水色デイズ   作:パントマイム

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二人でごはん。

時刻は夕方に差し掛かり日が落ち始めていた。

 

川崎さんに包まれ顔を紅く染めながらトボトボと相づちを打つ。

 

ご飯どーするって聞き出せない...なんか恥ずかしい...

 

 

沙『なんか言い出せないでいる?』

 

 

「...別に。」

 

 

沙『夜ご飯、一緒に食べたいな。』

 

 

なんでわかっちゃうんだろ...

 

 

沙『私が作ってあげる。』

 

 

「え...」

 

 

沙『お手伝いしてくれる?』

 

 

「うん...」

 

 

川崎さん料理上手だよね、僕全く出来ないからちょっとホッとしたけど...

 

 

沙『台所、借りさせてもらうけど良い?』

 

 

「うん、いいよ。」

 

 

沙『今度お母さんにお礼しなきゃね。』

 

 

「い、いいよそんな。」

 

 

沙『キッチンは女の城なんだよ?』

 

 

「なんか聞いたことあるけど...」

 

 

沙『使わせてもらってありがとうございましたって。ね?』

 

 

「...うん。」

 

 

沙『よし、案内して?』

 

 

「ゎかったょ。」

 

 

クシュクシュされた後身体を起こすと川崎さんを連れてキッチンのある一階へ向かう。

 

 

 

--------

 

腕を捲りキッチンに立つ川崎さん。僕はキッチンカウンター越しにハイチェアーに座り脚をプラプラさせながら二人で献立を決める。

 

 

沙『なに好き?』

 

 

「......オ...オムライス。」

 

 

沙『フフッ京華とおんなじ。』

 

 

「好きなんだもん...」

 

 

沙『私も得意だよ。作ってあげるから。こっちおいで?』

 

 

「むぅ...」

 

 

手招きをされキッチンに入る。

 

 

沙『冷蔵庫、失礼するね。』

 

 

「はぃ。」

 

 

卵を4つ渡されボウルの中に落としていく。このくらい出来るょ...

 

 

沙『上手、フフッ』

 

 

「出来るもん。」

 

 

まな板と包丁を断りを入れ用意する川崎さん。人参、玉ねぎ、ハムが細かく姿を変えていく。

 

 

「わ、凄いちっちゃくなった...」

 

 

沙『お母さんの料理してる所あんまり見ない?』

 

 

「うん、いつも呼ばれるまで部屋にいるから...」

 

 

沙『たまにはお手伝いしな?喜ぶよお母さん。』

 

 

「そうだね。」

 

 

温めたフライパンに油を敷くとご飯と刻んだ具が放り込まれる。

 

 

「あ、ケチャップ。」

 

 

沙『お願いします、助手さん。』

 

 

タタタッと冷蔵庫へケチャップを持ち出し川崎さんに渡す。

 

 

沙『ありがとう。』

 

 

「ケチャップね、多めがぃぃ。」

 

 

沙『はいはい。』

 

 

僕のリクエストに嬉しそうに答えフライパンを振るう。

 

ジジッと音をたてながら手際よく炒めていく川崎さん。

 

その姿に見入ると目が合い笑ってくれた。

 

二人分のケチャップライスはフライパンからお皿へ盛られていく。

 

 

沙『後は卵、溶いたヤツ半分垂らしてくれる?』

 

 

「はい。」

 

 

沙『もっとこっち。』

 

 

腰に手を回され川崎さんとくっつく。

 

 

「ぅ...うん。」

 

 

沙『側に来て。』

 

 

おそるおそるボウルから溶いた卵を半分垂らす。

 

 

「で、出来たっ」

 

 

沙『丁度だね、上出来。』

 

 

「ヘヘッ」

 

 

垂らした卵はオムレツに形を変えケチャップライスの上に置かれる。

 

 

「上手だね...沙希。」

 

 

沙『ありがとう。』

 

 

二人分のケチャップライスにオムレツが乗ると″見てて?″と言いオムレツに包丁で切れ目を入れる。

 

 

「わぁっ凄いっ...」

 

 

オムレツの中からトロトロの卵がケチャップライスを包んでいく。

 

 

沙『京華喜ばしたくて練習したんだ。』

 

 

「凄いよ、お店のみたい。」

 

 

沙『そぉ?喜んでくれて良かった。』

 

 

そう言うとほんの少し照れた表情を見せてくれた。初めて見たかも...

 

 

僕は飲み物用にコップを用意して、川崎さんがササッと洗い物を済ます。

 

 

沙『さ、食べよっか。』

 

 

「うん、美味しそう...」

 

 

沙『じゃあ、名前書いてくれる?』

 

 

手に持ったケチャップを僕に渡すと川崎さん側にあるオムライスを差し出した。

 

 

「...ひらがなでぃぃ?」

 

 

沙『いいよ。』

 

 

黄色い楕円のパレットに僕は二文字、彼女の名前を描き渡した。

 

 

沙『ありがとう、○○。』

 

 

「どういたしまして...」

 

 

お互いの名前が描かれたオムライス。

 

 

ニコニコ頬張る僕の姿はきっと京華ちゃんみたいだったのかな。

 

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