天龍side
「行くぜ、抜錨だ!」
艦娘達の休暇が終わった後、即座に出撃が行われた。
深海棲艦が再度進撃、戦線が後退したかららしい。
俺達第一水雷戦隊は所謂切り込み隊、先陣を切って後方に待機する重巡、軽空母、軽巡(または駆逐)からなる機動主力艦隊の道を作る役目だ。
これの他に敵の進撃をくい止める重巡、戦艦からなる艦隊もいる。
「それにしてもやっと戦いか!万全の状態で行けるなんていつぶりだ?」
「少なくとも五年は下らないな、球磨姉さん達も随分高揚してた。まぁそれも当然か」
「だな」
木曾と話しつつ警戒は怠らない、何せ今回観測機を持つ艦娘がいないんだ。頼りになるのは、電探と己の目だけだ。
さっさと敵を倒して、さっさと帰る。そうしたい。
なぜなら…
「「帰ったら存分に間宮さんとこで食えるんだからな!」」
艦娘にとっての至高は俺達にとってもやはり至高だ。これは多分艦娘っていう存在の根本だからなんだろう。
自然と軽くなる身体をさらに速く進ませ戦闘をさっさとしようと俺は前線へ駆けた
長門side
「まだ来るぞ!攻撃を緩めるな!」
味方艦載機と敵艦載機が入り乱れる戦場にて、戦線維持隊である私、陸奥、金剛、比叡、飛龍と蒼龍の六隻の艦隊は津波もかくやという程の敵艦載機や、蟻のように湧き出てくる深海棲艦を相手に戦闘を続けていた。
「交代はいつくる!」
「まだかかるはずよ!それまで持ちこたえて!」
次々と私の41cm連装砲から発射される徹甲弾が敵戦艦を排除し、金剛型二人の砲弾で駆逐艦や軽巡は木っ端微塵になっていくが…如何せん数が多い。
「(このままでは何れ数で押し切られる。どうにかしなくては…!)」
「
金剛の流暢な英語に反応し前を見る。
確かに敵の中から一人だけ目立つル級が見える。
だが、なんだ…?フラグシップ改よりもオーラが強い気がするが…しかし今は考えてられない。
「敵のフラグシップ改はあれだけか…?あれが最高戦力だ!あれを狙い撃ちしろ!」
「
金剛の全砲門から放たれた砲弾は真っ直ぐル級へ吸い込まれるように当たり━━━
「
徹甲弾の全てがその艤装で弾かれた。
普通ダメージは入るはずなのに、まるで効いていない…駆逐艦が大和に攻撃したかのように、少し擦ったような後があるだけだ。
35.6cmでアレでは41cmでも有効打は…
そこまで考え、ハッと解決策が思い浮かんだ。
「…私にいい考えがある。」
妖夢side
「━━━以上の報告から、作戦は滞りなく進んでいるようです。順調に"扉"も閉まってきているようですよ。」
「なら、作戦は上手く行きそうですかね?」
「恐らくは。ただ、戦線を維持する防衛隊が少々苦戦しているとのこと。」
「なるほど、では早く扉を閉めましょう。
「全侵攻艦隊に告ぐ、扉を閉めましょう。」