遅れないみたいなことを言っておきながら滅茶苦茶おくれて申し訳ありませんでした。
今回から演習……なのですが、まずは最後の提督の話と金剛の回復の話ですね。
それではまたあとがきで。
待ちに待った演習の日。
横島は鎮守府の軍港で五人の提督達を待っている。その傍らには吹雪達秘書艦三人と車椅子に座った金剛の姿も見える。
「時間まであとちょっとかー。あいつらとは久々に会うな……」
腕時計で時間を確認し、横島は感慨深げに呟く。
アシュタロスとの戦いから、もうすぐ一年が経とうとしている。終戦後は横島も妙神山へと霊基構造の検査などで何度か赴いたものだが、ある時を境にぱったりとその機会は失われていた。
「たしか、他の司令官の方々とお知り合いなんでしたっけ?」
「ああ。何か妙なあだ名ばっかだけど、間違いないと思う」
“お猿”、“蝶の嬢ちゃん”、“大尉”、“お目々”――――全て、横島の知り合いの特徴と一致する。問題は最後の一人、未だ名前、その通称すら分からぬ相手だ。
「他の奴等がそうだから最後の一人も神魔族だと思うけど……一体誰だろ?」
「まず他の提督の方々が神様や悪魔って部分で意味分かりませんよね……」
横島の言葉に、大淀が遠い目をして返す。
神や悪魔と知り合いであるという目の前の少年。さらに現実世界での同僚は元幽霊であり、弟子は妖怪なのだそうだ。あまりの交友関係の広さに眼が眩む思いである。
「ヘーイ、提督ぅー」
「んー? どうした、金剛?」
金剛がか細い声で横島に話しかける。着任したばかりの時とはあまりにも違う弱々しい姿は、身体の痛みのせいか、それとも心の痛みのせいか。
「私、ちゃんと治るんでしょうかー……」
「だーいじょうぶだって。絶対治るからさー」
このやり取りも一体何度目になるのだろうか。
心身供に弱りきった金剛はかつてのような自信に溢れた言動を取らなくなった。自らの異常に気付いたあの日から数日が過ぎたが、身体は一向に良くならず、常に鈍痛を訴えてくる。
流石に当初のような刺すような激痛はなくなったものの、不意に霊力が高まるとまた同じ激痛が走ってしまうのだ。
横島は自らの師匠である美神に対処法を聞いていたのだが、やはり時間を掛けて治すのが最も良いのだという。妙神山の温泉のような霊体の回復が出来る施設や道具があれば良かったのだが、生憎とドックは肉体の傷しか治せない。
文珠を使えば一瞬で癒すことも出来るだろうが……それでは耐性が身に付かない。何とも悩ましいところであり、横島も天龍以上に苦しむ金剛の姿に何度文珠を使おうとしたことか。
「金剛にゃ悪いと思ってる。けど、これはお前の身体を考えてのことなんだ。あと少しだけ耐えてくれ」
「提督……」
横島は車椅子に座る金剛の前に膝を付き、目線を合わせて語りかける。口調はある程度軽いものだが、そこに込められた意思は真摯なものだ。
金剛もそれを理解し、頷いてみせる。今まで耐えてきたのだ。あとほんの数分耐えるのにどれほどの我慢が必要と言うのか。
この身体は治らないのでは……。そんな考えが金剛の脳裏を過ぎり、それが彼女を不安にさせている。何度も繰り返したこのやり取り。これは、完治するまで……そしてリミッターが付与されるまで、続いていくことになるのだろう。
「……そろそろ時間、か。ねえ司令官、本当に最後の一人に心当たりはないの?」
「……あー、あるっちゃあるんだが……」
重くなった空気を変えようとしたのか、先程の横島よろしく腕時計で時間を確認する霞が横島に問いを投げかける。それに対する横島はどうにも歯切れの悪い答えを返す。
「提督の一人が“大尉”ってことは、きっと
ぼそぼそと、横島はそんな独り言を呟く。皆に「最後の一人はきっと美形のお兄さんダヨ!」と説明して関心を抱かれては堪らない。ウチの艦娘はみんな俺のもんなんや!! というのが横島の心の内である。これは仕方ないね。
聞こえていたのか吹雪や大淀は苦笑を浮かべ、霞は呆れたとばかりに溜め息を吐く。金剛は「嫉妬する提督も可愛いネー」と、ちょっとだけ気分を回復させた。
「――――あとは……“
「ん……?」
何やら深刻そうな様子で呟いた横島に皆は疑問を浮かべる。可能性があるのは二人。そのどちらか、あるいはまた別の誰かなのか。横島に判断はつかない。
「――――最後の一人が誰か、じゃと?」
「……!!」
一体誰が来るのか、と考えを巡らせる横島の背後から、声が掛けられる。横島は雷に撃たれたかのような衝撃を受けると同時に、勢いよく振り返る。はたして、そこに居たのは一組の男女だ。
「最後の提督。それは――――わしじゃよ、小僧」
「お前は……!!?」
横島を越える長身に、老齢ながらも老いを感じさせない堂々たる体躯。風に翻るマント、その下の軍服は第一種軍装という、横島の白い第二種軍装と正反対の黒いものだ。
そう、彼こそは不老不死の薬を飲み、千年もの時を生きる天才錬金術師。数百年も昔から現在の科学力を超える発明をし、その名を全世界へと轟かせた“ヨーロッパの魔王”。その名は――――!!
「アガサはか――――じゃない、ドクター・カオス!! それに、マリア!?」
「誰じゃアガサって。というか何かえらい仰々しい説明じゃのー」
「お久しぶり・です。横島さん」
最後の提督。それこそはこのドクター・カオスである。
カオスの三歩後ろに佇む“マリア”と呼ばれた女性。彼女はカオスが造り上げた人造人間であり、カオスの最高傑作たる存在なのだ。
「最後の一人ってあんたかよ? ……まあ、でも納得だな。確かにじーさんは艦娘とか艤装とかの研究好きそうだし」
「イエス・横島さん。ドクター・カオス・海域の攻略より・研究の方を・優先しています」
マリアの言によれば、カオスは攻略よりも研究に熱心なようだ。何を優先するかは人それぞれ。その研究が艦娘達の役に立っているのならば、文句も言われないだろう。何よりキーやん達にも研究結果が伝えられるのだ。その恩恵は計り知れないだろう。
ずっと研究に打ち込んでいられるせいか、脳の働きも以前の冴えを取り戻してきたらしく、日々明石やもう一人の艦娘と研究開発に勤しんでいるようだ。
「……ところで、何か若々しくなってねーか……? もしかして若返りの薬でも作ったのか?」
「ん、いやー、それなんじゃが……」
どうやら以前よりも若々しくなっているカオス。横島は錬金術で若返り薬でも造ったのかと考えたのだが、何やらカオスは視線を逸らし、もごもごと言いよどむ。
知られたら何か都合が悪くなるのか、それとも別の理由が存在するのか。横島がそれを聞き出そうとするのだが、それよりも前に吹雪が横島の服の裾をちょいと引っ張り、関心を自分へと向けさせる。
「ん、と。どうした吹雪?」
「いえ、あの……。申し訳ないんですが、そろそろ私達にも紹介してほしいんですけど……」
「あ……。わりい、忘れてた」
吹雪に言われるまでうっかりと失念していた。大淀達に目を向けると皆うんうんと頷いて視線で紹介を促してくる。流石に割り込むことはしなかったようだ。
横島は改めて吹雪達に向き直り、カオスとマリアを紹介しようとするが……それにも、待ったが掛かってしまう。
「すまんの。それは後にしてもらおう。――――団体様の到着じゃ」
「膨大な神力・魔力を感知! この場に・出現します!!」
カオス、そしてマリアが
それは強大な力の持ち主が顕現する合図のようなものだ。光柱に数人分の人影が見える。それはゆっくりと光柱の範囲から歩み出る。
現れたのは五人の神魔族だ。
「ほう。あの時よりずっと強くなっておるな。後でどれほど腕を上げたか見てやろうかの?」
まず口を開いたのは横島と同じ第二種軍装に身を包み、頭に金の輪を嵌め、キセルを吹かす猿の姿をした神族。
天界屈指の武神であり、
「久しぶりだな、
第一種軍装にベレー帽を被った、獲物を狙う鷹の如き鋭い目をした女性。“大尉”こと、魔界正規軍
「ホントなのね~。
今回、横島がずっと待ち焦がれていた相手。金剛の特異体質を改善出来る存在。神族の調査官にして小竜姫の親友、百の感覚器官を持つ神界の覗き屋“ヒャクメ”。
「ヨコシマーーーーーー!!!」
「ぶわーーーーーーっ!!?」
「ふえぇっ!?」
我慢が出来なくなったのか、一人が勢い良く横島に飛びつく。それは吹雪達艦娘にも対応出来ないスピードであり、気が付いた時には横島は一人の幼い少女に押し倒され、ぎゅーっと抱き締められていた。
「久しぶりー!! この日が来るのをずーっと待ってたんでちゅよ!! 今日は私といっぱい遊ぶでちゅ!!」
「あだだだだっ!? こら、やーめーろパピリオ! 演習とかの仕事が終わったら時間が空くから、それまで我慢しろって!!」
「ぶーーーっ! ペットのくせにご主人様に逆らうなんて生意気でちゅ!!」
「ペット扱いはいい加減やめろっての」
口では横島の言葉に不満を表す少女であるが、彼女はそれとは裏腹にとても嬉しそうな顔で横島に頭を擦り付けている。丁度犬が匂いを付けているような状態だ。ただし、その力は横島の頬骨を削り尽くせるほどに強力なのだが。
彼女は横島の妹分。かつては三界全てを相手に戦争を仕掛けた魔神“アシュタロス”によって産み出された蝶の化身、“パピリオ”。
「んん~~~、ヨコシマ~~~」
「いででででで、削れるっ、削れるぅ……!?」
パピリオの甘えるという名の掘削攻撃に辟易とする横島であるが、彼の胸に去来する感情は喜びが大半である。
現在パピリオは妙神山にて小竜姫の弟子として修行を行っているのだが、横島と会うことは禁止されていた。これも罰の一つである。そうした理由もあって、こうして横島とパピリオが会うのは実に久しぶりのことなのだ。
嬉しそうに甘えてくるパピリオを可愛く思い、その頭を撫でてやる。すると今度は掌に頭を擦り付けるようにしてくるのだ。先程横島をペット扱いしていたパピリオであるが、これでは自分の方がペットのようである。
横島としては甘えるパピリオをこのままあやすのも悪くはないのだが、この後には演習が控えている。皆のことを自分の艦娘達に紹介もしたいし、ここいらで勘弁してもらおうと横島は身体を起こそうとする。だが、それよりも早く、横島に抱きつくパピリオをとある女性が抱え上げた。
「コラ、パピリオ! 予定が詰まってんだからそこまでにしときな!」
「あーっ!? あとちょっとだけ!! あとちょっとだけーっ!!」
パピリオの両脇に手を差し込んで持ち上げる、パピリオとは対照的に成熟した容姿の女性。
「……“蝶の嬢ちゃん”……パピリオが提督やってんだからさ、きっと
「……ああ」
身体を起こし、しかし座り込んだままの体勢で女性を見つめる横島は、普段とは違った感情を走らせる。それは、パピリオとじゃれていた時にも抱いていた感情の一つ。それは、罪悪感にも似たもの。
「ほら、いつまでもそうしてないでさっさと立ちなよ」
「おお、サンキュ」
女性は横島に手を差し出し、横島は女性の手を握り立ち上がる。
外見年齢も背丈も横島と同程度か、あるいは少々上にも見える。しかし、彼女はパピリオと同じく
「――――久しぶりだな、ベスパ」
「ああ――――久しぶりだね、ヨコシマ」
パピリオと同じくアシュタロスによって産み出されたパピリオの姉であり、
二人はしばし見つめあう。しかしそれは色気を含んだものではなく、互いにどこかぎこちない……遠慮のようなものが見られた。
吹雪達は二人の雰囲気に何も発することは出来ず、こういった場合色々とやかましくなりそうな金剛も口を挟もうとはしなかった。それはカオス達も同様である。
この二人の関係は、一言二言で表すには少々複雑が過ぎた。
「……女の顔をじろじろと見るもんじゃないよ」
やがて根負けしたのか、ベスパが照れたような口調で横島に文句を言う。それを受けた横島は「悪い悪い」と苦笑を浮かべ、やや躊躇しながらも口を開いた。
「あー、その。変わってないな、お前は」
「そりゃーね。魔族である私がたった一年そこらで変わるもんか。……そういうあんたは
「お、そうか? いやー、ベスパにそう言われると自信付いちゃうなー!」
なはは、と笑う横島。彼らしい返しであるが、やはりどこか彼らしくない姿に見える。それは吹雪達も同様で、何となく横島らしくない様子に首を傾げるばかりだ。
「……魔界正規軍での生活はどうだ? ちゃんとメシ食ってるか? 苛められたりはしてないか?」
「あんたは私のお母さんか!? ……大丈夫だよ。魔界は良くも悪くも実力主義だからね。世界滅亡まで後一歩ってとこまで持っていった私達は軍でも一目置かれてるのさ」
「!!?」
「そうなのか? それなら良かった」
「!!?」
ベスパの衝撃発言と横島の安堵の息に吹雪達は驚愕を浮かべるしかない。
「めつぼ……世界!? 良か……何がっ!?」
二人の関係を知らない者からしたら色々と理解が追いつかないことばかりである。世界を滅亡させようとしたらしい女性と親しげな横島。一体どのような関係だというのか……?
「あ、ああああああああの司令官。司令官司令官司令官」
「おおっ!? お、おおう、何だ吹雪、どうした?」
吹雪は横島の服の裾を強く引き、自分達の元へと引っ張り寄せる。横島はいきなりのことにこけそうになるが、持ち前のバランス感覚で何とか持ち直す。
ベスパは吹雪のことを咎めるでもなく首を傾げて様子を見ている。
「どうしたじゃありませんよ!? 世界が滅亡だとか後一歩まで持っていったとか、あの人はどういう人なんですか!? 司令官とはどういう関係なんです!!?」
「あー……いや、それがな。ちょっと説明するのがかなり難しくて……」
吹雪は器用にも小声で叫びながら横島を問い詰める。横島の周りを囲んだ大淀や霞も「うんうん」と頷き、説明を要求してくる。しかしそれに横島は答えを返すことが出来ない。――――否、話したくないと言うべきか。
「……まあ、その話はおいおいな」
「司令官っ!?」
「今は……まだ、話したくない」
「え……」
その時の横島の表情を、どう表せば良いだろうか。少なくとも、吹雪にはそれが分からなかった。ただ分かったことがるとすれば、それはこの話は横島にとってとても大きな意味を持つ話なのだということ。
横島の言葉から、いずれ話してくれるかもしれない。しかし、吹雪はそれがいつになるかが分からないのが歯がゆかった。未だそれだけの信頼を勝ち得ていない自分が、非常に情けなく思えてくる。結論から言えば、それは勘違いであるのだが。
これは信頼がどうという話ではないのだ。事実横島は吹雪に全幅の信頼を置いている。今この場で
あの戦いからもうすぐ一年。横島が過去を吹っ切る――――乗り越えるには、まだまだ短過ぎる時間しか経っていない。
「いつかちゃんと話すから。それは約束しとく」
「……はい」
はっきりとした拒絶。吹雪達はそれを感じた。話の規模が規模なだけに納得せざるを得ないのだが、それでもショックなものはショックだ。目に見えて落ち込む吹雪達に、横島は苦笑を零す。
「あー……とりあえず、この話はこれでおしまいな。ほれ、あいつらの紹介すっから」
「……忘れてました」
自分達をじっっっと見つめている他の提督達に顔を青くする吹雪。よくよく考えたらとんでもなく失礼なことをしでかした。カオス達は特に気にした様子もなかったが、吹雪達はカオス達に深々と頭を下げるのであった。
「さて、んじゃ軽く説明していくけど――――」
こうして始められた外部の提督達との挨拶。千年生きてる錬金術師だとかそれが生み出したロボットだとか斉天大聖だとか北欧神話のワルキューレだとか蜂とか蝶とか覗き魔だとか――――……。
「皆さん、とっても凄い人達なんですね!!」
吹雪は思考を放棄した。ぐるぐると回ったお目々がキュート。大淀は頭痛を訴え、霞はカオス達に畏怖の視線を向け、金剛は「oh……サ○ヤ人は実在したんデスねー……」とおバカな勘違いをする。モデルだから仕方ないね。
「ところでずっと気になってたんだけどさ。今日演習なのに何でお前らしかいないんだよ? お前らんとこの艦娘達はどうしたんだ?」
と、ここで横島が至極真っ当な質問をする。光の柱から現れたのはいずれも提督達。演習予定の艦娘の姿など影も形もなかった。そして、それに対する回答はこうだ。
「みんな向こうで今か今かと待っとる状態じゃな」
「え」
「思いの他話が長引いてしまったからな。まあ、こんな程度で焦れるような鍛え方はしていない。気にするな」
「え」
「みんな呼んでも良いでちゅか?」
「……よろしくお願いします」
こうして、新たに光の柱が五つ現れた。光の柱一つにつき六人の艦娘――――計三十人。それぞれが多種多様な制服を着用しており、ただそこに立っているだけでも壮観である。
横島達の眼前に整列した艦娘達。やはりと言うべきか皆が皆頗る付きの美人揃い。横島はそんな彼女達に目を奪われ、感嘆の鼻息を荒々しく噴射する。
「……?」
そして、吹雪はそんな横島に違和感を覚えた。だが、そのことについて考える暇もなく、立ち並んだ艦娘達の中から二つの小さな人影が躍り出た。
「こら司令! いつまで佐渡様を待たせんだよー!!」
「そうだぞ司令。この
「おぉっ!?」
飛び出したのは横島鎮守府に所属するどの駆逐艦よりも更に幼く見える二人の少女。彼女達はそれぞれ“佐渡”、“福江”というらしい。その二人は待ちぼうけをくらったことに対する文句を言いながら、自らの司令――――カオスに飛びつき、ぶら下がる。
「ノー・レディ佐渡・レディ福江・それ以上は・ドクターの腰が・砕けます」
いくら年の割りにはがっしりとした体格をしているとはいえ、老いた身体では子供二人分の体重も支えきれず、フラフラと倒れそうになってしまう。マリアはそれを防ぐためにカオスの背中を支え、その後佐渡と福江をそれぞれ片手でカオスから剥がした。
「ぶー! 私らはずっと待たされてたんだからこれくらいいいじゃんよー」
唇を尖らせて文句を言う姿はまさに子供と言ったところ。カオスと並べばそのまま祖父と孫にも見える。
「ほらほら、佐渡、福江。いきなり飛びつくのは危ないっていつも言ってるでしょう? 提督を困らせないで、いい子にしてなきゃダメよ?」
「ん゛んー……」
マリアに続き佐渡達をやんわりと注意し、元の場所に戻したのは年の頃なら二十歳前後の女性。黒く、サラサラのロングヘアーを風に靡かせた、優しい笑顔が似合う
「いつもいつも二人の世話を頼んでスマンのー、榛名」
「いえ、そんな。好きでやっていることですから、榛名は大丈夫です」
彼女の名は“榛名”。金剛型戦艦の三番艦であり、そして、カオスの秘書艦だ。
「oh、榛名! そちらでは建造されてたんデスねー!」
「え、その声は金剛お姉さ――――お姉様!? ど、どうされたんですかそのお姿は!!?」
他の鎮守府では」自分の妹が建造されていることを知り、嬉しく思ったのか金剛が車椅子をキコキコと操作し、榛名の元へと移動して声を掛ける。榛名は金剛の存在にようやく気付いたのか、車椅子に座っている金剛の姿に驚いたようだ。
そして、そんな金剛に驚いたのは榛名だけではない。
「金剛お姉様!? ――――ひええぇぇっ!!? い、一体なぜそんな姿にーーー!!?」
「入渠すれば障害も後遺症もなく完治するはず……!! どういうことなのです……!?」
今まで横島や秘書艦ズの後ろという位置関係上金剛の姿は見えなかったのであろう。新たに列から飛び出してきたのは金剛や榛名と同じ制服の二人。
金剛型戦艦二番艦にしてパピリオの秘書艦“比叡”、金剛型戦艦四番艦にしてワルキューレの艦隊の一人“霧島”。
こうして、それぞれ所属する鎮守府は違えども金剛型四姉妹は一堂に会するのであった。
「実はデスねー、とある戦いで――――」
「怪我をされたんですか!? 入渠はしましたよね!?」
「ひえぇっ!? も、もしかして入渠を許されなかったとかですかー!!?」
「可能性はありますっ!! そうでなければ艦娘がこのように歩けなくなるはずが……!!」
「いやあの、そうじゃなくて――――」
「お姉様の提督は……彼ですねっ!?」
「あの方がお姉様をこのような目に……!!?」
「それは違――――!?」
「うおおおおおっ!!! お姉様の仇ーーーーーー!!!」
「誰も話を聞いてくれませーーーーーーん!!?」
姉妹艦である金剛が痛々しい姿になっているのを見たせいか、姉妹に驚愕と動揺が走り、暴走状態になってしまったらしい。艦娘は入渠さえ出来ればどのような怪我も治ることや、横島鎮守府のように霊力の扱いに難儀するといったこともなかったのも大きな要因と言えるだろう。
金剛ラブな比叡は裂帛の気合と共に横島へと駆け出す。その目は『ビカーーーッ』と激しく光り輝いており、明らかに正気ではない。その唐突な動きや猛烈な勢いから誰も比叡を止めることは出来ず、既に横島の目の前に到達していた。
「一体なぜお姉様を入渠もさせずにこんな姿のままにしているのか答えてくださいよさあ早く比叡チョーーーーーーップ!!!」
質問をするのか攻撃をするのかどちらかだけにしてほしいものだが、極端な興奮状態の比叡にそんな複雑な思考は出来るはずもなく。横島に向かって不意打ち気味なチョップが振り下ろされる。どうやら霊力も使用しているらしく、その手は比叡の霊力光によって輝いていた。
「落ち着けっての」
「――――え……?」
しかし横島は比叡のチョップを左手でぺちんと弾き、攻撃を逸らす。比叡は何の手応えもなかったので何があったのか分からず、呆けてしまう。
「何やってるでちゅかこのアンポンタン」
「ひぇ゛っっっ!!?」
そんな比叡にパピリオが軽くデコピンを食らわせる。比叡の頭はその衝撃でグキッと首の骨が折れてしまったのではないのかというほどの勢いで仰け反ってしまう。
「~~~~~~っっっ!!?」
あまりの威力に比叡は額と首を押さえてドッタンバッタンともがいている。横島は比叡の短いスカートからパンツが丸見えなのでより荒々しく鼻息を噴き出すが、一連の行動を見ていた他の艦娘達はパピリオの底知れぬ力に背筋が凍る思いである。
「私のヨコシマに手を出すとは、いい度胸してまちゅねヒエイ……?」
「う、うぅ~~~~~~……!! だ、だってお姉様がぁ~~~~~~!!」
比叡の前に仁王立ちし、キッと睨みつけるパピリオに、比叡が涙目で言い訳する。姉妹の長姉が歩けなくなっていれば混乱もするし怒りも湧くだろう。金剛の状態に責任を感じている横島は比叡達金剛の妹達に何があったのかを詳しく説明する。
「申し訳ありませんでしたぁっ!!」
「あー、うん。いいよ別に」
「次はこんなもんじゃすまないでちゅよ」
「ちゃんと話を聞かないからこういうことになるんだヨー?」
「あんたが言わないの」
横島の前で深々と頭を下げる比叡達三人。榛名と霧島は比叡のように手を出してはいないが、横島を思い切り犯人呼ばわりしていたので謝罪を行っている。
当の横島本人は既に何も思うところはないのだが、パピリオと金剛はプンスカと未だにお怒り状態だ。金剛の言葉には霞のツッコミが入る。
「――――まあそんなわけでヒャクメに金剛にリミッターをつけてほしいんだが……」
「はいはーい! お任せなのねー!」
横島の頼みにヒャクメは快く応える。最近はあまり活躍の機会にも恵まれず、ずっとこんな時を待っていたらしい。
「おお……神の御業をこの目で見られるのか……」
そう呟きを漏らすのは斉天大聖の秘書艦、長門型戦艦一番艦“長門”だ。
斉天大聖は数々の仙術を操る神仙であるのだが、普段の彼は仙術を使うことはあまりない。金斗雲や毛を抜いての身外身の術――いわゆる分身の術――はよく使用しているが、こういった癒しの力は見たことがないのだ。
一体どのような形で神の奇跡が顕れるのか、長門は人知れず高鳴る鼓動を抑える。そして、遂に待ちに待った光景が――――!!
「――――はい、それじゃあそのまま動かないでねー」
ヒャクメは持ってきていたアタッシュケースを開き、吸盤型の器具を金剛の額にくっつけ、アタッシュケース内部のパソコンのような機械でカタカタとタイピングしながら金剛の身体を調べる。
「……神の……御、業……?」
まるで優れた科学技術である。それはとてもではないが神聖さは見て取れず、普通の……と言えば大いに語弊があるだろうが、とにかく普通の診察と何も変わらないように見えた。
「ふんふんふん……なるほどねー……」
ヒャクメは金剛の身体を調べ、
「ん、これで完璧! それじゃあ横島さん、金剛の身体を治してあげて」
「え、いいのか? こういうのはゆっくり治していかないといけないんじゃ……?」
横島はヒャクメの言葉に疑問を呈する。横島の疑問は尤もであるのだが、今回は特別なのだ。
「本来はそうなんだけど、今回はちゃんとリミッターが働くかを見ないといけないから。身体が完治するまでどのくらい掛かるか分からないしねー」
「……そうか」
金剛の額から吸盤を外しながらヒャクメは解説する。横島はそういうことならさっさと金剛の身体を治しておくべきだったと後悔しきりだ。
「何か……ゴメンな、金剛」
「謝る必要はありまセーン。提督は私のことを思ってくれていたんデスからー」
今も身体には痛みがあるだろうに、それでも金剛は横島に微笑みを浮かべる。横島は「エエ子や……!!」と感動の涙を流す。これも横島に対する金剛の愛の深さ故だろうか。
「今度埋め合わせするからな。俺に出来る事なら何でも……」
「あ、馬鹿っ!! そんなこと言ったら……!!」
横島は昂る感情のままに詫びるのだが、些か以上に選んだ言葉が不味かった。
「ふふふ……!! 言質は取ったデース……!!」
「ああっ、しまった……!?」
霞が止めるのも間に合わず、横島は金剛に言ってはいけない言葉を使ってしまったのだ。現在金剛の瞳は『ギュピアアアァァァ!!!』とそれはもう輝いている。これには大淀も呆れるばかりだ。吹雪は横島を横目で睨みながら「ぷー」と頬を膨らませている。
「ええい、今は考えててもしょうがない! とにかく金剛の身体を治しちまおう」
場の空気を変えるために横島は気合一発文珠を新たに二つ創り出す。ストックでは金剛に何となく申し訳なく、新たに創った方が彼女への気持ちをより強く込められるからだ。
横島の左右の掌に翡翠の輝きが迸り、それが集束していく。やがてそれは球形の殻を形成し、横島の純粋で強力な霊力で満たされる。
「おお……!! か、神の御業か……!!」
横島の行っていることは無から有を創り出している様に見え、その神々しさから長門は感嘆の息を吐く。今までここまで横島が好意的に見られたことがあっただろうか。これには長門だけではなく他の艦娘も驚いた。
二つの文珠に込められた文字はそれぞれ『快』と『癒』。優しく、穏やかな治癒をイメージした結果だ。
横島は文珠を金剛に発動。金剛は翡翠の光に数秒ほど包まれ、それが収まった頃にはすっかりと身体から痛みはなくなっていた。
「お、おぉー……! 痛みがなくなりまシター……。凄いデース提督ぅー!!」
「うおぁー!? こ、ここじゃイヤーーーーーー!?」
「お、お姉様ーーーーーー!?」
車椅子から徐に立ち上がった金剛は軽く身体の調子を確認し、完全に痛みが取れたことに驚き、そして喜びや敬愛、胸の奥から湧き上がる愛から横島に抱きつき、勢いあまって押し倒してしまう。
金剛のあまりの大胆さに各鎮守府の艦娘達は黄色い悲鳴を上げ、比叡は絹を引き裂くような悲鳴を上げる。自分達の鎮守府にも金剛はいるのだが、それはそれこれはこれ、ということらしい。
「お、お姉様ったら、大胆……!! ――――榛名も……」
榛名は金剛の行動に頬を赤く染めながらも、ちらりと目線を移動させる。
「榛名も……提督と――――」
その視線の先、そこには「若いっていいのー」と、どこから用意したのかお茶を啜っているカオスの姿があった。
カオスは榛名の視線に気付き、同じく視線を合わせる。じっと見ていたのが気付かれたことによって恥ずかしくなったのか、榛名はばっと目を逸らす。
……カオスは榛名の視線の意味を感じ取り、こちらも気恥ずかしそうに目を逸らして頭を掻く。
「はいはい。嬉しいのは分かったから霊力を全力で放出してみてねー」
「ah……忘れてまシター」
「一番重要なとこだろーが!?」
どんなに重要なことでも横島とのスキンシップの前には霞んでしまうのだ。金剛は残念そうに横島から離れると、他の艦娘に危害が及ばないように少々距離を取る。
「では早速いきマスヨー!! ――――ハァッ!!!」
気合を込め、全身から霊波を放出する金剛。その圧力はかなりのものであり、ワルキューレやパピリオも感心するほどのレベルである。ちなみにヒャクメは「キャーッ!?」と叫んですっ転んだ。
金剛から立ち上る二色の霊力光はその激しさを増していき、周囲に爆風を齎す。出力はこれ以上は上がらない……。リミッターが正常に機能しているのだ。
「く……っ!! 凄まじい霊力だ……!!」
長門は金剛の発する霊波の強大さに驚くも、その口角を徐々に吊り上げていく。金剛との演習を想像したのだろう。強者との戦いは長門が欲するものの一つである。金剛ほどの力を持つ者と戦えることが嬉しいのだ。演習なので死ぬこともないし。横島はどこかから漂ってきたバトルジャンキーの匂いに身震いした。
「ふぬぬぬぬぬ……!! た、確かに……あの時みたいにはならないみたいデスねー……!!」
霊波を全力で放出する金剛が、やや苦しげに話す。全身に力を込めながら話すことに慣れていないせいだ。今も尚全力だ。――――しかし、
「流石は神様デース……!! ――――
「!?」
どういうわけか金剛の中のやる気スイッチがオンになったらしく、目的を完全に履き違えた台詞が金剛の口から飛び出した。
「これが……私のMax Power……!!」
金剛の二色の霊力が一つに合わさっていき、やがて完全に融合して桃色の霊力光となる。瞬間、金剛の中のリミッターが軋みを上げた。
「う、嘘……!? 私が付けたリミッターが破られる……!?」
「今……!! 私の提督へのLoveは神の力をも超えるのデース!!」
「超えんでいい」
「アーーーーーーオッ!!?」
ヒャクメが驚愕し、金剛がいい感じになっていたところに入る横島の
「何するデース提督ぅ!?」
「そりゃこっちの台詞だっつーの。ようやく身体が治ったってのに、また同じことを繰り返す気かお前は」
横島の尤もな言葉に金剛は何も返せない。ヒャクメの力を超えるほどの自分への愛は嬉しく思うが……それでまた自らの身体を痛めつけられるのは絶対に許容出来ない。
どうも妙なところで暴走してしまう悪癖が金剛にはあるようだ。横島に叱られた金剛は、しょんぼりとした様子で正座している。またも横島の想いを裏切る所だったのも原因の一つだ。今回を最後に落ち着いてほしいものであるが……本人にも、改善できるかは分からない。
「ま、こうして身体も治ったし、演習が終わったら宴会でもするか? 金剛の完治祝いってことで」
「て、提督ぅ……!!」
やがて仕方ないとばかりに苦笑を浮かべた横島がそう提案し、大淀に確認を取る。彼女も苦笑を浮かべていたが、その結果は了承。吹雪は何事もなく(?)解決したので笑顔を浮かべ、霞はもうずっと呆れた様子で溜め息を吐きまくっていた。
「……すまんがもうちょっと頑張ってくれ」
「分かってるわよ……あと頭を撫でるな」
ぽんぽんと労わるように霞の頭を撫でる横島から、霞はぷいと顔を背ける。羨ましそうにしていたので吹雪の頭も一緒に撫でる。ことらはとても嬉しそうにふやけた笑顔を浮かべてくれたので、横島もほっこりとした気分になる。
その隙にヒャクメは金剛のリミッターの微調整を行っていた。
「強い霊力は諸刃の剣でもあるんだから、慎重にいかないとダメなのねー」
「すいまセーン、ヒャクメ様ー……」
「私はいいけど、後でちゃんと横島さんに謝らないとダメよー? 彼、ああ見えてあなたのこと物凄く心配しているんだから」
ヒャクメは横島の心の内を読んでいる。ある意味、彼ほど艦娘を心配している提督もいないだろう。
「横島さんのことが好きで、役に立ちたいって気持ちは分かるわー。でも、それで自分の身体を蔑ろにするのはダメよ」
「うう……」
「さっきのも私が付けたリミッターを超えることで横島さんへの愛情の強さを示そうとしたんだろうけど、そのせいで自分の身体を傷付けていたら、それこそ横島さんに嫌われちゃうのね。――――横島さん、そういうの
ヒャクメの言葉には金剛では窺い知れないほどの重さを感じた。
「
「――――!!」
それは、金剛が無意識の内に抱いていた利己的なまでの感情だ。
金剛の前世である戦艦タ級……の前身である、艦娘の誰か。その艦娘は自らの想い人に気持ちを伝えることが出来ずに深海棲艦となってしまったのだ。
そういった未練があったから、その誰かはこうして金剛として生まれ変わったのかもしれない。自らの恋情、愛情を声高に示す、情熱的な女性として。
ヒャクメはそれを見抜いたのだ。彼女の持つ心眼。それは人の心どころか、その前世すらも読み取ることが出来る。ヒャクメは金剛の危うさから、それを教え、導こうとしている。
ヒャクメの言葉は金剛に衝撃を齎した。死ねばそれで終わり。自分は艦娘から深海棲艦に、そしてそこからまた艦娘として生まれ変わった。前世のことは断片的にしか覚えていないか、はたして今のような性格であったのだろうか?
ここにきて、金剛は自らの行為の危うさを自覚する。金剛の行いは自分の身を危険に晒すものばかりであった。心のどこかで、“死んでも大丈夫”といった意識があったのかもしれない。
「ありがとう、ございマス……ヒャクメ様……」
「どーいたしまして。ほら、いつまでも正座してないで横島さんの所に行って来るのねー」
「……ハイ!! 金剛、出撃しマ――――ああああぁぁぁ!? 脚が痺れええええぇぇぇ……!?」
ヒャクメの言葉に感動し、感謝し、横島に謝罪をしに行こうとした金剛は脚の痺れの前に撃沈してしまった。これにはヒャクメも苦笑い。
横島は脚の痺れで倒れた金剛を呆れた眼差しで見やると、「しょーがねーな」と言って、彼女の手をとってゆっくりと立たせてやる。腰に手を回し、自分の身体に引き寄せて金剛を支えると、小さな声でこう言った。
「お前は俺のもんなんだから……もう変な無茶はすんなよ」
流石に照れ臭かったのか、目を逸らしながらのその言葉は、金剛の心を激しい衝撃を伴って貫いた。
それは横島としては当たり前の言葉。建造され、目の前に現れた瞬間から……否、もっと前から、横島にとって金剛は自分のものなのだ。
そしてその言葉は、前世から――――誰かの頃から、ずっと求めていた愛の言葉。
――――金剛の愛は、このたった一言で報われたのである。
身体が歓喜で震える。金剛は双眸から涙が溢れそうになるのをぐっと堪えると、横島にとびきりの笑顔を以って答えた。
「ハイ。――――愛してマース、提督」
この日を境に、金剛は自らの身を厭わぬ行為は鳴りを潜めることになる。そんなことをしなくても、自分の愛を受け止め、愛を返してくれる者が存在するのだ。
今までも、そしてこれからも。金剛の愛は、燃え上がり続ける。
各鎮守府の艦娘達の思いは一致していた。
「私達、いつまでこのまま待っていればいいんだろう……?」
彼女達は放置されながらも、活躍の時を待っている――――!!!
第三十六話
『わしじゃよ』
~了~
青葉「……」パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ
秋雲「……」カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ
青葉「どもっ! ヒャクメ様の秘書艦の青葉ですっ! よろしくお願いしますっ!」
秋雲「同じく、ヒャクメ様の秘書艦の秋雲さんだよ! よろしくね!」
長門「……もう本編は終了したのだが……」
青葉「」
秋雲「」
ヒャクメは有能Part2(挨拶)
そんなわけで最後の提督はカオスでした。
各鎮守府のメンバーは次回で明らかになります。多分。
カオスを煩悩日和に出すに当たって誰かヒロインになってもらおうと考えました。
カオスにお似合いの艦娘か……誰がいいかな榛名だな(神速のインパルス)
……何か分かりませんがパッと思いついたんです。何かで見たのかな……?
他に思いついたのは陸奥と大和でした。こっちは王道な感じですね。
次回以降は各鎮守府と演習を行いながら内情の描写とかでしょうか。
あとちょっとしたサプライズ的な展開も……?
サブタイは『全提督入場!』や『全艦娘入場!』にしようと思いましたが、提督は横島含めても六人だし艦娘だと三十人だしで面d(ry
なのでよりネタ度が高い『わしじゃよ』にしました。
でも正直内容でのインパクトが薄い……
ダラダラと長くなってしまいましたね。
それではまた次回。