忍?剣士?術者?執事?ボッチ?   作:仮初

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お気に入り数がまた増えてる………今回も最後ら辺から適当になってます。


三話

決闘の前に俺は刀を取りに戻り、それを腰に3本さした状態で観客やクローンが集まっている場所に足を運ぶ。

 

「ちょっと」

 

しかし、そこに行く集団の前に一人の女が声をかけてきた。

 

「あ?…川崎か。何かようか?」

 

「アンタ大丈夫なの?相手は源義経でしょ?」

 

「心配してくれんのか?」

 

「そ、そんなことじゃないから!ただ、比企谷には九鬼(ここ)で働き始めるキッカケを作ってくれた恩があるからそんな人が簡単にやられたら気分が悪いじゃん……」

 

俺の事をこんなに健気に心配してくれる青みがかった長い白髪を後で一つにまとめているこの女は俺と同じ学年にして川神学園の生徒である川崎沙希。

ちょっとした家庭の事情で手を貸した以来、何かと俺に話しかけてくる面倒見が良いお人好しだ。

 

「川崎が心配する事なんてねぇよ。俺こう見えても強いから。だてに揚羽様の専属執事をやってねぇよ」

 

「そう……なら心配ないね」

 

「随分とあっさりと信じるんだな。普通なら馬鹿にするのがオチだと思っていたが」

 

「……アンタがたとえ誰からも信じられなくなっても私だけは信じるくらいに感謝してるから」

 

「……そりゃどうも」

 

何で突然こんなはずかしい事を言い出すのかな、この人は。

お互いに顔を少し紅くしながらも、それを隠そうとも指摘しようともせず、何事もなかったかのようにする。

 

「……あ、面倒だからという理由でわざと負けるのはやめなよ?」

 

「俺はどんなキャラで成立してんだよ。大丈夫だ。これは俺から吹っ掛けたって言うのもあるから、剣士としての礼儀は果たす」

 

「そう…なら言うことは何もないよ」

 

「ああ、行ってくるぜ」

 

「うん、いってらっしゃい。気を付けてね」

 

川崎と別れて、集団の中をかき分けながら進んでいくと、やがてポッかりと空いている場所があり、そこには刀を腰にさした源義経と、審判を勤めるであろうクラウディオさんが存在していた。

 

「こんなに人が来ているなんてな…遅くなりましたか?」

 

「いえいえ、広まるのが早いだけで貴方は誰も待たせてはいませんよ」

 

「義経も待ってはいないぞ!」

 

てか、誰がこれからはじまることを流したんだよ。

 

「……あれか」

 

チラリと周りを見渡すと、ひときわ目立つ3人のメイドがいた。

全員俺が見ていることに気がついたようで、原因であろう金髪と茶髪はニヤニヤとした顔で手を振り、それを止めたであろうショートの黒髪さんは心配そうな顔で手を振ってくれた。

 

「……なんか今日は俺をいたわってくれる人が多いな」

 

俺も手を振り返した。

俺が手を振ったことに驚いたのか、さらにニヤニヤを加速させる二人。テメェらに振ったんじゃねぇよ、ショートの黒髪こと李さんに振ったんだよ。

誰がこんな見せ物にした奴なんかに手を振り返すかよ。

 

「あいつ誰だよ」

 

「さぁ?最近入ったばかりの身の程知らずじゃないの?」

 

「あんな生意気な野郎さっさと負けろ」

 

「あいつ揚羽様の執事だろ?あんな奴がやってたら揚羽様の品が下がると分からないのかな」

 

周りを気にするにつれ、俺の陰口を叩いている事に気がついてしまった。

 

「八幡、気にすることはありませんよ。貴方は自分の戦いに集中しなさい」

 

「分かっていますよ、クラウディオさん。剣士として中途半端なことはできませんから」

 

気にかけてくれるクラウディオさんから源の方に視線を向けると瞑想して集中していた。

 

「……やっぱり、やらなきゃダメだよな」

 

俺は決闘という面倒と観客が鬱陶しいことから目をそらしたくなるが、源の態度を見て礼儀を示さなければならないと、と感じた。

 

「それではお二人とも、ご用意はよろしいでしょうか」

 

「自分はいつでも」

 

「大丈夫だ!」

 

「では……」

 

クラウディオさんの合図が今まさに発せられようとするときに、源は自らの腰にある刀を抜き、俺は鞘ごと刀を腰から抜き出し、鍔に近い鞘の部分を左手で持つ。

 

「始め!!!」

 

「でやぁっ!!!」

 

開始の合図と共に源は俺の方に向けて刀を振り上げてくる。

それに対して俺は慌てるまでもなく、ただ避ける。

 

「……」

 

最初の一撃を見て思ったが……こいつは剣士を嘗めているのか?

 

「はぁっ!!!」

 

「無駄だ。そんな遅い攻撃が当たるとは思うな」

 

いや、最初から様子見はなく、本気で来ている辺り、なめていることはないのか?

でも、なんか興冷めしちまうな。何かを期待してしまった俺が悪いのか。

とりあえずこの刀を抜くきはなくなった。

刀を抜かず、端から本気でやる気がない俺はずっと源の攻撃を避け続けている。

 

「おいおい、避けてばっかかよ」

 

「攻撃できないんだろ?」

 

「これじゃあクローンの勝ちだな」

 

周りから、俺の行動が気にくわないのか不満がポツポツと出てきた。

 

「比企谷くん」

 

「……戦いの最中ですが、何か?」

 

源は俺から離れて、戦闘中だからかは分からないが、俺を睨んでいるように見える。

 

「もっと真面目に やってくれ」

 

源が注文することは至ってシンプルなものだった。

 

「失礼。やはり気分が変わりました。自分は、生憎この刀以外に武器を持っていません。自分はうさぎを狩るのに全力を出すバカなケモノとは違いますから」

 

「……ッ!!」

 

そこから源は俺に猛攻撃を仕掛けてくるが、俺は意図も容易く見切り軽々と避ける。

 

「ハァ……ハァ…ッ」

 

源も最初から薄々は分かっていただろう。現に今の顔は焦っている顔だ。

ま、それも武士娘の本能から来るやつか。

 

「あきらめた方が良いですよ。これは殺し合いではなく決闘です。生と死の淵に立っていないのなら、この戦いに何の意味もない」

 

戦闘の経験は大事だが、それは命がけの戦いの話だ。命が保証されている戦いになど、これっぽっちも重要ではない。

 

「それとも……貴女は死にたいのですか?」

 

俺は少しばかり殺気を放ち、脅して諦めさせようとする。

すると、源は構えを少し解き、俯いて表情をうかがわせないようにした。

 

「ここで貴女が降参するとおっしゃっても誰も責めはしませんよ。まだ経験が足りなかったと理解してくれる筈です」

 

俺は落としてからの優しくする戦法で諦めさせようとする。

しかしそんなものを聞いていなかったかのように、ポツポツと口を開き始めた。

 

「……確かに義経は本当の戦いを知らないのかもしれない」

 

「……」

 

「でも!!」

 

ばっと上げた顔には焦りやその他マイナスの面はなく、決意を固めている顔だった。

真っ直ぐ俺の顔を見てくるから俺の方が引いてしまったわ。

 

「ここで引いてしまったら剣士じゃなくなってしまう!!そうなってしまったら義経は絶対に後悔する!!」

 

「……その選択でどうしようもなくなってしまってもか?」

 

「義経はまだやりたいことが沢山ある。だから、そうなってしまえば……」

 

「義経。私はいつまでも味方だから」

 

源の声を遮って言の葉を紡いだのは、観客の最前列にいた武蔵坊弁慶であった。

 

「弁慶…」

 

「そうなってしまえば……何だって?まさか何かを犠牲にでもするのか?」

 

"俺のように"という言葉は心の中でおさえ込み源の答えを待つ。

 

「……義経には頼れる家臣がいる!!だから、どうしようもなくなってしまったら助けてもらう!!そうして義経は立派な武士になって見せる!!」

 

何か途中から決意表明になってしまっているが……

 

「クフッ…おっと、思わず気持ち悪い笑いになってしまった」

 

「……」

 

源は俺の一挙一動を見逃さまいとしているから俺の笑いにも動じない。

他の見ている奴等は引いているが。

 

「悪い悪い。ついつい笑ってしまったわ。ここからは剣士と剣士の戦いだ。口調は直させてもらう」

 

ここで俺は遂に左手に持っていた鞘から右手で刀を抜く。

その刀は、黒い刃にメラメラと燃える炎のような赤い模様があった。

 

「我が刀は、大業物(おおわざもの)秋水(しゅうすい)。この刀を持ってしてお前に剣士としての洗礼を与えてやろう」

 

「!…ふぅ……」

 

俺がそう言い刀を構えると、源は体を落ち着かせて無駄な力を抜いていく。

良いね。剣士同士の戦いはこの空気だよ。

 

「来い、源義経」

 

「はっ!!」

 

源はさっきとは違う動きで俺に突っ込んできた。

それに対して俺は刀で迎え撃つべく、右手を上げる。

そして次の瞬間、

 

"ガンッ!!"

 

鉄と鉄がぶつかり合う音が周囲に鳴り響いた。

 

「うっ……!!」

 

しかし、源は俺との激突でとどまることはできず、俺の剛腕によって後ろに吹き飛ばされた。

 

「そんなんじゃ俺は"柔"を使わずに終わってしまうぞ!!」

 

俺は余談を許さず、追撃して何とか体勢を整えた源に斬りかかる。

 

「くっ……まだまだ!!」

 

そこからは源の防戦一方であった。俺の剛腕を受け止めるのではなく、受け流す事によって難をしのいでいるが、気力によって戻った体力はつきようとしていた。

 

「ほらよ」

 

「ッ!!………はぁ…はぁ」

 

遂に源は俺の攻撃を受け流しきれずに方膝をついてしまった。

……今が潮時かな。

 

「次が最後だぞ。気を引き締めろ」

 

「……はぁ…はぁ…すぅ」

 

その集中力は誉めてやらんこともないほどだな。流石は源義経。ならば、俺もそれ相応の技で仕留めてやろう。

 

「ふっ………(ガン)()()(ゼツ)(シン)()………」

 

「はあっ!!!!」

 

源は俺が攻撃しないのを分かると、自分から進んで斬りかかる。

しかし、今度は俺が完璧に受け流す。

 

「人の六根に(コウ)(アク)(ヘイ)、またおのおのに(ジョウ)(セン)

 

続いている源の攻撃を、今度は受け流すのではなくヒラヒラと避ける。

 

「一世………三十六煩悩!!!!」

 

口上を言い終えた俺は思いっきり、殺気を解放する。まるで狙いを定めたケモノが牙を剥き出す瞬間のように。

後ろに飛び、距離を自らおき、右肩を前に出して、刀を握っている右腕の二の腕を口の近くによせ、一の腕と二の腕が直角になるような構えをとる。

何か俺がしでかすと感じたのか、俺から距離を開かせないと詰めようとするが、時既に遅し。

 

「行くぜ。一刀流・三十六煩悩(ポンド)(ほう)!!!!」

 

「なっ!?」

 

振るった刀から斬撃が飛び出し、渦のような形状をしながら源を襲う。

体力が限界のも有るのだろうが、源は簡単に後ろに飛ばされて………

 

「えっ………それくらいは耐えろよ。ま、今の状態じゃ無理ないか」

 

ざわざわとしている周りを見ると、物珍しい物を見るような目だった。

 

「今どき飛ぶ斬撃なんて珍しくないだろ」

 

ふぅ、と馬鹿にするような態度をしながらクラウディオさんが源の方に行き確認するのを待つ。

そしてそれが終わったクラウディオさんは皆に聞こえる声で、

 

「勝者・比企谷八幡」

 

クラウディオさんの合図で俺の勝利が確定した。




俺ガイルキャラは次回にします。絶対に。
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