暗い空。
そう、夜空。
が。
その
しかし人間は
灯りを得て、人間は夜も光を手に入れた。
現代の町は、
ご存じ?
そう、今お前たち──下等生物の街を照らしてるようなね!!
ああ………よく燃えているわね。
きれい……。
「いやぁぁぁぁ!!!!」
「燃える!! 家が燃えてしまう!!」
「ぱぱー!! ままー!!」
ふふふ……。
下等生物が………。
しょせんお前たちは
なら火にくべなきゃね…?
この『ジドウシャ』って〈
……いや、
たしか……
そして『がそりん』という燃料がつまっているらしいから……。
あはは、まさに雷属性魔法には格好のオモチャってわけね!
えいっ、燃えなさい!!
同じ
…………う~ん、あまりパッとしないわね。
やはり『がそりん』のつまった『ジドウシャ』の方がつぶしていて楽しい。
ああ……。
なんてすがすがしい光景………。
なんで今までこうしなかったのかしら……?
もうやめよ、やめやめ。
こんな下等生物にまみれた暮らしなんて。
お前たちにはこの光景がふさわしいのよ。
「助けてぇぇぇぇぇ!!」
「はやく!! 安全な場所へ!!!」
あら、
へぇ……。
「逃がさん!キサマら全員皆殺しだ!!」
ケシズミにして…………!!
………
…………
……………
………………
…………………あら?
朝。
見慣れた
見慣れた
見慣れた
ここは……
ぼんやりとした頭で
……なんだろう、何か楽しい
思い出せない、何かこうスカッとする夢を見ていたような。
時計の時刻は──午前六時半。
少し早起きだったようね。
ちょっと早いけど洗顔でも始めましょう……、あら。
昨日
そうだ、昨夜飲んだ後そのままだったわね。
さて……、
………やはり。
『一本しかない』オレンジジュースのボトルが……ある。
この片手に握られた空のオレンジジュースのボトル以外に、だ。
この家は、一体何なのだろうか。
冷蔵庫には食料や飲料がたくさん入っている。
そのすべてが…消費しても帰宅時、あるいは
まるで
誰かが留守中に
面白いのは……使った分は消滅するのではなく、こうして手元に残っている。
中身を飲み干しても『ボトル』としての物体は残っているところね。
そしてもうひとつ。
制服のかけてあるハンガーにも足を向ける。
ブレザーに入れてある
昨日は紙パックジュース110円、総菜パン二点280円、
中を
ふだんは千円の紙幣が三枚と、五千円の紙幣が一枚あるだけなのだから。
そして……その数は、今の時点でも変わらなかった。
確かに昨夜は千円紙幣を二回使用し、お釣りの小銭も受け取った。
しかし───紙幣数は使う前と変わらず、釣り銭としてもらった分の小銭も存在しない。
『8798円』、それがこの財布に
また中途半端な……。
必要最低限の額がそこには入っている。
なんなのだろう、この
これが来歴のしっかりしたお金ならまだ話は分かる。
しかし気づかぬ間に、いつのまにか『されている』というところに薄気味悪さを感じる。
気づいたら背後から刃物を首筋にあてられて「どう? ヒンヤリするでしょう?」と
しかもそれが私の経済的な生命線に関わることというのがもっとも
ここは。
この家は。
そして私は。
誰かに、あるいは「何か」に管理されている。
おそらく、この家にはその『何か』が───いる。
…………
まあいい、そろそろ学校へ行く
飼いたければ飼うがいい。
その『ご
~狩根町・
「…78…79…80…81……」
室内にカウントを数える声がこだまする。
規則正しく、落ち着いて。
声の主は筋肉兄貴───
今朝もこの筋肉の申し子はその筋肉を
「………なんだ、その、『マッする』って」
「あんたの筋肉活用を的確に表現する言葉がないから」
「私たちで新語を作った」
「…おまえたちも、ヒマなら、体鍛えろ、よ、ティア、ティナ」
「あんたは私たちまで筋肉怪人にするつもりか」
「というかさりげなく私たちの名前をカウントリズムに使わないでほしい」
「99……500、と」
「……
「『99』の次は『100』なんだよ?」
鍛えすぎてお脳がとうとう数の数え方まで忘れちゃったんだね。
オーノゥ、なんちゃって。
ぷーくすくす。
「ああ? いちいち『498』『499』なんて数えてらんないっての」
「……まさか」
「……『500』のカウントの方が正解とは」
「そんなことでいちいち驚くなよ。ちょっと鍛えればこんなのラクショーだぞ」
「いやいやいやいや」
「腕立て連続500回やって息も乱れてないあんたがおかしい」
こいつ本当に人類?
「逆にアイとか心配になるくらいひ弱だからそっち心配しろ。腕立て30回でもうヒーヒーいうんだぞ」
「……あれは気の毒だった」
「……次の日の学校で
「……お
「……その日の
「かゆい うま」
「(ノートはここで終わっている)」
「わかったよ! 俺が悪かったって!!」
「おはよーぅ……今朝もこの部屋
彼女の言葉に室温計を見る。
現在の室内温度 24℃
たぶん……このうちの3~4℃は加賀ランの発熱量によるものだと思う……。
「あれー、アイは? また
ボスがアイの部屋まで起こしに行ったらしい。
…が。
「あれー? アイいないよー? …ああ、もしかしてまた?」
「そう」
「昨夜また私たちの部屋に来て
◇
「……こりゃまたこの世の平和を
「うん」
「寝床があったかくなって助かる」
ゆるフワ
私立ナザリック学園高等部一年一組 出席番号六番。
たまに私たちの
特徴:
「……ティナはそれでいいかもだけど…ほら、アイー? 起きなさーい」
「ふぅぅん……うぇへへへへへ……」
「……ねぇ、ちょっとこの
「もともと木野アイはすこし寝起きが悪い」
「さらに言うと昨日なにかいい事あったらしくてずっとこんな感じ」
「昨日変わったことって言ったら……青ノリとバジル間違って買ってきたことくらい?」
「よいにほい」
「学校では特に変わった様子はなかったし、買い物の時に何かあったと思う」
「サラサラ髪の指どおりがいい」
「買い物オマケしてもらったとか? …でもスーパーでしょ?一般商店ならまだしも……」
「この
………
…………
……………
「……ボス、ティアがのっぴきならないことになってる」
「
~side しず~
AM 6:50
シーケンススタート
メインパワーON
各部状態チェック…
オペレーションシステム・・・・・・チェック
メモリー・・・・・・チェック
メインカメラ良好
スピーカー良好
ジェネレータ出力安定
パワーゲイン上昇
各部アクチュエーターエネルギー供給開始
バランサー正常作動
各動作良好
出力……”
CZ-2128 ”DELTA” ────
────
これより作戦行動に移る。
~side
うぉぉぉおおおお!!!!
ニャンコぉぉぉぉおおおお!!!!
「ニャー」
この鈴木サトルさまが可愛がってくれるわァ!!
かわゆかわゆ!!
かわゆかわゆ!!!
頭なでなでなでなで!!!
ペロペロ!!ペロペロ!!
おなかモフモフぅぅうぅ!!!
くんかくんかうおおおお!!
「ニャー」
ええい!!! チューだ!! チューしてやる!!
ちゅ──────
「にゃあああああああああ!!!!!」
──────ぅ?
………
…………
……………
………………あれ?
ニャンコがしずに???
はぁ、しず、こんなに
いい香り…やーらかいなあ…
……………あれ
……ん?
目の前のニャンコがしずで
するってぇと、俺はおそらく朝
抱きしめて
頭なでなでして
ペロペロして
おなかモフモフして
くんかくんかして
あまつさえチューしようとしてたのけ?
……うわぁ「血の気が引く」時の音ってこんな音がするんだぁ…
「すまんんんんん!!!しずchang、いえサマ!!許してくださいぃぃぃ!!!お願いだから……」
『覚悟完了』
「…みたいな顔するのやめてー!!」
◇
『
そこへいつものように坂のてっぺんでクラスメートの
「おはようございます、アイ───ザワくん」
……だから誰だよそれ。
いつも思うんだが……しずと
なんというか、こう、
妹であるしずの世話を焼く姉の鍋原、って感じ。
一緒に登校するようになってまだ三週間くらいなのに、まるで長年親しんだ
……なんか
しずは俺の可愛い可愛い妹だ、だれにもやらん。
でも……鍋原がしずの姉…か…それはそれで
……あれっ、なんかこっちまでドキッとしたぞ?
「……どうしたの?」
「身近に
だからごめんようしず、それに例の妖怪はたぶんそろそろ……。
「おはよぉぉぉぉう しずちゃぁぁぁぁぁぁん」
ほらいわんこっちゃない!!
というか
「おはよう、
「……気のせいかしら、読みがなに悪意を感じたような気がしたわよ?」
気のせい気のせい。
さあ、いつものメンツ?も
今日もナザリック学園へ登校だ!
ああ………
さて、今回で『基本的な一日』編はお終いです。
お疲れ様でした。
次回からはそんな日常の中のエピソードが始まります。
本当は前回の帰宅編で『基本的な一日』は終わろうと思ってたんですが…。
今回の鍋原の謎を描く必要あったんで…。
さて…ここからは完全に新規エピソードなんで少し時間かかるかも…。
今後ともおつきあいどうぞよろしくお願いします。