やはりオレの青春は間違っていた   作:マケ犬

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もっと文字数書きたかったが今のうちに投稿。
なかなか勝手がわからなく、感想頂けたのが嬉しくて泣ける。ありがとうございます

保健室は良く行った。


そして彼は孤立した。

何本目かのタバコが消えるころ、遠くでチャイムの音が聞こえた。

昔は嫌で仕方なかったこの音がまさか仕事の一部になるとは、昔の自分は思いもしないだろう。

「はぁ……」

煙が風に流され薄れ消えていく。考えているのは例の問題児の事だった。

内野凜太郎。それが問題を起こさない問題児の名前だった。

 

 

その生徒を初めて見たとき、楽しそうな奴だと思った。

入学して間もない日、体育は身体測定がメインになっていた時だ。

内野は長距離の測定で友人に負けた事を本気で悔しがり、また負けた友人へ笑いながら次は負けないと言っていた。

 笑顔で友人に囲まれながら自然体で楽しむ彼は、青春の象徴なのだろう。

 高校生らしい高校生だった。

 高校生でいる事をまるで演技のように振舞うのではなく、自分らしく、そして大人と子供の間らしかった。

 その後、彼を気にし始めたのは夏頃だった。

 体育に出なくなった彼を怪訝に思った。

 風邪にしては期間が長く、何よりもクラスの彼らの様子が一番よく問題を表していた。

 教師と言うのも人間だ。子供というのはどうも大人を舐めている傾向にあるのか、子供の問題に大人が気づいてないと思っている。

 気づいているさ。当たり前だ。大人と言うのはその子供の社会を超えたモノの称号であり、姿なのだ。

 いじめ。または何かしらのいざこざがあったのだろう。クラスでも特に騒がしい連中が内野の名前を出し、そのことで周りが笑っている。

 これが心配の言葉などならまだ微笑ましいし、サボりではないのかとこいつらに問い詰める事も出来るが、あからさまな陰口だとそうもいかないのだ。

 教師はいじめに気付かない。そんな事は視野の狭い子供の言う事だ。

 いじめに気付かない教師は少ない。しかし、それと反対に、いじめに対処しようとする教師は少ないのだ。

 結局体育の授業中に内野が戻ることもなく、心配している生徒もいなかった。

 ただ話題の中だけではよく名前が出ていたのが、いない筈の彼を強く気にしてしまった。

 この夏の暑さの中、走る生徒たちの起こす砂埃は風に飛ばされ消えていった。

 

 

 人間が生活するうえで欠かせないのが睡眠である。寝ることによって人は記憶を整理し、体力を回復する。

 寝ないことによって引き起こされる問題は多い。集中力の低下、ホルモンバランスの乱れ。高校生の性の乱れ……は、違うか。

つまり学業よりも睡眠が優先されるのだ。

 

「失礼しまーす」

授業開始の少し前、最後の授業と睡眠を天秤にかけたら勢いよく睡眠の方に傾いたので俺は保健室に来た。歩きで来た。

 保健室の周りと言うのは何だか別世界のようで、静かで閑散としていて、ひんやりとした雰囲気だ。ちなみに雰囲気は変換できる。読めないけどな。空気的な意味で。

 ノックの後一言かけながらドアを開くと消毒液の匂い。病院の匂いと言った方がいいだろうか。その匂いが鼻をついた。

 中では女子生徒が一人ソファーに座りながら携帯を弄っていた。

 サボりは俺だけでは無いみたいだ。

 一人PCで作業しているのは顔見知りではない。どうやら違う養護教諭のようだ。

「おやおや、またかい」

「どーも、白山ちゃんは?」

 白衣を着た妙齢の女性は俺を見ながら、またかと言う顔をしながら見る。

 俺の質問に答える時も呆れたような物言いだった。

「職員室に呼ばれてるよ」

「へー、なら奥のベット借りますね」

そう言いながらベットに向かおうとするオレに養護の先生が呼び止める。

「一応体温ぐらい測っていきなさい」

「はーい」

 一応と言うあたり、俺のサボりは完璧にバレているらしい。ちなみに新潟の高校だと体温を自己申告で37度4分以上で帰宅を許される。ここ千葉だが。

 女子生徒の座っている反対のソファーに座りながら、体温計が鳴るのを待つ。しかしこの対面に座ったのが悪いのか、目の前の女子生徒がチラチラと視線を向けてくるのが気になる。どうしたオレに2000%恋しちゃったか。

 そのままチラチラと少し見られるものの、必殺目を瞑って時間を待つで体温計が鳴るまでの沈黙を耐えた。保健室利用者は一番嫌いな時間なんじゃないのか?

 体温計の温度は全くもっての平温だったので、自己申告で微熱を言う。

「また微熱かい?もうそれが平均体温なんじゃないかい?」

「雪国では微熱でも軽視しちゃいけないんですよ先生。ここ千葉ですけど」

 呆れの溜息と視線は貰ったものの、どうにか奥のベットは使わせて貰えるようだ。

 俺がベットに入ると女子学生と養護教諭がおしゃべりを始めた。俺は邪魔者だったらしい。ごめんね、てへぺろ。

 

 

この学校にいじめはない。それはどこの高校でも言っている事だ。しかし、いくら偏差値が高くても、県で一番の進学校でもいじめがないなんてありえないだろう。

 当たり前だ。さかなクンが飼ってる魚ですら集団になるといじめが起こるのだ。生物の宿命とも言えるだろう。あとサンを付けろよデコ介。

 始まりに意味はない事が多い。体臭、容姿、考え、性格。本当に意味がないのだ。たとえ体臭を消そうと、整形しようと、一度起きたいじめはなくならない。

 なぜなら冗談で投げつけられたプリントを投げ返すだけでいじめは起こるのだから。

 

 

保健室で寝るのってあれだよね。髪型崩れちゃうの気にするから爆睡できないよね。

「内野君。もう放課後だけど」

うん。そうなんだ。爆睡したんだ。

「もう放課後だから寝るなら家帰ってねなさい」

 そう言うのは美人人妻系養護教諭の白山先生だ。物凄いソフマップ臭。

 白衣のソフマップ女優……白山先生はそのままカーテンを開け、席に戻って行く。

「体育だけ休もうと思ってたんですけどね」

起き上がり、カーテンを抜け、備え付けの鏡を見ながら髪を整える。

「はいはい、イケメンイケメン」

「えー」

そんな自分に野次を飛ばしてくる。いや、大事ですよ髪型。特にキョロ充にとっては。

「そんなのいいから早く教室行って帰りなさい。掃除の子達来るから」

「うっす」

そんな訳で保健室から追い出された俺は、素直に教室に向かった。

 




急いでるので後々変更あるかも。
俺ガイル買ったら『あやかしがたり』も買おうか。
自分も二巻までしか持ってないが。

今読んだらホント実りのない話だなぁ
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