出来れば十話くらい更新したかったのですが、思う様に書き進まなかったので、序盤の話を大幅に書き加えて二話分にして、今日の朝と夕方に分けて更新することにしました。
今話と次話の後書きに軽く主人公と手持ち達に関する設定的な裏話と今後の予定がありますが、折角一年目を迎えたのにやることが普段とあまり変わらなくて申し訳ございません。
今後も「SPECIALな冒険記」をよろしくお願いします。
お披露目
ジョウト地方最大の大都会であるコガネシティ内のとある場所で人だかりが出来始めていた。
彼らの注目している先で二人のポケモントレーナーが距離を取って向き合い、今まさにポケモンバトルを始めようとしていたからだ。
ポケモンバトルの挑戦を受けたアキラは、被っている青い帽子を被り直すと、挑戦を申し込んだ青年がボールを投げるのと同時に一番手が入ったボールを投げた。
「さぁ、思う存分暴れても良いぞ!! サンット!」
「いけっ! リザードン!」
両者のボールが開き、アキラの方は棘の様な突起が背中を覆い隠しているねずみポケモンのサンドパンが飛び出て、軽やかに着地して刃の様に長く鋭い爪を構える。
青年の方からは、オレンジ色の体色をした荒々しいドラゴンを彷彿させるかえんポケモンのリザードンが地響きを鳴らしながら、その勇ましい姿を見せた。
互いのポケモンが出揃い――と言うよりもリザードンの登場にバトルを見物していた人の多くは感嘆の声を上げる。
「”かえんほうしゃ”!」
目の前のバトルに意識が向いていた青年は周りの注目を意に介さず、すぐにリザードンに技を命じる。ボールから出てきたばかりではあったが、リザードンは彼の命を受けて口から爆発でもした様な激しい”かえんほうしゃ”を放つ。
咄嗟に放ったとは思えない規模の炎が勢いよくサンドパンに迫るが、慌てながらもねずみポケモンは流す様に炎から逃れる。
「落ち着いて、何時も通りにやれば大丈夫! ”どくばり”!」
サンドパンを落ち着かせながら、アキラは指で胸と首筋を順に示す。
するとサンドパンは瞬時に目付きを鋭いものに変えて、早撃ちガンマンを彷彿させる速さで鋭い爪先から数発の”どくばり”をリザードン目掛けて撃ち出す。撃ち出された”どくばり”の速さにリザードンは反応し切れず、針は胸の一部と首筋にそれぞれに命中する。
瞬く間にかえんポケモンの体の色は毒に犯された証である紫味を帯びるが、それだけに留まらずリザードンは苦しそうに息を荒くし始めた。
「これは…」
リザードンのトレーナーである青年は、これがただの”どく”状態では無いのを察し、リザードンをボールに戻すことを視野に入れた直後だった。頭に浮かんだ考えを実行させる機会を与えるつもりが無いのか、サンドパンが爪を構えて突撃してきたのだ。
対応しようにもリザードンは体を蝕む毒が苦しいのか動きは鈍く、何も出来ない無防備なままサンドパンの鋭利な爪から振るわれる”きりさく”の連続攻撃を受けてフラつく。
「止めだ! ”めざめるパワー”!」
リザードンの様子を見て、アキラは首元を指で示しながら一気に畳み掛けた。
主導権を握っていたサンドパンは、右手の爪に緑色に輝くエネルギーを瞬く間に集中させた後、距離を取ると同時に先が鋭く尖った緑色の光弾を放った。放たれた光弾は、さっき撃ち出された”どくばり”以上の弾速で飛び、先程リザードンが”どくばり”を受けた首筋に近い首元に命中して激しく火花を散らす。
既に倒れる寸前まで弱っていたリザードンは、それが決定打になったのか力無く横に崩れた。
「…早い」
まだバトルが始まって一分も経っていないだろう。
あまりにも早い決着と一方的な展開に青年だけでなく、バトルを見ていた人達も言葉を失う。一撃で倒された訳では無いが、それでもリザードンに進化してからこれ程早く倒された経験は青年には無かった。
しかも殆どダメージを与えられないままあっという間に倒されたのを見て、彼は今戦っている相手が一筋縄ではいかない相手なのを理解する。
「キングドラ!」
リザードンをボールに戻し、次に青年が出したのは最近正式に確認されたシードラの進化形であるキングドラだ。
みず・ドラゴンの二タイプを有するので、じめんタイプであるサンドパンとの相性は抜群だ。レベルを含めた技量が相手の方が上回っているとしても、彼らはその実力差をタイプ相性で覆すつもりだった。
新手の登場に両手の爪を構えてねずみポケモンは戦いを続けようとしたが、後ろにいるアキラがモンスターボールを手にしたのを見ると爪を下げた。
「”ハイドロポンプ”!!」
そのままキングドラは命じられた通りに筒状の口から、圧縮された膨大な量の水を放つ”ハイドロポンプ”を噴射する。その威力と勢いは威圧感溢れるものだったが、当たる直前にサンドパンの姿が消えて、代わりに巨大な巻貝を被ったポケモンであるヤドキングが出てきた。
効果の薄い同じタイプのポケモンで受ける気なのかと青年は考えたが、ヤドキングは出て来てすぐに目を青く光らせながら足を踏み込んで両手を突き出すと、念の力で迫る”ハイドロポンプ”をモーゼの様に真っ二つに分けて軌道をズラす。それだけでも驚きだが、ズラした”ハイドロポンプ”の膨大な量の水をヤドキングは頭上に集めていく。
「ヤドット、”
サイコパワーで圧縮した水をヤドキングは、これだけの水を放ったキングドラ目掛けて一直線に解放する。
普通ならヤドキングは”ハイドロポンプ”を覚えることは出来ないが、強力な念の力とキングドラが放ってきた”ハイドロポンプ”の水を無駄なく利用したことで、疑似的に再現していた。
エスパータイプの力も加わった”ハイドロポンプ”を正面から受けて、キングドラは少なくないダメージを負うだけでなく水の勢いに流されてしまい、後ろに立っていた青年も余波で飛び散る水を少し被る。
このままではさっきのリザードンと同じく一方的にやられてしまう。
「キングドラ、”えんま――」
「逃がすな! ”うずしお”!!」
青年の指示を遮る様にヤドキングは再び周囲に飛び散っている水を利用して、瞬く間に小規模な竜巻状の水の渦にキングドラを閉じ込める。
激しく回る渦の勢いにキングドラは翻弄されるが、その間にヤドキングはアキラの動向を一瞥すると、指先を渦に向けた。その指先から洗練された一筋のレーザー光線として”れいとうビーム”を放ち、自らが起こした水の竜巻を凍らせる。
幸いにもキングドラは完全に氷漬けにはされていなかったが、体の大部分が氷から剥き出しの磔にされている様な中途半端な状態で、実質的に氷漬け同然であった。
氷の中から抜け出そうとするが、目の前に立つヤドキングは両手を激しくスパークさせ始め、その輝きを両手の間に青白い光球として収束させる。
「”でんじほう”!」
スパークさせたエネルギーを集めた光球をヤドキングは押し出す様に撃ち出し、動くことが出来ないキングドラに”でんじほう”が直撃する。
圧縮されたエネルギーが瞬時に解放された事で凍り付いていた渦は砕け散り、無防備な状態で大技を受けてしまったキングドラも吹き飛び、そのまま動かなくなった。
「――君強いね」
「ありがとうございます」
表面上は穏やかに青年は賛辞を口にしていたが、対戦相手である彼をどうやって負かすのかをこれまでの知識と経験を総動員して考えていた。こちらの攻撃を利用するだけでなく、確実に技を当てられる様に意図的に体を剥き出しの状態で氷漬けにして動きを封じていたことに青年は気付いていた。
手強い
今の手持ちにして以来、あまり感じることが無かった敗北の可能性をエリートトレーナーである青年は感じていた。
目の前にいる彼は自分よりも年は幾つか下ではあるが、ポケモントレーナーに年齢は関係無い。だけど、このまま負けるつもりは無かった。
「行くぞハッサム!」
三匹目としてボールから飛び出したのは、深紅の鋼に身を包んだハッサムだった。
ヤドキングは身構えるが、ハッサムは目にも止まらないスピードで急接近してくる。その勢いを維持したまま、反応し切れなかったヤドキングに対して両腕のハサミを振るって”れんぞくぎり”を仕掛けてきた。
威力が低いとはいえ、相性の悪いむしタイプの技による絶え間ない連続攻撃にヤドキングの表情は歪むが、ハッサムは攻撃の手を緩めなかった。
”れんぞくぎり”は当たる度に威力が上がる性質を有している為、止めさせようにもダメージの大きさに怯んでしまう頻度が増えてしまう。
「”めざめるパワー”で距離を取るんだ!」
一点に集約して放ったサンドパンとは異なり、ヤドキングは体内から溢れ出るエネルギーを体中から拡散させる形で放ち、ハッサムの猛攻を少しの間だけ止める。
その僅かな隙にアキラは迅速にヤドキングをボールに戻して、次の手持ちが入ったボールを投げた。
「スット頼むぞ!」
ヤドキングの代わりとして出てきたゲンガーは少々機嫌が悪そうな表情ではあったが、すぐさま行動を起こす。
ハッサムが警戒して身構えたタイミングで、目を怪しく光らせる”あやしいひかり”を浴びせて、ゲンガーははさみポケモンを”こんらん”状態に陥らせる。これで動きを封じたと考えてアキラ達は次の行動に移ろうとしたが、千鳥足だったハッサムは何故かすぐに正気に戻った。
「何!?」
これにはアキラとゲンガーも驚きではあったが、ハッサムが手にしていたものを見て、その理由に気付く。
「きせき…いや、”ラムのみ”か」
ポケモンに持たせれば一部の状態異常を除けば、ほぼ全ての状態異常を回復させることが可能な万能アイテムだ。
ハッサムがただ戦力になるだけでなく、ある役目を担えるのとヤドキングを追い込んでいた時の動きの意図を彼は理解していたが、さっき警察に”きのみ”の使い方を説明した時の様に目論見を見事に崩された。
「”バトンタッチ”!」
正気に戻ってすぐに、ハッサムは自ら青年の元に戻っていく。
戻ったハッサムが入ったボールを彼は腰に手に付けると、別のボールを手に呟いた。
「ここからが本当の勝負だ」
一旦引いたハッサムの代わりに出てきたのは、ホネを二本手にしたガラガラだった。これにはバトルが始まってから有利に戦ってきたアキラは危機感を抱いた。
ガラガラは普段手にしている”ふといホネ”とは別のホネをもう片方手にする事で、攻撃力を二倍相当に上げることが近年トレーナー達の間で話題となった。
その火力は非常に魅力的なのだが、そのホネを入手するには様々な問題を解決する必要があるので実際に連れているトレーナーは少ない。恐らく彼は、その数少ないトレーナーの一人だろう。
「”ホネこんぼう”!」
両手にホネを構えて、ガラガラはさっき戻ったハッサムに近いスピードでゲンガーに迫る。
戻る前までハッサムは、”こうそくいどう”で素早さと攻撃頻度を上げながら”れんぞくぎり”と同時並行で”つるぎのまい”を行って攻撃するという技術的に非常に高度な動きをしていた。
アキラはその動きを見抜いていたので、下手に相性が有利なポケモンを出して即座に能力を引き継ぐ”バトンタッチ”されてしまうのを警戒していたが、彼の方が上手だった。
例外を除けばどれだけ鍛えても、ゲンガーが打たれ弱いのは種としての宿命だ。まともに今のガラガラの攻撃を受ければ、その一撃で勝負が決することを察していた。
「でも、”みちづれ”を安易に使うつもりは無いけど」
ゲンガーと目線を交わしながら、彼らは互いに意思疎通を図る。
”みちづれ”を使うのは本当の最終手段。
この技に関しては、アキラはあまり命じることはせずゲンガーの意思に委ねている側面が強い。
自らを倒した相手を
とはいえ、特に命じていなくてもゲンガーは積極的に最後っ屁として仕掛けてきているのであまり気にしてはいなかった。
底上げされた攻撃力と素早さを引き継いだガラガラは”ふといホネ”を振り下ろすが、当たる直前にゲンガーは”かげぶんしん”で避けると同時に無数の分身で包囲する。典型的な”かげぶんしん”による回避だが、エリートトレーナーを名乗っている青年に対しては時間稼ぎくらいにしかならないだろう。
「”いわなだれ”!!」
近年判明した各ポケモンが有する”とくせい”を警戒しているのか、最も威力を発揮できる”じしん”ではなく同じく広範囲に技を仕掛けられる”いわなだれ”を青年は選択する。
ホネを地面に叩き付けて砕くと同時に岩を舞い上げさせる形で、ガラガラは分身も含めた自身を取り囲むゲンガーを攻撃する。ぶつかってくる岩で分身の幾つかは消えるが、消えなかった何匹かがガラガラに目掛けて突撃する。
「後ろだガラガラ!!」
舞い上がった砂や足元に転がっている小石の動き、そして影の濃さと過去の経験から、青年はどれが本物のゲンガーか見極める。彼に全幅の信頼を寄せているガラガラは、正面から襲ってくるゲンガーには目もくれず、背後から飛び掛かって来たゲンガーにホネを横振りで殴り付ける。
その勢いにぶつけられたゲンガーの体は変な風に曲がるが、振り切られる前にそのまま消えてしまった。
「え!? 分身!?」
確かに手応えがあっただけでなく、影の濃さや他の要素から見ても本物と判断しても良かった。
まさかの空振りに青年だけでなくガラガラは驚くが、動揺から生じた隙を突かれて、通り過ぎた影の不意打ちを受けて尻餅を付く。振り返ると、少し離れたところに立っているゲンガーが、さっきまでガラガラが手にしていた二本のホネを手にしていた。
「ホネが? しまった”どろぼう”か!」
すぐに青年はゲンガーが何をしたのかに気付く。
ガラガラの他を凌駕する攻撃力向上は、”ふといホネ”を二本手にしていることが前提だ。それを失えば、ガラガラはありふれた凡百な攻撃力にまで一気に低下してしまう。
だが”バトンタッチ”で攻撃力を底上げされていることには変わりはないので、”ふといホネ”が無くてもカバー出来ると青年は踏んだ。
ところが、さっきまでの機敏な動きを凌駕する素早い動きでゲンガーは距離を詰めてきて、両手にそれぞれ握っている二本の”ふといホネ”でガラガラを殴り付けた。
「速い!」
素手でガラガラは対抗しようとするが、思いの外ゲンガーは”ふといホネ”の扱いに手慣れているのと手数重視のはずなのにぶつけられるホネの一撃一撃が重かった。
青年は気付いていないが、”かげぶんしん”で避けると同時にゲンガーは”みがわり”を生み出して本体である様に勘違いさせるだけでなく、”じこあんじ”を使って上昇したガラガラの攻撃力と素早さもコピーしていた。おかげでただでさえ速い素早さは大きく上がり、あまり高いとは言えない攻撃力もかなりのものとなっていた。
反撃を許さず両手に持った”ふといホネ”でガラガラを滅多打ちにしたゲンガーは、最後に両手にしたホネを投げ付けると交代する前に出ていたヤドキングの様に両手の間に紫色の影を集め始めた。
「決めるんだ! ”シャドーボール”!」
アキラの合図と同時に、ゲンガーは形成した紫色の球体を片手持ちに切り替え、華麗且つ素早いアンダースローな投球フォームで”シャドーボール”を放つ。数少ないゴーストタイプの中でも一級品の威力を誇る技を受けて、既に弱っていたガラガラは力尽きる。
鍛え上げてきたポケモン達と磨き上げてきた戦略が尽く打ち負かされていくのは信じられない光景であったが、それでも青年はまだ勝つことを諦めてはいなかった。
エリートトレーナーでありながら手も足も出ない完全な敗北の恐怖よりも寧ろ、純粋な勝利への渇望が強くなっていたのだ。
必ず勝ってみせる
決意を新たに再びハッサムを繰り出すが、ゲンガーと入れ替わる様に雷が具現化した存在が目の前に立ち塞がった。
アキラと手持ち達、持てる限りの力をフルに発揮してエリートトレーナーのポケモン達を寄せ付けない程の強さを見せ付ける。
今まで端的にしか四年後の彼らを描けていませんでしたが、今話と次話ではまだハッキリ明かせないのを除いて、どれだけ彼らに力が身に付いたのとどんな戦い方をするのかを可能な限り描いていきます。
下に初期段階も含めた今の彼らに至るまでの軽い経緯がありますが、飛ばしても構いません。残りは次回(夕方)です。
主要メンバーの軽い裏話1
アキラ
この物語の主人公。
「サッカーをやっている真面目な小学生」をコンセプトにしていたので、初期設定から性格を含めた基本的な部分はあまり変わっていません。
けれど、初期段階に書いた数話時点での彼の口調は今よりも若干礼儀に欠けていたり、手持ちの自由奔放さに我慢の限界を迎えて怒鳴ると言った荒っぽい面も顕著でした。
他にも今以上に元の世界へ戻りたい願望が強くて、独白で家族へ届くはずの無い手紙を考えたり、チャネリングと言う怪しげなテレパシーをして何故か元の世界の友人達と稀に交信出来るなどの展開も考えていました。
現在の彼のコスチュームは、レッドの服装に似ているのと色合いが青と黒などの対になっているイメージですが、今後ポケスペディア風に言いますとファッションⅣまで変わるのがほぼ決まっています。
2.5章ではちょっとした悩みが出来てしまいますが、そう遠くない内に来るであろう戦いに備えて手持ちの特訓とその悩みを解決しようと奔走する予定です。
サンット/サンドパン
アキラが連れている常識的で素直なポケモン。
今ではその誠実な性格故に、アキラにとっては欠かすことが出来ない存在ですが、初期段階ではゴローニャを考えており、カイリュー達と同じ問題児枠でした。
ですが初期段階の話を書き始めてから何年か経つにつれて「図鑑所有者が連れているポケモンと被るのは話の幅が狭まる」や「そもそも問題児だらけじゃ小学生の初心者が制御出来ない」などの理由が頭に浮かび、大幅な設定変更を行うと同時に大人しそうなサンドパンに変わった経緯があります。
レッドが一度だけサンドを繰り出していたことからもニドキングも候補にありましたが、アキラが連れるポケモン達の戦い方や今後担う役目、レッドの主力じゃないから問題無いなど考えている内にハッキリと常識人サンドパンのイメージが固まっていきました。
ちなみにアキラとは似た者同士である以外にも色々な所で意識している部分がある他、2.5章からとある大役を担って貰う予定です。
ヤドット/ヤドキング
アキラが連れている良識的で知恵が溢れるポケモン。
実はみずタイプなのは決めていましたが、初期段階の数話を書き始めた時点でも明確に決まっていませんでした。
なるべく時系列順に扱うと決めていた為、ヤドキングは全く考えていなかったことからラプラスかスターミーのどちらかが最有力候補でした。
しかし、ブーバーの戦い方が決まったことで定まり始めたアキラが率いるポケモン達の戦い方と、あるアニメを見てから頭は良いのにゲンガーとはくだらない喧嘩や役に立つ競争を繰り広げるヤドキングのイメージが浮かび上がったことでヤドキングが決まりました。
そしてヤドキングの加入が決まったことは、若干カイリューがどのタイミングに進化するのにも影響を及ぼしています。
2.5章からゲンガーとのライバル競争が、良い意味でも悪い意味でも更に過熱化していく予定です。
スット/ゲンガー
アキラが連れている悪知恵が働くイタズラ好きのポケモン。
設定変更で手持ちが変わる中で初期段階から考えていた手持ちでした。
イタズラ好きな性格や戦い方の基本は殆ど変わっていませんが、現在では描写していないのも含めて色々な設定や出来ることを追加したり組み込んだことで行動の自由度が高まっただけでなく戦い方もかなり派手になりました。
現在は何かあったらヤドキングがすぐに止める構図が浮かぶ様になっていますが、そうなる前までは物語を書いている自分自身でもゲンガーを止めるのに苦労していたので、その自由奔放さにアキラと同じく振り回されていました。
実はエックスがゲンガーを手持ちに加えた時に外そうか考えたことがありますが、既にゲンガー抜きでは成り立たないレベルにまで設定が固まっていたのと愛着が湧いていたので続投した経緯があります。
2.5章からはある程度説得力がある下地が揃ったのを前提に、とんでもない試みを幾つか始めさせる予定です。