川崎家でごちそうさま。暫しリビングでけーちゃんとお絵描きなどして過ごした。
″バイバイ″と小さな手に見送られ玄関先、上がり框に腰掛け靴を履きながら川崎さんと話している。
「今日は色々ぁりがと。朝からずっと助けてもらって...ご飯も凄くおいしかった。」
制服越し、膝の手当て跡にスッと白い手が伸びる。
『痛み、平気?』
「うん、もぅ痛くないよ。」
『朝から色々あったね。気にしないで、私がしてあげたかったんだし。』
お互いに思いを交換し合うと今日の出来事が頭の中を駆け巡り少し時間が止まる。
『ねぇ。』
川崎さんの声が時間を再生させる。
『また、遊びに来てくれる?』
「...いいの?」
『うん、私も楽しかったし。』
「...あの...部屋での事...」
『内緒...でしょ?』
背中からギュッと川崎さんの体温に包まれる。うー...恥ずかしいってば...
「...もぉ...約束。」
『約束。』
「むぅ...」
僕の耳に頬を擦り寄せ手を取ると小指を絡ませてくる。
『やくそく、ね。○○。』
「......はりせんぼんだょ...」
ギュッと小指に力を込めるとそれに彼女の小指が答える。
「...もぅ、おしまい...」
『ふふ。』
「くすぐったぃょ...沙希。」
パタパタと顔を手で扇ぎ立ち上がる。
『また明日ね、○○。』
「うん。また明日。」
胸の位置で手を振り川崎家を後にした。
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帰り道、夜7時を過ぎていた。
街灯が等間隔に夜道を照らし僕の家まで道しるべをしてくれている。
大志「あっおにいさん!」
「あっ大志くん。」
勢い良くかけてくる男の子は大志くんだった。
「遊んでたの?」
大志「そうなんすよ、ちょっと遅くなちゃって姉ちゃんから催促の電話が...」
「はは、そーだったんだ。大志君用にご飯作ってあったよ。」
大志「実はお腹も減っちゃってて、あはは。」
「美味しかったよご飯。」
大志「おにいさん食べてってくれたんですか?」
「うん、ご飯作ってくれたんだ。」
大志「そーだったんすねっ♪姉ちゃん友達連れてくるなんて今まで無かったんで、嬉しいっす俺も。」
なんか意外...面倒見が良いって言ったらちょっと変な言い方かもしれないけど...
大志「その、これからも姉ちゃんと仲良くしてほしいっす。」
「そーだったんだ。うん、僕なんかで良ければ。」
大志「とりあえず姉ちゃんに怒られちゃうんで今日はこの辺で!また来てくださいねっ!」
″じゃっ!″と別れ際に手を振ると球技でもやっていそうな彼の体は川崎家へと猛ダッシュしていった。
登校日一日目が終わる。
僕は川崎沙希と友達になった。