「正直言って俺達は弱い、喧嘩では負ける気はしないけど、立場的に小学校一の弱さだろう。まぁ全部、葉山の奴が悪いんだが。このままここにいても、イジメのせいで楽しく過ごせないし、勉強が出来ないから頭も悪くなる。はっきり言って中学、高校と今の現状が続くものと考えられる。・・・葉山が近くにいる限り、絶対にそうなると確信している。クソ野郎だからな!」
そう考えると、本当に腹が立つな!俺達の平和な学校生活が、アイツ一人のせいでメチャクチャになったんだからな!葉山軍団という派閥が存在する限り、何処へ行ってもイジメが待っている。
「まずはその包囲網から離脱をする、県外へ出れば流石の葉山軍団も手を回せないだろう。九鬼の後ろ楯があれば、なおのこと無理だろうな!・・・まぁ九鬼へ行けば、修行やら勉強やらで大変になると思うけど。」
毎日が鬼畜仕様の生活になる可能性が高い、・・・が強さを得る為だから、たぶん頑張れる。
「・・・で自分勝手なことを言っちゃうけど、雪ん子を一人残すのは心配なんで、・・・雪ん子もここから離れて自分磨きをするのはどうだろうか?雪ん子の家がどれ程の家か分からんけど、それぐらいは出来るんじゃない?・・・離れ離れになるけど、より良い未来の為に今は、涙を飲んで別れることを提案する。一緒にいる為の試練、そしてパワーアップしてからの再会、・・・なんかロマンを感じないか?」
雪ん子に強要しているようで、なんとも最低じゃないか。でも、俺のバカ頭脳ではこれが最善、これ以外は考えられんのですよ!
・・・雪ん子、泣いちゃうかな?それとも怒っちゃう?少し恐いけど、雪ん子はどんな返事を返してくれるだろうか?雪ん子の肩に手を置いて、そのように語ったわけだが、まともに雪ん子の顔が見れない。・・・が、見なきゃ話が進まんじゃろが!というわけで、雪ん子の顔を真っ直ぐ見てみました。
どんな顔をしているのか・・・、あれ?想像となんか違うぞ?なんで顔を赤くして、瞳を潤ませているの?雪ん子の反応に困惑する俺、そこはほら・・・泣くか怒るじゃないの?
「・・・雪くんが真剣に、私と歩む未来を考えてくれていたなんて。・・・嬉しい、・・・雪くんが私のことを考えてくれていることが。」
そりゃあ考えるさ、俺達は友達なんだから。友達と過ごす未来を良くするのは当たり前でしょ?
「雪くん、私・・・頑張るわね!貴方が九鬼で学び、雪ノ下に相応しい男性として、私の下へ帰ってくるその日までに、私もそれに恥じない女性になるわ!私の両親の友人なのだけれど、ドイツに素晴らしい方がいるの。私はその方の下で、己を磨いてくるわね!」
おお、雪ん子もやる気になった!それに九鬼で色々と学び、故郷へ凱旋という未来もなかなかに良い!雪ん子もこの歳で、家を継ぐ覚悟を持つとかって・・・スゲーだろ!流石は雪ん子だ、尊敬するぜ!それにドイツか・・・、遠いな。・・・だけど雪ん子なら、なんとかなるだろう。・・・というか、いきなりドイツ留学とかって・・・。自分で言っておきながら悲しいね、遠く離れちゃうんだな・・・俺達。
自分達の未来へと目を向け、盛り上がっている俺達。そんな中で、一人沈黙を守っていた万ちゃんも、
「皆の覚悟、私の心に響きました。私もヒュームさんから誘われている身、両親を説得して雪広さん達と共に九鬼へ行こうかと思います。私自身も磨きますがそれ以上に、内助の功として雪広さんのサポートをする、そう決意しました。何やら一人、見当違いな未来を見ているお馬鹿さんがいるようですが、それは叶わぬ未来と知った方が良いでしょう。・・・残念ながら共に歩むのはこの私、遠い異国の地にて自身の浅はかさを呪いながら生きると良いでしょうね。」
なんと万ちゃんまでもやる気満々じゃないか!流石は俺達、考えることは同じだな!何故か再びメンチを切りあう雪ん子と万ちゃんが気になるけど!
ドイツの友人とは一体・・・?