Harry Potter Ultimatemode 再会と因縁の章 作:純白の翼
隙を見計らって行こうとした。が、監視の目が日に日に増しているので出来なかった。同じ寮なら、それでも簡単だったかも知れない。だが、俺達5人は寮が見事に分かれているので余計難しかった。
6月の初っ端から試験をやるそうだ。マクゴナガル先生曰く、出来る限り普段の授業通りにやるそうだ。ジジイなら、そう言うだろう。俺は、試験に関しては問題無い。だがロンは、まるで死刑台に立たされたような顔をしていた。
1993年5月28日。試験3日前の朝食。緊急のお知らせがあった。ダンブルドアが戻って来るとか、継承者を捕まえたとか、ロックハートの新作が発売されるとか、そんなことばかり皆予想してた。マクゴナガル先生から出た言葉。マンドレイクが成熟し、収穫が出来る事、及び作られた魔法薬で石になった犠牲者を蘇生出来る事が分かった。
言うまでも無く、歓声が爆発した。大広間の殆どは、これで友達に会えると言っていたし、涙も流していた。全く、バカ騒ぎな奴らだと思いながら俺は顔が綻んだ。途中、ジニーが何か言いかけてこようとしたが、パーシーの横槍が入って結局聞けず仕舞いになった。
昼食を食っていた時、ゼロとグラント、エリナがこちらに来た。
「さっき、ハーマイオニーの所へ行った。分からなかったバジリスクの移動方法。それは学校のパイプだ。ハーマイオニーは、もう気付いていたんだ。」
「そういや、蜘蛛が逃げ出していた。あれ、バジリスクが来る前触れだったのか。それに、バジリスクの天敵は雄鶏。だから操ってた奴は、雄鶏を殺していたのか。」
「早く職員室へ行こう!!」
俺達5人は職員室に向かう。しかし、到着直前に寮へ戻るようにと言う声が響き渡った。ここまで来たら連絡するという判断をしていたので、戻らなかった。だが、緊急の会議だ。何があったかじっくり聞こうという事になった。
それによると、今度は連れ去られた事が分かった。それは、ジニーだった。ロンが入り込もうとしたが、俺、グラント、ゼロの3人がかりで押さえつけた。話をそのまま聞いてみる。その途中で、ロックハートが割り込んできた。しかし、厄介払いされた。
俺は疑問に思う。どうして彼女が?血を裏切る一族と言われていても、曲がりなりにも純血の一族なのに。
……まさか。いや、そんなはずは。でも、何か言おうとしたんだ。もしかしたら、それに関係するかも知れない。
「皆、行こう。ロックハートの所へ。逃げるに決まってるが、フリでも討伐しにいかないといけないからな。あいつ。」
ゼロが提案した。
「素直に協力してくれるのかなぁ?」グラントがもっともな事を言う。
「その時は、無理やりにでもやればいいさ。俺達5人がかりなら、奴を制圧出来る。」
「ハリー。それは、ちょっとオーバーしてるよ。でもまあ、ボクもこんな緊急事態だから今は賛成だけどね。」
ロックハートの部屋を目指そうとするが、その前に誰かいた。エックス・ブラックだ。
「先輩、どこに行く気ですか?」
先に行けと、俺は4人に視線で促す。
「これからロックハートの所へな。」
「ジニーが攫われたのは本当ですか?」
「ああ。そうでなきゃ、あんな奴の顔なんざ見たくもないからな。エックス、そこを退いて貰おうか。それとも、何か俺に行って欲しくない理由でもあるのかな?」
「僕も部分的に秘密を知っているんです。仲間外れなんて不公平じゃないですか。」
「思い上がるなよ。あいつらは、2年生の中でも卓越してるから連れて行くんだ。遊びで行くんじゃない。お前は、さっさと帰れ!」
「じゃあ先輩も思い上がらないでくださいよ!!僕は、コリンが石になった時、何も出来なかった。今度はジニーも失うなんてイヤだ!あの2人、僕の友達なんですよ!折角姉ちゃんから魔法を教えて貰ったのに、それを大切な人の為に使わないで自分だけ生き延びる事は、もう耐えられない!」
エックスが初めて俺に反発した。そうか、いつもつるんでたよな。俺にロン、ハー子みたいに。俺は、その言葉を聞いてとても他人事とは思えなかった。
「勝手にしろ。だが、俺も庇い切れる保証はない。自分の身は、自分で守れよ。俺が言いたいのはそれだけだ。」
「ありがとうございます!!!」
エックスも連れて行く事にした。今度の敵は、去年と違って本物の化け物だからな。最悪死人が出てもおかしくはないだろう。
ロックハートの部屋に辿り着く。既に制圧済みだった。4人ではなく、イドゥンによってだ。
「これで今までの意趣返しが出来てスカッとしましたわ。あらハリー。予定が狂ってようですが、いいですか?目的が一緒なので、これから共に秘密の部屋に行きましょう。」
「何なの、お前等姉弟は。というかイドゥン。お前の性格上、高みの見物をすると思ってたけどな。」
「最初はそうするつもりだったのですが、エックスは何が何でもジニーを助けに行くんだと言って聞かないので、同行する事にしましたの。全く、誰に似たのか。両親よりも、あの男そっくりですよ、エックスは。」
この2人も行くつもりだったのか。というわけで、共闘する事になった。
生徒7人と教師1人の奇妙な集団が誕生した。マートルのトイレに、先にロックハートを入らせる。エリナが、蛇語で開けと言った。手洗い台が移動し、大きなパイプがむき出しになった。
「さて、私の出番は殆ど無い…………」
俺は、ロックハートに杖を向ける。
「これまで散々好き勝手やって来たんだ。人の記憶を奪ったり、名誉を横取りしたり!」
「そうだな。叔父上。あんたには、先に降りて貰おう。」ゼロが冷たく言い放った。
「生徒を見捨てるなんて最低ですよ。」エックスが止めを刺した。
グラントがロックハートに蹴りを入れて奴を突き落とした。肉塊や盾には、相応しいかも知れないな。
「うわああああああああああああああああん!ママああああ!!」
落ちながら、情けない声でロックハートが叫んでいた。
「叔父上?」ゼロに聞いてみる。
「あいつと、俺の母さんが姉弟なんだよ。尤も、俺の母さんはスクイブだけどな。」
「へえ。そうだったのかよぉ。初めて知ったぜぇ。」グラントも頷く。
「姉ちゃん。エリナさん。僕ら5人で先に行って来ます。」
「イドゥンちゃん、エリナちゃん。俺達男5人が先に行くから、あとから来てくれ。」
「いや、そこまでしなくてもいいと思うよ。」
「皆行くぜ!」グラントが声を掛ける。
俺達男5人も、奈落の底へ降りて行った。
「大丈夫かな。」
「エリナ。少なくとも、頭のネジは吹っ飛んでいると思いますわよ。それは良いとして、私達も行きましょうか。」
「うん!」
滑り台の様に降下したエリナとイドゥンであった。
ベトベトするパイプを1分ほど滑った。その後、俺達は広い空間に投げ出された。相当長く滑ったみたいだな。恐らく、ここは学校の何キロも下に存在するに違いない。下手すりゃ、湖の下だろうな、きっと。そんな人工と自然が合わさった洞窟に俺達は、女子2人を待っていた。
10分して来た。どうやら、上手く着地は出来たみたいだ。
「スターの私がやる事じゃない。」泣きながら言うロックハート。
「諦めろ、叔父上。アンタは、文字通り地に落ちたんだ。」ゼロが切り捨てた。
「地に落ちたどころか、潜っちゃってるけどね。」エリナがゼロに言葉を返した。
「
「ここまで来て潔癖症ですか、あなたは。」
「
「ボクも!
「行こうぜ皆。」グラントがまとめ役みたいになっているが、この際どうでもいい。
ポチャン、ポチャン。随分長ったらしい通路だな。湿気も凄まじいし。ロックハートは何で僕がこんな目に、とほざいているし、皆汗だくになっていた。
「ねえ。あれ。」ロンが指差す。
何か大きくて曲線を描いたものがあった。輪郭が辛うじて見える。それは、じっと動かない。
「気味が悪いよ。」エリナが嫌悪感を示す。
「これは、抜け殻だな。バジリスクの。」ゼロが分析をする。
「上等だ。潰し甲斐があるぜ。」グラントは、喜びに満ち溢れていた。
「抜け殻で、これ。は、はは、アハハハハハ。」
ロックハートは、完全にパニックになっていた。腰を抜かしている。
「立て。」ロンが杖を向ける。きつい口調で言った。
一瞬だった。ロンの杖をひったくり、ロックハートは俺達に杖を向けた。いつものうざいスマイルを放ってやがる。
「坊ちゃん、お嬢ちゃん方。お遊びはこれでお終いだ!この皮を持ち帰って、女の子を救うには遅過ぎたと皆に言おう。君達はズタズタになった無残な女の子の死体を見て、哀れにも気が狂ったと言っておくよ!さあ、記憶に別れを告げる時間が来たようだ!!!」
「どうしよう!ハリー!!」エリナが取り乱す。
「エリナ、多分大丈夫さ。俺の考えが正しければ、俺達に術は来ない。」
「
「逆噴射どころか、小型爆弾みたいに爆発したぞ!」ゼロが叫ぶ。
「しかも、壁が崩れやがった。あのクソ教師、覚えてろ!」
グラントは、後でロックハートにお礼参りをする気満々だ。
「ロンが取り残されちゃってるよ!」エリナが皆に分かるように叫ぶ。
ロンとロックハートが、向こう側に取り残された。いや、逆にこちらが閉じ込められたってわけか。とことん使えねえカス野郎だぜ、ロックハートめ。
「無能な味方は、有能な敵よりも恐ろしいとは言うが、まさかこれ程とはな。イドゥン、
「出来なくは無いですが、少々時間が掛かりますよ。ハリー。」
「やっぱりか。時間も押してるしな。ロン!聞こえるか!」
「聞こえるよハリー、皆!!」
「岩石を少しでも多く取り除いてくれ!!!」
「モチの僕さ!」
「行こう、姉ちゃん。行きましょう、皆さん。ジニーを救いに。」
エックスの言葉で、俺達は前に進んだ。
2匹の蛇が絡み合った彫刻が施されている硬い壁が見えた。
「もしかして…………【開け。】」
エリナが蛇語でしゃべる。壁が2つに裂けて、絡み合っていた蛇が分かれ、両側の壁がスルスルと滑るように見えなくなった。俺達は、その中に進んでいった。