昼休み。
「……
由利の言うとおり、めぼしいデスク付ベンチは軒並み人がいる。
「だいぶ暖かくなったしなぁ……、教室やラウンジよりも過ごしやすいしな」
教室に戻るにしても、一年生のしずを二年生の教室に入れるわけにもいかないしな…。
ここらへんの
「…てことは……、『ラウンジ』で決まりだな」
そうだ、ここで一度この学園の施設を紹介しておこうか。
──中高一貫制学校『
北側に来賓などを迎える正式な通用門・通称「正門」、東側に中等部が登下校の際使う東門・通称『中学門』、西側に同じく高等部が使う西門・通称『高校門』。
それらに囲まれ、学園の施設はその敷地内に大まかに九つの建物にわかれて存在している。
(ちなみに朝見た銅像『ナザリックの
まず、北側正門に近いグランドビル・通称『教員棟』
その名の通り中等部・高等部の教職員室、来賓用受付、総務局、学園長室など、運営システムの
次にそのすぐ南に位置する二号館・通称『会議棟』
多目的ホール(おもに公的なミーティングやレセプションなどに使われる)や通常型小会議室、シアター型視聴覚室などが集まる。
会議棟から南西に位置するのが三号館・通称『高校A棟』
おなじみ、俺たち二年生と一年生の教室、そして図書館のあるところだ。
高校A棟の南に位置する四号館・通称『高校B棟』
三年生の教室、および理科実験室、美術室、技術室及びそれらに
これら高校A・B棟とほぼ同じレイアウトで会議棟から見て高校棟の対極に位置するのが五・六号館、通称『中学A・B棟』
その名の通り高等部のそれと比べてA棟が中等部一年・二年の教室に、B棟が中等部三年の教室に置き換わる形になる。
そしてグラウンドを挟んで学園敷地最南端に位置する七号館・通称『体育棟』
二層構造式体育館でバスケット、バレーコートのある上層と、室内プール設備の下層で構成される。
その脇に小さいながらもうひとつ体育棟が存在する。
八号館、通称『
この建物だけなぜ呼称の
それは読んで字の通り武道場であり、おもに武道系部活動の拠点として活用されているのである。
その辺の事情は込み入ってくるのでまた別の機会に…。
さて、最後に残ったのが九号館なのだが……。
そこがくだんの目的地、会議棟の隣に位置する学生食堂棟、通称『ラウンジ』である。
どういう理屈かは知らないが中等部はここを使えないらしく、中で見かけるのはもっぱら高等部の生徒ならびに教職員である。
俺としては日頃の金銭をなるべく切り詰めてるためあまり利用はしないが…まあでも一般的な食堂の価格としてはかなりリーズナブルなんではないだろうか。
参考までにいうとカレー一杯280円・大盛り310円といったところだ。
おっと、こうしちゃいられない、ラウンジも席が無限にあるわけじゃないんだ。
四人が座れるスペースを確保しなければ。
「私が先行して席を確保しておきます」
「鍋原さん頼める?飲み物はこっちで買っておくから」
「ではミルクティーを」
そういって鍋原はラウンジへ駆けて行った。
それを見送り、俺たちは自販機コーナーへ足を向けた。
◇
よし、飲み物も確保できた。
ラウンジでは鍋原が待っているはずだ。
そしてラウンジに足を踏み入れたとき……
「あらぁ?あなたたちも一緒だったの?」
そんな声がかけられた。
その俺たちの目の前には……
でた!
彼女の名はドリル夫人。
縦ロールは実はドリルだ、ミサイルも発射する。もちろん追尾式だ。
それはもうきれいにパーッと大量に、妙にクネクネ軌道をくねらせながら敵を追っかけて行くよ。
「鈴木君?ちゃんと紹介しないと鍋原さんが大変なことになっちゃうわよ?」
?!
なっっっ
何てことだ鍋原が捕まっている。
『くっ、殺せ───!』………というセリフとは程遠い捕まり方だが。
埋もれている。
縦ロール夫人のすンごいおっぱいに鍋原の顔が埋もれている。
鍋原はタップを試みているが、タップなのかおっぱいがタップタップいってるのか正直判らない。
「………わかった、言うとおりにするから人質を解放してくれ……」
「フフン♪最初からそうすればいいのよ刑事さん」
犯人の名は
見ての通り縦ロールがひときわ目立つお嬢様だ。
そして…ものすごい武器を持っている。
どんな武器かというと。
「オッパイシニヨン!」
はあ……かわゆす………
演真changとすごく仲が良いんだったなそういえば。
隠すつもりもない色気をムンムンに振り撒き、きわどいまでにシャツの前をはだけた…絵に描いたようなお色気キャラだ。
正直言うと俺は苦手だ…。
こんなお色気キャラ、どう対処すればいい!?
男子高校生はいろいろとこう……繊細なんだよッ。
そしてこの祖流お嬢様、実は困ったクセが一つある。
それは───
「あらぁ♪しずちゃんお久しぶりィ♪」
ビクッと震えるしず。
さっきの鍋原に対する愛情表現もそうなのだが───こいつは女性愛好癖の持ち主なのだ……。
児童愛好癖の由利といい、女性愛好癖の祖流といい、しず大変だな……。
そこへ───
「そこまでよ!」
『人生一度は言ってみたいけど使うことはないだろうワード』を高らかに叫ぶ───
───キタ!メイン女教師キタ!!
「
「祖流さん?あなたの
「はー?ペド限定のあなたにいわれたくないしー?(※しずは高校一年生です)」
「あなたのようにイヤラシイ目で見ていない!ボクは小動物が好きなだけだ!!」あげく人の愛妹を愛玩動物扱いか。
はあ…また始まったか……。
由利と祖流。
この二人はすごく仲が悪いのだ。
事あるごとに舌戦を繰り広げる。
まあ片や真面目キャラ、片や性に奔放キャラとくれば反発は生まれるだろうが……。
そんな時、祖流から放たれた一言が。
「知ってるー?あなた、他の生徒から『
(画像はイメージです)
いかん、ツボった。
「し…しず
いやいやいや
どうやら同じ思いなのかしずと鍋原が何かを必死に
「それがどうした!そんな
っす!」
ああ、本当にスライムばりっすねあのオッパイ。
………………………………………ん?
「スラ…っ!?」
あ、なんかクリティカル食らったらしい祖流が口元をひきつらせてる。
そんなに効いたのか?
「若作りに言われたくはないわねえこのニセモノボクっ子委員長!
っす!」
…………………………………………おい。
ラウンジが不穏な空気に包まれている。
ギャラリーから「Two-Three!(※二年三組)」だの「The ONE(※二年一組)」といったプラカードが掲げられる中。
「入るのは二人、出るのは一人。それがここ───”ラウンジ”だ!
っす」
「ラウンジ・ワン FIGHT!!」
もうだめだ、事態の収拾はもう不可能だ。
女子高生にあるまじき打撃音がラウンジに響いている。
「人はこんなにも分かり合えないものなんすね…」
いつの間にか隣にいる
この
はあ……俺は普通に昼飯が食べたいんだがな………。
なー、しず?
「格闘戦の参考になる」
参考にしちゃいけませんッ。
「しず舐め」のイラストは描くの楽しかったな…
ふつう絵を描くときは白いキャンパスに黒い線で描くものですが、「しず舐め」の場合あらかじめまっ黒く塗りつぶしてから白で削り取るような手法で描いています。
高校の頃の学食のカレー、すごく好きでした。
美味いし、しかも安かった。
また久しぶりに食べてみたいものです…。
さて、今回でプレアデス全員出揃いました。
あと数回で「学校の基本的な一日」編が終わります。
ちなみにまだ今まで某所で書いてきた分の一割も消化してません。
というかこれからまだまだ新規追加していくから物語完結は当分先ですな…。