あいも変わらず百合ですが(笑)
コツコツ・・・・・・
一人の少女が歩いていた。彼女の容姿は金色の長い髪、ブルーサファイアのような青い瞳、絶世のプロモーションという男子の横を通れば必ず振り返られるほどのモノであり、そんな人物には大抵周りからも声をかけられて、すぐに打ち解け、彼氏などもすぐにできるようないわゆるリア充の生活を送るのがデフォルトであるが時たま、いや常に彼女はこう思う
(何であたしには彼氏どころか友達すらいないのかしら・・・・・・)
まあほとんどは彼女自身のお嬢様的な性格が周りから批判を浴びているからなので、自業自得と言えばそうなのかもしれないが、三つ子の魂百まで、そう簡単に人は自分の性格を直せるものではない。というより何人もの男子生徒を下僕等と呼んでいる時点でそれは女子とほとんどの男子から嫌われるに違いない
(彼氏は・・・・・まあアイツのこともあるから良いとして、やっぱり友達は欲しいわよね、でももうこんな時期からなんて難しいかしら)
彼女はすでに高校二年生、つまりは一番友達を作る機会に恵まれる場面がある一年生の時期を逃してしまっているのだ。悪い評判が流れまくっているこの状況で友達を作ることとなるとファンタジーの主人公と同じような出来事が無くては限りなく難しいだろう。
(まあ私って天才だからすぐにやろうと思えばできるんだけどね!)
こういうことを普通にみんなの前で言ってしまうのが友達のできない大きな原因の一つだとなぜわからないのか。自分が天才とか言うのは大体クラスの中で学力が上から五番目くらいで、冗談が得意な奴が笑いながら言うからおもしろいのであって、容姿端麗、頭脳明晰、尚且つ運動神経抜群の彼女が言ってしまうとそれはただの自慢にしかならない、しかも彼女は堂々と自分の才能を誇示してくるのでたちが悪い。
(・・・・・・あれ?)
二年生の教室から笑い声が聞こえる。おかしい、彼女柏崎星奈は父の頼みごとがあって学校に戻ってきただけで、実際はもうすでに下校時刻を過ぎているのである。それなのにきゃっきゃうふふといかにもリア充の会話とも思える声が聞こえてくる。これはむかつく、即刻会話を邪魔してこの雰囲気をぶち壊してやろうと勢い良くドアを開けると
「あ、あれ・・・・?」
「む、なんだキサマは。私とトモちゃんとの楽しい会話を邪魔しおって」
そこにはツリ目でロングの黒髪のスレンダーな美少女がいた、窓辺からの夕日が当たってなんとも言えない雰囲気をかもし出している。しかし・・・・
「あんた、幽霊が見えるの?」
「そんなわけないだろう」
バカか?こいつみたいな目線を受けるが星奈としては非常に遺憾だ、なにがってそのトモちゃんはどこに居るのだ
「じゃあトモちゃんって誰よ?」
「私の友達だが?」
「携帯もないじゃない、どうやって話してたのよ?」
「ここにいるではないか、なあートモちゃん?」
ダメだコイツなんとかしないと。星奈の知る数少ない人間にこのような行動を取る人は一人もいなかった、いやもしかして私がリア充じゃ無いからで、リア充の奴らはみんなこうしているのかしら?と少し割りと本気で一瞬考えもしたが、それはないと自分の考えを打ち消す。それならば自分のクラスのみんなも自分に悪態をつけるのではなく自分にしか見えない友達と話しているだろう
「あたしには見えないんだけど?」
「それは貴様がその無駄に肥えた肉を持っているからだ、トモちゃんは私のような無駄の無い肉体を持つ者にしか知覚することはできない」
「世界中の全員が見える友達はどこにいったの!!?」
「ハッ!」こんな嘲笑が聞こえてきた、さすがにここまで堂々とされるとさすがの星奈も若干怯んでしまう
「そんなものがいたら苦労はしない」
・・・想像以上に残念な答えだった。つまり、あれだ彼女も同じように友達がいないらしい
「あ~あんた友達いないのね?」
「ふん、そう言うキサマも一体なんだ?」
「私のこと知らないの?」
学校の理事長の一人娘であり、何回も勉強面とスポーツで表彰を受けている自分はかなり学校で有名だと思っていたが世間は広いらしい、まあ実際彼女のことをほとんどの生徒は知っているが、正しくは我が侭でむかつくお嬢様という悪い方面でしか知られていない。このことは本人のために黙っておこう。
「知らん、毎日学校には誰とも話さないため一番遅く来るし、リア充共が騒ぐ時間はうるさいので耳栓をして寝ている。」
「うわぁ・・・・・」
さすがの自分もそこまでは無い、と思っているが正しくは誰かから毎回嫌味を言われるので寝られないだけである
「じゃあ、あたしが教えてあげるわ。私は・・・・・」
「ホルスタインの人型だろう?」
「ち、違うわよ!容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群のハイパー高校生、柏崎星奈よ!」
「おお!聞いたことがあるぞ。確かお嬢様(笑)だったか」
自分は他のクラスでもそう呼ばれていたという事実に愕然とする星奈、しかしそれも当たり前なのかも知れない、一年生の時の同級生が自分のことをうわさしたら必然的に広まってしまうだろう。
「そ、そうよ・・・・中学部からずっと友達がいなくて・・・・高校になったら少しでも友達を作ろうと思ったのに、中学部にいたやつらが私のことを外部生にも私のこと教えて・・・・友達ができないで・・・もうやだぁ・・・・」
学校という狭いコミュニティーの中において、うわさはすぐ広まってしまう。しかも残念なことにそれが悪ければ悪いほど広まるスピードが速く、その範囲も広い。彼女のような目立つ容姿ならなおさらだろう。
「うう・・・・・毎日毎日なにかと嫌味言われるし・・・・」
「・・・・・ほう?」
(あれ?怒ってくれてる?)
今、わずかだが目の前にいる黒髪の少女から怒りが漏れた気がしたがと思ったが星奈の思い違いかも知れない
「どこか学校にも気兼ねなくおしゃべりとかできるところがあれば・・・・」
「ふむ、」
なにか考え事をする仕草の少女、そして何かを決めたように顔を上げた
「分かった、では明日の放課後またここに来い。じゃあな」
「え、ちょっ!ま、待ちなさいよ!あんたの名前は!?」
星奈が声を発する前に少女は廊下を走って行ってしまった
~次の日~
「喜べ、部活のメンバーにしてやろう」
「は、はあ!?何を言ってんの?」
星奈が受け取った紙は部活創設の許可書、そこに書かれていたのは
「部長・・・・三日月夜空?これがあんたの名前?」
そうだ、と言わんばかりに首を縦に振る
「部活名・・・・・隣人部ぅ~?何これ?何の部活よ?」
「キリスト精神に基づいた隣人を愛することから派生させた部活名だ、良い名だろう?ちなみに部活動は友達作りだ」
「・・・・・え?」
「こういう宗教の学校はそれに則った文章を書いて提出すればすぐに受託されるものだ、チョロいな、宗教とは」
星奈は自分の父親の宗教をバカにされたことで顔をしかめる、ちなみに彼女自身は宗教に属していない。父から信仰の自由ということで、別にキリスト教に入ることは強制されていない、全く持って良い父親である
「どうする?入るか?」
「・・・・・入るわ」
「分かった、ではここに名前を書け。詳しいことはまた連絡する」
星奈がペンを取り、端麗に名前を書いた後それを三日月夜空が受け取った
「ねえ、今更だけどアンタのこと何て呼べばいいの?」
「夜空だ、ニックネームは言うな。それは友達専用だからな」
つまり自分は友達ではないということだ、その発言にチクリと胸が痛くなるがその事を気にはしなかった
「じゃあ、あたしのことは」
「ふん、キサマなど肉で十分だ。」
「・・・・・それニックネームよね?」
「ほう、お前にはこれがそんなに良いものに聞こえるのか?ならとっとと耳鼻科にでも行くんだな」
残念すぎる・・・・本当にこんな奴と部活をやっていけるのかという思いが彼女の頭をよぎるがここはやはり天才少女の柏崎星奈、海より深い心でスルーしてやろうという気持ちが勝ったようだ
「・・・・・そうじゃないと昔と同じではないか・・・・」
何か夜空が呟いたが彼女には聞こえなかった。
「はあ~まあいいわ。それより、よ、夜空・・・・・」
「なんだ?」
「そのね?あ、あたしのために部活作ってくれてありがと」
「か、勘違いするなばか者!」
まだ夕日が出ていないのに夜空の顔は名前と反対に太陽のように真っ赤だった。
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