダム奪取作戦ならぬ、新型戦闘機人奪取作戦ですね。

 

「私はコロナです。こちらは私の中に居るイクスです。よろしくお願いしますね、セッテ」

「……ん……マスター」

「マスターは止めましょう。コロナでいいですよ」

「ん、コロナ」

「はい、セッテ」

『初めての友達です!』

 

 イクスも喜んでくれているようで、私は変わって彼女達の会話を聞いておきます。といっても、ほとんどイクスが話すだけですが。セッテは無口な子ですからね。

 

 

 さて、セッテを仲間に入れた私はミッドチルダに戻ってきました。これからどうしようかと悩みながら、セッテの手を引いて歩いていると、急に出て来た車に跳ねられてしまいました。違いますね、私達が飛び出してしまったのです。幸い、肉体操作で避ける事は出来ましたが、腕が変な方向に曲がりました。腕の中のセッテは無事なので問題ありませんね。

 

「大丈夫か!」

「どっ、どうしましょう!」

「落ち着け。とりあえず病院に運ぶのだ」

 

 

 

 私達は偉そうな管理局の服を着た人達にお持ち帰りされてしまいました。まあ、その気になれば逃げだせるのでよしとしましょう。

 

 

 

 病院で管理局と機動六課についての事情を話すと、男性……レジアス・ゲイズ中将はなんとかしようと言ってくれました。そして、腹を割って話すと強大な魔力や希少能力などを持つ突出した個人の力に頼った組織運営方法を不信に思っており、能力重視の姿勢から子供や、時に前科のある存在でも取り込む本局の方針に強く反発し、加えて次元世界全体の安定を重視しミッド地上を軽視しがちな点にも強い不満を抱いている。この人がアインヘリアルを欲しがる理由もわかります。

 

「不本意だが、これで戦力が整うなら構わない。しかし、本当にいいんだね?」

「もちろんです。取引にはそれ相応の代価は必要でしょう。というわけで、セッテの戸籍も用意してくれたらマリアージュを提供しましょう」

「ありがとう。そちらは任せてくれたまえ」

「ふふふ、悪ですね」

「おぬしもな」

『なんでそんなに意気投合しているんですか!』

 

 必要な事ですから。子供を働かせるのはどうかと思います。今回の件は背に腹は替えられぬという事で、私の協力は渋々ですが納得してくれています。少なくとも、ミッド地上にゴーレム部隊が配備されれば問題ないでしょう。必要なエネルギーは魔力炉や魔導炉と呼ばれるエネルギーを生成する炉から取ればいいだけですしね。

 

「しかし、こちらからも要求はある」

「なんですか?」

「それはだね。君、非殺傷設定が出来るデバイスを持とうか」

「あっ」

「その状態で運用する訳にも、許す訳にもいかんな」

「ごもっともです……」

「報酬として用意するから、作るといい。どうせゴーレム制作に特化したデバイスを作って貰うんだ。資材は経費で用意してあげよう」

「ありがとうございます!」

「うむ。オーリス、案内してあげなさい」

「かしこまりました。しかし、本当に腕は大丈夫なのですか?」

「操作魔法を使っていますから、折れていても問題ありません」

「いえ、それは問題では……」

「それに助手のセッテがいますから」

「ん」

 

 成長に阻害が出てしまうかも知れませんしね。ジェイル・スカリエッティに関しても話し合って貰う事を提案しておきましたし、これでどうなるかはもう知りません。私は家に帰れたらいいのです。これで機動六課からの横槍もどうとでもなります。いえ、レジアスさんも完全には信じられませんので、何時でも逃げ出せる用意はしておきます。ふっふっふ、大量に配備されたゴーレム兵が敵になるという事はミッドチルダの地上を火の海にする事も出来るのです。これほどの安全保障があるでしょうか? ないでしょうね。

一ヶ月で管理局地上本部にある工房で戦闘機人のデータを基にした大量のゴーレムの生産を開始しました。これにより、地上本部の戦力は格段に増えました。このゴーレム達は地上本部から送られる司令により、戦闘を行っていきます。魔力はマイクロウェーブ形式にして、本部より送られます。これは魔導士の方達も戦艦から魔力を貰う時に使っている方法なので問題はありません。武装はバレットライフルとブレード。人型タイプはこれにしました。残りは戦車タイプや戦闘機タイプにしました。まあ、これらは戦闘機人のデータとレジアス中将にお願いして、地球から取り寄せたデータで作り上げたのでなんとかなりました。

 

 

 

 




ドクターはゼストや娘達にも説得されています。ここからinnocent方面のドクターに変化します。
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