教室を飛び出した雪ん子を追うが、少し遅れた為に見失ってしまった。・・・何処に行ったんだと考えるのと同時に、葉山に対して怒りが湧く。守ると言った癖に、守ることをせず、イジメを見逃したアイツ。
葉山に対する怒りと共に、俺の間抜けさにも腹が立つ。・・・俺達をこの状況に追いやったアイツの言葉を信じたが為に、雪ん子がイジメられるという事態。アイツは自分がどんな存在か分かっていて、勝手に舞台を整えて演出し、相手を陥れる。そして自分の株を上げるクソ野郎、俺が悪でアイツは正義、俺が嫌われ者でアイツは人気者。・・・人気者のアイツが、少しでも雪ん子のことを贔屓したのなら、それに嫉妬したバカが雪ん子をイジメる。・・・アイツは何も分かっていない、分かっている癖に分かっていない。・・・腹が立つ、雪ん子を見ずに自分の世界を見るアイツに!腹が立つ、自分達のことだけを考えて、雪ん子は大丈夫だろうと思い込んでいた自分に!
・・・・・・雪ん子!
見失ってしまった俺は考える、雪ん子が行きそうな場所、・・・一体何処だろうか?
翔に良晴、一応万ちゃんにも応援を頼み探すも、何処にもいない。手分けして校舎内を探してもいない、・・・授業?・・・知るかよ!あの日以来、集中して授業を受けたことなどない。・・・そんな授業なんざ、受けるも受けないも同じ。ならばどうするか?当然、雪ん子探しを優先するのさ!
・・・時間を掛け過ぎている自覚はある、・・・早くしないと雪ん子が、・・・一人で泣いている。・・・教室で拾った、壊れたパンさんキーホルダー。・・・キーホルダーか、・・・・・・・・・!?そうか!キーホルダー!このキーホルダーをあげた場所に、雪ん子はいるんじゃなかろうか?他に思いつかないし、・・・行ってみるしかないだろう!
目的とする場所が決まっているのなら、後は簡単さ。日頃使わぬ身体能力を発揮し、瞬時に目的地へ。・・・シュワッチ!
雪ん子にキーホルダーをあげた場所、小学校の敷地内にある場所だが、やや外れにあるからか、人には知られていない。基本的に、外で遊ぶ俺達だからこそ見付けられた場所。校舎内は決まり事が多いからね、必然的に外ってわけだよ。そのお陰でこんな良い場所が、秘密の場所が見付かったのだよ。そこは褒めてやるぜ、格式高い小学校さんよぉ。
浅い雑木林を越えてある小さな空間、そこには俺、翔、良晴製作のトーテムポールとモアイ像。俺達の場所であると主張する置物に、太陽の光が降り注ぎ、完全に外界と切り離された不思議な空間。自分達の作り上げた空間ではあるが、あえて言おう・・・台無しであると!この神秘的な空間を、カオスに変えてしまったことを悔やみながらも、トーテムポールとモアイ像の陰にへと足を運ぶ。その場所は雪ん子のお気に入り、・・・だからきっと、・・・そこにいる。
・・・案の定、雪ん子はそこにいた、トーテムポールに引っ付いて泣いている。・・・やべー、本当にこの空間を嬉々として作り上げた俺達を殴りてぇ、・・・何?このシュールな光景、何かの撮影ですか?・・・っと違う!今は雪ん子だろうが俺!バカだからって状況ぐらいは分かっているでしょうが!・・・ここには何もない、・・・雪ん子がいるだけさ。気合いを入れて、雪ん子の下へ。・・・ごめんな雪ん子、脳内でバカやってさ。お前が泣いているってーのによ・・・。
俺は雪ん子の傍へ行き声を・・・、
「・・・ひっく、・・・ねぇ、・・・雪くん。」
・・・掛ける前に、雪ん子の方から声を掛けてきた。情けないことにビクッ!となった俺だが、目の前にいた雪ん子がトーテムポールから離れ、今度は俺に引っ付いてきたから雪さんドキドキです!ぬぅおぉぉぉぉぉっ!俺の鼓動が雪ん子にぃぃぃぃぃっ!と思っていたら、
「・・・ねぇ、雪くん。・・・私はいらない子じゃないよね?いらないから、・・・代わりの女の子を入れたなんて違うよね?・・・私、・・・見捨てられたわけじゃないよね?・・・私を、・・・私に会いたくないなんて嘘だよね?・・・私の、・・・壊れちゃったの。・・・お願いします、・・・壊しちゃったけど、・・・私を嫌わないで!・・・私を見捨てないでください、お願い・・・しますぅ~・・・!・・・うぁぁぁぁぁっ・・・!」
俺の胸の中で、そう言って泣く雪ん子。・・・・・・葉山、・・・・・・アイツ、雪ん子を追い詰めていたのか!
前回ので分かったと思いますが、
マジ恋とクロス予定です。
ぶっちゃけ、
未知数です。