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◆津島善子
津島善子は公園の端の、ベンチの近くの大きな木のテッペンに乗っかりながら、ピヨピヨよ夕焼け空を飛ぶ小鳥達を空ろな目で眺めていた。
今、私の持っている8枚のヨハネカードの中身はそれぞれ「紙3」「紙D」「綾瀬絵里の
1つ目、「紙3」。これは花丸の魔法の本にかかれている今回の依頼で使用する予定の3枚目の紙だ。3枚目ということで紙3という単純な名前。これはもうすぐ来るだろうあの人に使う。
2つ目「紙D」。これは本当に想定外の事態に陥ったときに用いる緊急用の花丸の紙。中には一言「いますぐ自害しろ」と濃く太い字で書かれている。これまでの依頼にもたまにこの紙のおかげで助けられたことが少しあった。ざっと30回ぐらいだっただろうか。
3つ目「綾瀬絵里の
4つ目「黒澤ルビィの光線銃」。これはルビィを捕獲した際について程度にもらっておいたものだ。本人は性格的にも身体能力的にも戦闘は向いていないが、魔法というか武器は十分使えそうだ。「ピンチ」により威力増加がどれくらいになるかがわからないが通常時でもそこらへんに立ってる電柱一本は貫通させて破壊できたのでかなり期待はできるだろう。
5つ目「もう1人の私」。一番最近の依頼の報酬でまだ新しいもの。といっても依頼の内容が無理難題だったため報告書に見せかけた紙Dを依頼主に渡し暗殺することで無理やり手に入れることができた報酬だ。
6つ目「魔王の翼」。これはこの前極度に難しい依頼を引き受け不正をしてラクラククリアしたときの報酬アイテムだ。かつての偉大な魔法少女の部位らしく、何やら何にでも変形できるらしい。しかしその魔法少女は死んでしまい魔力が低下したため、変身変形は自在にできるものの一度きりしか使えないらしいのでまだ使用したことはない
。
7つ目「ラピス・ラルジェム」見た目は綺麗な青いラピスラズリのジュエルだが、ただの宝石じゃない。魔法の宝玉だ。両手で中部を左右にぐるっと回転させることにより瞬間移動ができる。回転をはじめる場所の角度と回転させる速度によって瞬間移動の距離と方向が決まるため扱いが難しいが幼いころからある魔法少女からもらって練習していたため今では十分使える。瞬間移動の距離は最大で30m程度とそこまで大幅に移動できるわけではないがそれでも何度でも連続で使えるためとても汎用性が高い。ずっと使い続けている必需品だ。
最後の8つ目、「ヒマワリの種」。これはラルジェムと同じ時に一緒にもらっていて、ずっと使っていなかったが今回食用として持ってきた。10年以上放置していて腐ってるわけではないと思う。いちおう魔法少女のコスチュームの一部だったらしいし。
今回の依頼の報酬は現金。100億円。うーん、いやぁウメェ仕事だわ。
善子「…はぁ、お腹すいてきたなぁ。。」
善子は左手の中指と薬指の間、右手の薬指と小指にそれぞれ挟んであった3つ目と8つ目のカードにキスをして、ヒマワリの種を齧った。
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◆渡辺曜
海岸に集まった後少し皆で相談して、私と千歌ちゃん、ダイヤさんと鞠莉さんの2組に分かれて行動した。2年生組はこの付近、3年生組は音ノ木坂周辺という割り当てになった。もう夜も近いから見つからなくても19:00までにはさっきまでいた海岸に戻るというようなことになっていた。
それにしてもどうして梨子ちゃんがいなくなったのだろう。あの子はしっかり者だからちゃんといると思っていたのが。置いてきて行方不明になってしまったせいでさらに手間が増えてしまった。やはり強引にでも一緒に連れてくるべきだったのだろうか。
近くを見渡していても人影は1つも見当たらないしもしや溺れているのではないかと近くの海全体を駆け回って水中を一通りみてもやはりいない。
曜「いないねー」
千歌「…どこいっちゃったんだろう」
携帯。いや、
ファヴ「メールだぽん」
《千歌さん、曜さん、梨子さん:綾瀬絵里です。魔法少女用緊急メール。今、矢澤にこが一緒にいるでしょ?そいつ、いろいろヤバイ奴だから超危険!バレる前にはやく非難!花丸さんと善子さんとルビィさんもそいつに襲われそうになっていたところを助けたの。それであなたたちも危険だから、今すぐ花丸がそっちに行く。あと、矢澤にこは今東京を中心に「ミーニングレスバリア」という結界を張ったわ。魔法にかかわるものが通れないからあなたたちも絶対通れない!今は浦の星には帰れないから、気を付けて。》
千歌ちゃんにも同じようなメールが来ていた。
綾瀬絵里。知っている、にこちゃんと同じ学年のミューズメンバーだったはず。音の木坂のつき、1年生がいなくなっていたことで焦り、3人で探していたところに矢澤にこが来た。ミューズメンバーの。その人からミューズ全員がきょう魔法少女になったことを知って、さらにわけがわからなくなったが。矢澤にこの
曜「千歌ちゃん、どうしよう…」
こんなときは、とりあえず千歌ちゃんに合わせてみるべきだろうか。
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◆黒澤ダイヤ
ダイヤ「あそこかな。音ノ木坂って」
鞠莉「うーん、たぶんあってると思うわ」
鞠莉と話していると、急に何かと私の体がぶつかった
ダイヤ「いたっ!?」
花陽「あっ!」
花陽「す、すみません」
顔は大人し目。髪色も大人しめの少女。
ダイヤ「いえ、大丈夫です」
しかし衣装はずいぶんときらびやかだ。農家のアイドルのよう。
花陽「すみません、すみません、今すぐ治療しま…」
ダイヤ「あの…」
会うのは初対面のはず。でも、よく知っている人だった。
花陽「はい?」
ダイヤ「ひょっとして、ミューズの、小泉花陽さん、ですか」
花陽「…え、ええ。」
彼女は軽く頷いた。間違いない。
そうだ、小泉花陽。妹が、ミューズで推していたメンバーだ。
鞠莉「あの…どうかされたんですか?すごい、焦ってるみたいです」
花陽「凛ちゃんと…真姫ちゃんが…こ、ころされ…」
鞠莉「え?」
ダイヤ「お、おちついてください。どういうことですか?」
凛、真姫。もちろんしっている。ミューズのメンバーで花陽と同学年の2人。
花陽「し、しらない…です」
花陽は答えながら涙を流した。かなり混乱しているようだ。
落ち着かせようと話をしたら、よけいに泣き崩れさせてしまった。
花陽のお腹もグゥグゥとなり続けている。
鞠莉「あの、ひとまずこれを…」
鞠莉はポケットからすらりと弁当箱を出して周りにあった土をがばっと中にいれ、それをしばらくつかんでホカホカの白米に変化させた。
説明しよう。鞠莉の魔法はなんでも美味しく料理できるというもの。10秒間手に触れ続けていたものをとってもおいしい料理に変化させることができる。栄養分とかもちゃんと変わるらしく、その料理はすごくおいしい。まずい料理にはできないらしい。そして変化前と変化後の質量は変わらないようになっている。今の場合、鞠莉がそこらの土を弁当箱にいれてその土を10秒間さわっておいしいおいしい白米に変化させたのだ。
花陽「お、おいCCCCCCCC!」
花陽はもぐもぐと食べていった。白米が一瞬で食べられるとまた土をいれ、白米にしを永遠と繰り返していった。
食べているうちに心も落ち着いてきて、とりあえず事情は聞けた。今日の正午頃に突然ファヴというマスコットキャラクターが現れて、その時一緒にいた真姫、花陽、凛の3人ともが魔法少女になった。その後真姫の家にいってごはんをつくっていたが、いつまでたっても来なかったため部屋に見に行ったところ2人の死体を発見し、ショックで逃げてきたそうだ。
ならば、ファヴに手段はファヴに聞くのみだ。ファヴは全魔法少女の
ダイヤ「ファヴ?実際はどうなってるの?そこにいるんでしょ?」
ファヴ「ファヴは知らないぽん。ただの見間違えじゃないかぽん?」
鞠莉「見間違えって…根拠なさすぎ?そんなわけないでしょ」
花陽「すみません、ファヴさんの言う通りかもしれません。やっぱり私がどうかしてたんだと思います」
花陽「いや、多分私の見間違いか、勘違い。もしくはドッキリですよ」
ダイヤ「で、でも…もし本当だったら…」
花陽「ほんと大丈夫です。も一度真姫ちゃんの家に戻ります。迷惑かけて本当すみません。ありがとうございました。あと、白米の件は絶対いつか奢ります」
ファヴのしらけっぷりには腹が収まらなかったが、とりあえず今は花陽が心配だ。妹も探さなければならないが、もしかしたら関係しているかもしれない。
鞠莉「とりあえず、つけましょう」
鞠莉のそんな小声の問いかけに黙ってうなずき、ひっそりと花陽の後を追った。