少しキャラ崩壊してるかも……
「おい、忍足。お前俺に学校で話しかけんなって言ってんだろうが」
「別にもうばれても良いだろう?テメェは立派な九鬼従者なんだから」
「そう言うことじゃねぇよ!俺は目立ちたくないんだよ。もしかしたら闇討ちに合うかも、とかの理由で隠してねえ」
「そんなこと分かってるよ。そもそもアタイがちょっと話しかけたくらいじゃテメェの存在なんて認識されないだろ」
「……承知済みだが、人に言われると…いや、アンタに言われると無性に腹が立つ」
豪華な床・壁・置物の中で似合わなく、酷く、無駄な口論をしている二人がいた。
一人は茶髪な短髪にメイド服の女。もう一人はアホ毛に特徴的な眼、それと燕尾服を纏った男だ。
「この際だから俺は言いたいことを言うぞ、忍足」
先程から何らかの理由で怒っている男こと比企谷八幡は九鬼家従者にして表の番号には指定されていない者である。
「そんなことならアタイだって言ってやるぞ?」
怒られているにもかかわらずスルーしている女こと九鬼家従者序列1位の忍足あずみは喧嘩を買おうとしていた。
二人はどこからともなくクナイを取りだし、お互いに一定の距離をとる。
「「…………」」
距離をとった所で、お互いにお互いの動きを余すことなく目を鋭くしてうかがっている。
おそらく何らかのきっかけが無ければこのまま二人はじっとしているだろう。
しかし、
"ギィ"
「「!!」」
誰かが開けたであろう扉の音が二人の間に駆け巡る。そして二人は同時に相手の方へと走り出す。
「はぁっ!!」
「おらっあ!!」
だが、二人はぶつかる事はなく、むしろ最初の2歩で止まっていた。
「「!?」」
「お止めなさい、八幡」
「貴様、今何をしようとしているのか分かっているのか?」
突如として金髪と白髪の老人二人が八幡とあずみの前にそれぞれ現れた。
「……少し殺気を出しすぎたか、忍として情けないな」
「そういうことをするなら外でおやりなさい」
八幡の前に現れた白髪の老人こと九鬼家従者序列3位のクラウディオ・ネエロが彼に注意する。
「おい、聞いているのか?」
「うっ……」
高圧的な態度であずみを責めている金髪の老人こと九鬼家従者序列0位であるヒューム・ヘルシングは殺気をあずみに向けて全開にしている。
それに怯んでいるあずみはなにも言えずにただただじっとしているだけであった。
「……フッ」
その姿を見て八幡は誰にも聞こえないように鼻で笑った。
「八幡。貴方は人の事を笑える立場ではありませんよ」
「……うっす」
目の前にいたクラウディオには聞こえていたのか八幡は再び叱責された。
「もう良い大人なのですから、くだらない事で争っているのではありません」
クラウディオは二人に向けて再度注意した。
「……すんません」
「…申し訳ありません」
それに二人は素直に謝り、反省の色を顔に出した。しかしそれでも八幡にだけはまだ言い足りなかったヒュームは八幡の前に出る。
「ふんっ、八幡。貴様はもう少し精神修業でもしたらどうだ?貴様の強さは俺の折り紙つきだが、そのくだらん根性だけは認めんぞ」
「……あのですね。人はそんな簡単に変わら…」
「あっ?」
「いえ、なんでもないです」
流石に戦闘能力だけが強くとも一般人が気絶するくらいの顔と殺気を出されれば八幡といえども黙るしかないのだ。
「そんなことより、八幡。帝様がお呼びですよ」
「えっ……自分ですか?」
滅多なことでは呼ばれない自分が呼ばれたことに驚いている八幡であるが、それもそのはず。八幡が一部の従者と九鬼揚羽を除けばろくに会話したことがないのだ。
「呼ばれているんだ。さっさと向かえ」
「はぁ、分かりました。それでは失礼します」
ヒュームに催促され、一言3人に伝えたあと風のように八幡はその場から消えていった。
「相変わらずの速さですね」
「ふっ、そうだな。これからの成長が楽しみだ」
「……えっ、あれ以上成長するのですか?」
「当然だ。俺がどれ程の人を見てきたと思っている。あいつはこの俺を越えているんだ人類最強となってもらわなければ困る」
ーーーーーーーー
俺こと比企谷八幡は、九鬼帝様がいる部屋の前に立っていた。
「……部屋には……5人……いや、7人か」
忍者の性分というか、気配を探りながら移動しているのは何かと便利だ。
背後に立たれる心配もないし、立たれたら立たれたで剣士の恥をつけるかもしれないからな。
「……嫌な予感しかしない」
ろくに話した事がないけど、話すときは絶対に面倒事を持ち込むからな、あの人。
「…帝様。比企谷です」
嫌な予感を知りながら、深呼吸をする。そしてノックを4回して、俺は声を出す。
『おお、とっとと入れ』
中から帝様のお許しを頂き、俺は扉を開ける。
「失礼します」
俺の予想通り、中には7人の人がいた。
一番目立つ場所にいる俺を雇っている雇い主、九鬼帝にその隣に我が主にて帝様の実子である九鬼揚羽様。
それに九鬼家従者序列2位のマープルの婆さん。マープルが発案した武士道プランの申し子達、葉桜清楚、源義経、那須与一、武蔵坊弁慶がいた。
「それで、私めに何かご用でしょうか?」
「ああ、実はな……」
「嫌です」
ここはハッキリとそしてさっさと断るに限るな。俺はたとえ上司であろうとNoと言える日本人だ。
帝様は俺の態度をあらかじめ分かっていたかのようなタメ息を吐き出し、ガクリとする。
「…って、やっぱりそう言うよな」
「分かっていらっしゃるのなら、自分に頼まないでください」
「給料を引き上げてやるから」
「自分は生きるために、そして揚羽様をお守りするために働いているのです。今現在においてお金は必要ありません」
…………あ、やべ。勢いで言ってしまったが、これ物凄く俺の黒歴史になってしまいそう。
心のなかで留めておけば良かった。
「ふっ、揚羽。良い従者を持ったな」
「フハハハハッ!!我の自慢の執事です」
………………はっ!!これは褒めてルートを確定させようとしているに違いない。あぶねぇ、危うくクローンと関わらないといけないルートに入るところだった。
「話はそれだけでしょうか?それならば、他の者に当たってください。何度も言うようですが自分はお断りします」
俺はこれ以上この話を俺のもとに来させないように、そそくさと部屋から退出しようとする。
「待ちな、八幡」
しかしそれを阻もうとする絶対にこの中で年上なミス・マープルが俺に待ったをかけた。
ちっ、うまくいきそうだったのに……
「…………コノ、クソハバア」
「聞こえてるんだよ。くそはばあ?」
「えっ…いえ、……ははっ」
やべぇ!!本当に小さい声で言ったのに何で聞こえてんだよ!愛想笑いしか出来ねぇ!!
…しかしマープルに掴まれば俺は確実と言って良いほど引き受けてしまっている。
「はぁ、全く。少しはそういう生意気なところを直したらどうだい?」
「え、いや、それはですね…」
「それより八幡よ。本当に受ける気はないのか?」
マープルの話が長くなると予想をした揚羽様が、再び本題へと戻していく。
「揚羽様のお願いであろうと、自分が護りたいのは揚羽様や九鬼家の方々に九鬼という存在です。それに面倒なことをこれ以上増やされたら堪りません」
「フハハハハッ!!最後のが本音であろう?」
「流石、揚羽様。私めのことをよく分かっておられる。ぶっちゃけ理由の3割くらいが後者です」
そうなんだよな~、絶対にこいつらの面倒を見ろとか面倒な事を言うんだろうな。
本当に何で俺の答えがわかっているのにここまでするのか未だに分からない。
そんなことを思っていたが、揚羽様の顔がみるみる自信の満ちた顔になっていった。
「我とて何もタダでとは言ってはおらぬだろ?」
「いえいえ、御言葉ですが、今の自分を説得するより他の者をみつくろった方が良いかと」
「これを見ても言えるとは思えんが?」
揚羽様は俺に自分の前に来るように指示されたから素直に向かうと何かが書かれた紙を渡してくださった。
「この紙がなんだ……………………………………………と」
俺はビックリしてしまった。そしてまともな判断ができないくらいにパニクった。
えっ?何でこの事を知ってるんだ?
「相当驚いているようだな。だが、その内容は本当の事だぞ」
「…………これが交渉材料と?」
「うむ、その通りだ。引き受けてくれればそれを譲ろう」
……ヤベェ。ここで引き受けちまったら面倒な事に巻き込まれるのは確実だ。
だが、ここで引き受けなかったらこの剣が二度と手に入らなくなる。
しかし俺の戦いかたは…………いや、戦いかたはいくらあっても良いものだ。
「…………」
「そうか、駄目であるか……」
「仕事引き受けます」
「!?…本当か!?」
「ええ、子守りをして見せましょう」
俺の手にある紙には、九鬼が『夜』を入手したという情報が書かれていたのであった。
俺ガイルのキャラクター達も出ます。