水色デイズ   作:パントマイム

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僕の家で過ごす時間。

「今日は夜ご飯用意してるみたいだから。」

 

 

沙『そっか、それなら仕方ないね。 』

 

 

「また...次にでも。」

 

 

今日は大志くんや京華ちゃんと会わず終いの川崎家の玄関で別れ際、少し沈んだ表情の川崎さんに″次″という言葉を贈った。

 

 

 

 

沙『じゃあ次、○○の家行きたいな。』

 

 

 

 

---------

 

そんなやり取りをした昨日。そして今、普段なら一人で自宅へ向かう下校ルート。

 

 

沙『家の人は?』

 

 

「いつも帰り遅いから、誰もいないょ。」

 

 

帰りのSHR後、なんの素振りも見せず自然に一緒に帰る流れ。そこまでは普通だったんだけど...

 

川崎さんはいつものT字路を曲がらずに僕の横を歩いていた...

 

 

沙『女の子、部屋入るの初めて?』

 

 

「......。」

 

 

沙『じゃあ私が一番だね。』

 

 

自宅から伸びる階段に脚をかけ振り向き様にそう言うと僕を毎回ドキッとさせる笑顔を見せた。

 

 

沙『へぇ、ホントだ。景色良いね。』

 

 

「僕のお気に入りだょ。」

 

 

高台から優しく吹き込む風は水色の髪を撫でた。

 

 

「ただぃま。」

 

 

沙『おじゃまします。』

 

 

背後から僕の肩に両手を沿え川崎さんが 後に続く。

 

 

「2階だょ。」

 

 

沙『うん。招かれちゃうね私。』

 

 

「...変な言い方しないでょ。」

 

 

沙『連れてって?』

 

 

「むぅ...」

 

 

差し出した手を掴み2階へと階段へ進む。

 

変な感じ...川崎さんが僕の家に居る...

 

 

「...どうぞ。」

 

 

沙『綺麗だね、部屋。』

 

 

「そうかな...?」

 

 

沙『男の子の部屋入るの初めてだけどね。大志の部屋は汚いし。』

 

 

心のどこかでホッとしちゃった...

 

 

沙『ホッとした?』

 

 

「べ、別に...」

 

 

顔に出ちゃってたかな...うぅ...

 

 

沙『私のために綺麗に掃除してくれたのかな?』

 

 

「それは...初めてだから...したょ。」

 

 

沙『偉いね。』

 

 

ぎゅっとされ包まれていく。

 

 

「ん...ちょっと...」

 

 

沙『嬉しかったから。』

 

 

「......。」

 

 

川崎さんの甘い匂いが伝わって身体が奪われていく感覚。

 

 

沙『よしよし...』

 

 

見上げる頭にそっと手を沿えられトクトク心音が川崎さんに伝わってしまう。なんか自分の部屋なのに緊張してる...

 

 

「恥ずかしぃょ...」

 

 

沙『褒めてあげてるんだよ。』

 

 

「ゎかってるけど...」

 

 

心音が恥ずかしくなりクィっと身体を離すと解いてくれた。

 

 

沙『いつもこのベッドで寝てるんだ?』

 

 

「うん、そうだょ。」

 

 

ベッドに腰を下ろすと″ふかふか″と言いながら身体を横にして伸びをする。

 

 

「なにか飲む?下行くけど。」

 

 

沙『同じのでいいよ。』

 

 

「わかった。」

 

 

一旦飲み物を取りに下へ向かう。なんか女の子が部屋に居るってドギマギする...

 

グラスにアイスティーを二人分用意し川崎さんの居る自室へ。

 

 

「アイスティーで大丈夫?」

 

 

沙『うん、ありがとう。』

 

 

腹這いで頬に手をついて僕のベッドの上で寛ぐ川崎さん。居心地は悪くないのかな?

 

 

沙『ねぇ、こっち来て?』

 

 

「え...?」

 

 

沙『こっち、ほら。』

 

 

「...なに?」

 

 

手招きをしてベッド手前の空いたスペースにポンポンと指すと手を引き背中を取られる。

 

 

沙『私のわがまま、ちゃんと聞いてくれるんだね。』

 

 

「こないだお邪魔したし...」

 

 

沙『仲良し、してくれるんだ?』

 

 

「......ぅん。」

 

 

背中に伝わる川崎さんの体温と感触。

 

 

沙『今度勉強とかも一緒にしよ?』

 

 

「...ぃぃょ。」

 

 

川崎さんと過ごす時間は緊張を程好く溶かしてく様だった。

 

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