総武高校1年、新しい学校生活が始まる。
僕は初登校日に寝坊しちゃって初日から朝ダッシュ....そして女の子とクラッシュしてしまった。
そんなにパン少女とかテンプレって言わないでよ、実際起きちゃったんだから....
川崎沙希
彼女は同じ総武の1年生で、モデルみたいに背が高くて髪は水色、腰辺りまで伸びるポニテ。
正直″頼ってしまいそう″な凄い綺麗な女の子。
沙『ほら、1年は3階だって。』
「まだ先は長いみたいだね、アハハ....」
昇降口、しゃがんで鞄から真っ白な上履きを取り出す。
んぅ...ちょっと痛いなぁ...
無意識に膝を庇ってしまっている。
上履きに足を通し見上げたそこに手が差し出された。
沙『おんぶしよっか?』
「い、いーよっ平気だょっ」
沙『ふふっ』
薄くリップを施した口元が右肩に上がる。
「ぁりがとっ....」
差し出された手を取り二足歩行開始。
僕の少し前を歩きながら水色の髪を靡かせる。
そんな彼女の足取りに無意識に早歩きになってしまう僕を後ろ目に足の歩みを緩めてくれる。
沙『アンタ、小さい頃の大志にそっくり。』
ボソッと呟くようにほくそ笑み僕に伝えた。
「え?大志って?」
沙『私の弟だよ。』
「へぇ、川崎さん弟居るんだね。って弟扱いっ!」
沙『なんか可愛いからさ。』
「う...もう、なにそれっ」
ムッと膨れ階段の踊り場インコース狙いで靡かせる髪を追い抜く。
沙『怒ったの?』
「怒ってないっ」
あやすような彼女の問いに逆撫でされちょっと素っ気なく答える。
沙『ごめんねっ。ほら、C組はこっち。』
勢い良く階段を登り終り左右に首を振っていた隙に腕を掴まれて形勢逆転。
「......っ」
沙『仲良くしてよ○○。ね?』
「...うん。」
そう答え僕はまた彼女の背中を追うのだ。
長い廊下、3階の各教室には総武高新入生がワイワイガヤガヤソワソワしている。
中学校の倍以上広いのかな...探検出来そう。
沙『あっもう整列しちゃってる、行こっ。』
「ぅおあっ」
まだ整列していないクラスを歩きながら見ていた視点が残像のように加速し始めた。
沙『とりあえず鞄だけ教室の後ろに置いて、付いていかなきゃ。』
そう言うとぐっと僕の手を掴んでC組の列に突撃をかける川崎超特急。
「ろ、ろ~かは、走らない~っ」
沙『アンタが遅いのっ』
風に靡かれるイッタンモメンの発する声は虚しく、正論が論破されてしまった。
京葉線快速C組行は無事に教室に着くと鞄を放り列の最後尾へと連結する。
僕の高校生活はまだ始まってもいなかった。