水色デイズ   作:パントマイム

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ちゃんと繋いでて。

対面式が終了し、緊張感の解けた体育館。

 

ゾロゾロと出入口に近いクラスから退場していく。

 

 

「終わったぁ」

 

 

雪『そうね、長い時間立っているのは少し疲れたわ。』

 

 

うちのクラス、最後尾組の″茶″黄″水″色の三人も出入口に向かい始め雪ノ下さんと僕も出入口へ歩きはじめた。

 

 

雪『貴方のクラス、派手な髪色の人達が多いわね...』

 

 

「あぁ...」

 

 

きっとあの三人を見てたのかな...

 

 

雪『...参考書の件、調べておくわね。』

 

 

「うん、よろしくね。雪ノ下さん。」

 

 

後日僕が雪ノ下さんのクラスへ参考書の候補を聞きに行く形でなしをつけ階段でお別れした。

 

 

雪ノ下さんって頭良さそうだなぁ...

 

 

C組に戻ると廊下席の二人からの″お帰りー″のお出迎えに″ただいま″で返す。

 

少し立ち疲れた足を放りペタンと腰を降ろす。

 

 

沙『疲れちゃった?』

 

 

「うんっ」

 

 

背中をツンツンされ振り向いて本音を溢す。

 

 

沙『今日も寄ってく?』

 

 

「んー...また寝ちゃいそうだょ。」

 

 

沙『私は構わないよ?』

 

 

寝顔でも思い出されたのか笑みが含まれている。

 

 

「...暇は暇だけど。」

 

 

沙『ならのんびりしてってよ。』

 

 

「...耳はダメだよ?」

 

 

川崎さんはニコッと笑みを魅せ頷いて答えた。

 

 

HRが滞り無く終ると新学年の二日目の早い帰宅。

 

 

戸「うっし~サッカー部サッカー部っ♪」

 

 

三『アンタ朝からソレばっかだしっ』

 

 

「部活かぁ、僕どーしょ。」

 

 

三『○○はあーしと帰宅部♪』

 

 

「えー...」

 

 

グズる僕を横目に身体を擦り寄せてくる三浦さん。

 

「もー...」

 

朝の件といい...困る...川崎さんはこーゆー時助けてくれないし...

 

四人で廊下を歩きながら途中戸部くんと別れ三浦さんと川崎さんに挟まれ校門をくぐる。

 

 

三『んじゃーね○○♪川崎さん♪』

 

 

モデルみたいな長身の三浦さんに手を振り川崎さんと二人で歩き始める。

 

 

沙『三浦さんに気に入られてるねっ』

 

 

「三浦さん僕の事からかいすぎ...」

 

 

沙『フフッ可愛いから。』

 

 

三浦さんと違う匂い、今朝一番に包み込まれた川崎さんの匂いが隣から香る。

 

 

「......沙希もからかうし。」

 

 

沙『○○は私の。』

 

 

そっと手を握り僕の心臓を跳ね上げさせる。

 

 

「っ......」

 

 

沙『嫉妬、しちゃうよ?』

 

 

「なんでょ...」

 

 

沙『ドキドキしてるでしょ?』

 

 

「...し、してない。」

 

 

川崎さん学校の時と二人の時全然違う...

 

 

沙『でも今朝三浦さんにドキドキしてたでしょ?』

 

 

″ふーん″と意地悪そうな顔で僕を見ると繋いだままの小さな僕の手を優しく握る。

 

 

「...びっくりしただけっ」

 

 

紅く染まる頬を川崎さんに一番見られてる気がする...

 

 

沙『その顔、可愛い。』

 

 

「...ぅるさぃ...」

 

 

ムスッと早歩き、横断歩道を手を繋いで渡る。

 

 

沙『でもみんなの事好きでしょ?』

 

 

「...好きだよ。」

 

 

沙『なら仲良し、出来るよね?』

 

 

「...うん。」

 

 

沙『私も楽しいし、同じクラスで。』

 

 

少しだけ、ホッとした表情を浮かべる川崎さんにドキッとした...

 

 

「僕も...楽しいよ。」

 

 

繋いだ手をギュッと握り返すと優しい風が彼女の水色と″ありがとう″を僕に届けてくれた。

 

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