水色デイズ   作:パントマイム

11 / 20
お世話焼きさん達の朝。

遅刻ギリギリで迎えた入学初日。

色々反省...

 

今日は目覚ましに起こされることもなく自然に起きれたぁ...よしっ

 

えっと、今日は対面式だっけ。

 

玄関を開けて射し込む朝の景色、気に入っている。

 

坂と階段には少し不満だけど、この景色はここでじゃないと見れないしね。

 

 

今日は焦らずのんびり歩ける。

 

 

 

沙『おはよっ』

 

 

 

T字路から水色の髪を靡かせた長身のクラスメイト。今日は死角にならない塀に寄りかかりそこに立っていた。

 

 

「ぉはょ、早いね。」

 

 

沙『お互いね。一緒に行こ?』

 

 

「ぃぃょ。」

 

 

そっと側に並ぶ彼女の水色の髪からシャンプーの甘い匂いがほのかに香る。

 

 

沙『昨日帰り道で大志と会ったんだって?』

 

 

「うん、お腹すいたーって言ってた。 」

 

 

沙『電話したら急いで帰ってきたよ。遅いって言ってあげたけど。』

 

 

「別れ際凄いダッシュだったょw」

 

 

沙『汗だくだったもんあの子w』

 

 

お互い昨夜の大志くんの様子に笑みを浮かべる。

 

 

 

沙『ネクタイ、曲がってる。』

 

 

「あっ...」

 

 

 

ふと歩みを止めた川崎さんは背後から僕の両肩に手を延ばすと不恰好なネクタイへ向けて両手を進ませる。

 

彼女の匂いが背後から直に伝わってくる。うぅ...ちょっとぉ...

 

タイは彼女の細い指によってスルスルとほどかれると身体を密着させたまま結び直されていく。

 

 

「んぅ...ちょっと...」

 

 

沙『動かない。』

 

 

「恥ずかしいってば...」

 

 

沙『教室でやってあげても良いんだけど?』

 

 

耳元へ向けて発せられた彼女の提案に首を縦に振ることは出来なかった。

 

 

「ネクタイ...苦手...」

 

 

沙『出来た。』

 

 

「ぁりがと...」

 

 

なんか毎回ペース持ってかれっちゃうな...

 

 

学校に近づくにつれて校門を目指す総武生の数が増え始める。

 

 

 

 

 

戸「っべ~♪お二人さんおはよーっしょ~♪」

 

 

「あ、戸部くん。おはよー。」

 

 

沙『どーも。』

 

 

戸「あんれー?二人とも電通じゃない系~?」

 

 

「うん、徒歩通。15分くらいかなぁ?」

 

 

戸「近くて良いでしょ~♪こちとら稲毛からダッシュでしょぉ☆」

 

 

その場で手足をブンブン振り回しヘアバンドで纏めた茶髪を靡かせて見せた。

 

 

「戸部くん体育会系っぽいね。」

 

 

戸「俄然サッカー部希望っしょぉ♪」

 

 

「僕はまだなんも決めてないやぁ。」

 

 

そんな他愛もない会話が三人の歩みを緩ませるとゆっくりと校門をくぐらせる。

 

 

三『あ~☆居た居た~♪みんなおはよ~だしっ♪』

 

 

背後からの声に三人が振り向くと三浦さんがこちらに向かってきた。

 

 

戸「ウィー♪優美子オハッしょぉ☆」

 

 

沙『おはよっ』

 

 

「三浦さんおはっ...うおぁっ」

 

 

挨拶の途中、三浦さんによる抱っこが敢行。

 

 

三『うひひー♪捕まえたっ☆』

 

 

「ちょっちょっとぉ...三浦さんっ」

 

 

脇の下を両手で持ち上げられニカッと笑みを向けられ恥ずかしさの余り目線を反らす。

 

 

三『川崎さんばっかズルいって言ってんじゃん♪』

 

 

沙『ふふっ』

 

 

戸「優美子朝から大胆だゎ~♪○○くんタジタジっしょぉ☆」

 

 

「もぉ~みんな見てるからぁっ」

 

 

フワッと体を地に降ろされると三浦さんの艶やかな髪が頬を撫でる。

 

 

三『おはよ○○っ』

 

 

頭をクシュっと一撫でされ乱れた制服を正される。

 

 

「むぅ...ぉはょ。」

 

 

膨れた表情に満足気な三浦さんを先頭に四人はペタペタと上履きを踏み鳴らし我がクラスを目指すのだ。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告