魔法少女育成計画-LoveLive♥wars-   作:東宮

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#10 ぴゅあぴゅあはーと

◇◇◇

◆黒澤ルビィ

 

ルビィ「ちょ、ちょっと。なんで勝手にそっち行くの?」

あれから5人は善子ちゃんについていき音ノ木坂へ向かおうとしていた。しかし向かう途中の休憩所で急に花丸ちゃんが向かう方向と違い方へいくのが見え、ルビィは後を追いながら花丸ちゃんを押しとめようとしていた。

花丸「…いや、ちょっと用事があって…」

花丸ちゃんは気まずそうに反応しながらペースを落とさずに足を止めない。…ルビィに隠し事をしているのか。

ルビィ「え、ルビィもいくよ。じゃあ…」

花丸「……チッ」

…え。今の…舌打ち?ルビィ、何かだめなこと、した…?

隠し事を聞き出だそうとしたのが、、だめ、だったのかな…?

ルビィ「え、…ごめん」少し涙が出そうになったが素顔に誤った。

 

花丸ちゃんの反応がない。無言…どうやら花丸ちゃんはルビィの言葉を無視している…。

でも、普通の無視とはちょっと違う。ルビィの言葉を聞いていないかのように見える。。

それでいて、たまに振り向いてこちらの目をジロジロとみてくる。…ちょっと不気味で、そのたびにルビィは肩を震わさせた。

 

そして気まずい空気の中2人をしばらく小道を歩いていると、花丸ちゃんが急に足を止めた。

花丸「…みつけた。例の魔法少女」

ルビィ「へ?」

言っている意味がわからなかったが花丸ちゃんの視線の先を見るとそこには2人の女性がいた。金髪ロングと、濃い橙髪…あのひとたちってもしかして…

ルビィ「ミューズ!?」

…自分の驚きを隠せていない。花丸ちゃんはミューズに会うために来たのか?そうなのだろうか。

ルビィもミューズは大好きだ。ずっとずっと愛していた。花丸ちゃんって、でも、ミューズのことそんなに知っていたっけ。ルビィはミューズの人と対面したことと花丸ちゃんの不可解な発言に混乱していた。

相手の2人もこちらに気付いていたようだ。そして花丸ちゃんと、あの2人はゆっくり近づいていった。ミューズかと思うと、急に緊張して体が震えた。

2人はキラキラした衣装をしている。私達みたいに…花丸ちゃんがさっき…魔法少女って言ってた……え?

 

考えているうちに花丸ちゃんはルビィの傍から離れ、2人の近くにいっていた。

花丸「こんにちは、あの、これにサインをしてほしいですが…」

花丸ちゃんは何かの本のようなものを取り出し、その本の紙を2枚ほど破りとり2人に話しかけていた。

サイン?やっぱり、ミューズにあいたかったのか。でも、やっぱりしっくりこない。

わけがわからないよ。という目でルビィはその状況をみていた。2人が「あっはい」「え、えぇ…」といいながら紙を受け取った。

おかしかった。2人は紙を手に受け取った瞬間、急に表情が冷めて…いや、無表情?…そんな感じで表情がなくなって、すぐにどっかにいってしまった。花丸ちゃんはそこに立ったままだった。しばらくすると本を閉じて呟いた。

花丸「これでよし…っと」

ルビィ「え」

花丸ちゃんが独り言をつぶやきルビィがしゃべったかと思うと、急に首の後ろから激しい衝撃を感じた。

ルビィはその正体に気付くこともなくあっさり気を失って倒れた。そんなルビィが最後にきことれたのは

花丸「……はぁ」

という花丸ちゃんの小さい溜息だった。

 

 

 

意識が戻ると、私の首は木…いや、フローリングの床についていた。うつ伏せの状態になっていたらしい。

体を動かす…まったく、体が動かない。仰向けに転がってようやくわかった。私は手首、胸、腰、おなか、足首、太もも、全身が縄のようなものでしばられていた。まったく動かない。魔法少女の力ならこんなの引きちぎることはできる。恐らく魔法の縄なのだろう………。

…ここはどこだろうか。かなり狭い空間、倉庫か。

まず、猿轡までされていて、声が全然でない。声も体も不自由な状態。残っているのは、目と耳だけだ花丸ちゃんが…やったのだろうか………。

 

外から声が漏れてきた。

花丸「すませた、やってきた、全部OK」

花丸ちゃんの声だ。誰かと話している。その相手の声は…善子ちゃんか。

善子「ナイスナイス~。まったく花丸ちゃんはお腹が黒しうございますわね」

花丸「今更なにそんなこと。今回は割と完璧だから心配ないわー」

善子「ドアの前で軽くきいてたけど、お前ずらずらとか変な語尾つけて何がたのしいんだよ」

花丸「いやぁああいう臭いのもキャラづくりだから仕方ないだよねーほんとめんどい」

善子「めんどいとかいってたわりにやりすぎなんだよなぁ」

 

花丸ちゃんの声のトーンがまったく違う。とても低い。別人みたいだ…。善子ちゃんも入学式の時とはまるで違い堕天使要素がなくなっている。花丸ちゃんはずらずら語尾が…わざとだったのか…。

…私が裏切られてしまったからか。もしくはこんな私だから裏切られて当然でその現実を突きつけられたからか、ルビィは静かに涙を流した。…きっと後者だったのだろう。いつかは疎遠になることは覚悟していたが、まさかこんな形になるとは思っていなかった。今のルビィには怖いなんて気持ちより、ずっとずっと、寂しい、悲しい、悔しい気持ちのほうが強かった。

 

◇◇◇

◆津島善子

 

私の魔法、魔法の端末(マジカルフォン)によると「漆黒の堕天使を召喚するよ」と書いてあるが、これは適切な説明にはなっていない。なぜなら私の魔法の良さは『漆黒の堕天使』じゃなくて、『召喚の仕組み』にあるからだ。

私が魔法少女に変身すると8枚のカードが発生する。もちろんただのカードじゃない。ヨハネ専用の魔法のカードだ。表の面には中に入っているものの見た目、裏の面には片方の翼が朽ちた漆黒の堕天使のマークがある。

このカードは、簡単に言ってしまえば『800kgまでのものならでも入るマスターボールのカードバージョン』。うむ、我ながら実にわかりやすい説明だ。自分で投げた『何も入っていない魔法のカード』の表の面を入れたいものに当てた状態で指を鳴らすことで入れたいものがカードの中に入る。

『何かが入っているカード』はカードの裏の面にキスすることで表の面から入っているものが飛び出す。中に戻すときも裏の面をキスすることで元に戻る。飛び出し方や戻り方はみなさんご存じのモンスターボールとあまり変わらない。『何かが入っているカード』の入っているものをなくしたい時は、カードの表の面を舌で舐めることによって『何も入っていないカード』の状態になる。入っているものをカードから出した状態で舐めると、入っていたものはそこに残るが、カードに入っている状態で舐めると入っていたものごと消えて二度と入っていたものは戻ってこれなくなる。

ちなみに『何も入っていないカード』をキスすると1体の堕天使がでてくる。こちらもキスすれば元に戻る。

漆黒の堕天使はヨハネの兵士みたいなものだ、ヨハネが敵対しているものをテレパシーで把握して戦ってくれる。堕天使は遠距離攻撃手段がなく、ただただ殴る、蹴るだけで攻撃する。それ以外の攻撃手段はない、つまり脳筋だ。身体能力は並の魔法少女とかわらないので、大抵の魔法少女だったら余裕で堕天使が負けてしまう。しかし遠距離攻撃手段がない魔法少女だったら、数でゴリ押しできるなんてこともある。ちなみに戦い以外の脳はなく、家事などを手伝わそうとしてもまったく反応せずぼーっと突っ立っているだけだった。つまりあまり期待はできない。しかし漆黒の堕天使の肉体はムキムキで、ヨハネ好みだ。暇つぶしに堕天使を召喚して突っ立ってるだけの堕天使の筋肉をふふふと笑いながら触って楽しんでいたこともあった。カードは途中でなくしても、変身を解除すればカードも一緒に消滅し、再変身すればカードもまた手に戻ってくるからこれに関しては心配しなくてもいいだろう。

魔法少女になったばかりの頃は、使い方に慣れていなく、操作誤って自分の両親を封印したまま消してしまったという恥ずかしい経験もあったが、今ではすらすらと使いこなせるようになっている。

 

花丸の魔法は私のに比べれば比較的扱い安い魔法だ。花丸も変身すると魔法の本が『魔法の本の紙を自分以外誰かの手に持たせるとそこに書いてある文章のものを必ず実行する』という超強力な洗脳系魔法。洗脳された側の人間は意識も感情もなくなり、書かれていることを実行したらすぐに洗脳は解かれ元の状態に戻る。洗脳が解かれた者に洗脳されていた時の記憶はなくなっている。紙に書く内容は頑張れば基本なんでもできるが「ずっと~~する」「~~するはずなので」「~~もしくは~~」など、不確定要素や生半可な言葉を使うとうまくいかないことが多い。そのためにも正確な文章を書かないといけないので割と難しい……のだが、私と花丸はかなりのベテランコンビだ。そのくらいのことはもう慣れている

 

私たち2人は幼稚園で3歳のころある事件に巻き込まれて魔法少女になった。それから魔法少女や魔法の国のことについて知り、いろいろあって2人で魔法を悪用し、裏の依頼などを引き受け金稼ぎをするようになった。こうして生きていくとやはり殺すか殺されるか、そういうブラックな依頼が多い。それでも2人でここまでなんとか生きてきた。今回は私たち2人とサポーターのファヴで起こすある依頼だ。報酬金はとてつもなく高い。そのために中3のころから着々と花丸と準備を進めてきた。ファヴにより今回のターゲットの魔法も全部知らされている。これから起きる事件の犯人は綾瀬絵里と高坂穂乃果ということになる。しかし真の犯人は私と花丸、ファヴだ。もうそろそろ最初のミッションが完了する頃だろうか。と時計をみた。16時か、ではもうすぐだな、と、ヨハネは薄く笑っていた。




東宮です。お読みいただきありがとうございます。次回もがんばるのでよろしくお願いしますっっ。
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