入学して初めてのHR、出遅れちゃってるよぉ...仕方ないんだけどね...
1年C組を目指し広いダンジョンを水色の髪を靡かせた女勇者を先頭に僕はちょこちょことその後を付いていく。
沙『ねぇ、今日一緒に帰ろ?』
「え、うん。良いょ。」
沙『家あの辺なの?』
「うん。坂登って、丘の方。」
沙『ふーん。』
ナチュラルメイク、サラサラな長い髪、リップを施した唇は記憶に新しい。感触も...
一緒に居る時間が長く感じてしまう。登校から今に至るまでほぼ一緒。
階段を登りきり三階に到着すると各教室扉が閉まっている。その廊下を二人で静かに進む。
沙『遅れてすいません。』
「ごめんなさい...」
静『あぁ、構わない。さ、座りたまえ。』
潔い川崎さんの声に担任は答え空席へと導く。
窓側、後ろの席二つ。
戸「お帰りおふたりさん♪」
三『お帰り○○♪』
廊下側の二人の声にクラスの緊張が解かれる。
「うん、ただぃまっ」
前の方から黄色い声が聞こえるけど...なんだろ...
沙『ほら、行くよ。』
「うんっ」
手を引かれ空席二つの前の机に座る。少し机高いかも...脚もちょっと浮いちゃう...
静『さて、これで全員揃ったな。それではHRを始める。』
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必要事項、校内案内諸々の説明。
手元には校内資料、説明プリントなどが前から配られ説明と共に積まれていく。
静『○○、机が大きいか?』
「へ、へーきですょっ」
360度クスクスと笑い声が響き渡る。もぅ、何なの...
沙『私の膝使う?』
「いーってば、もぅ。」
後ろからもツンツンされ振り向いて頬を膨らまし答える。
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一通りの説明が終わり、今日は授業もなく午前で終わりみたいだ。
戸「ふぅー終わったっしょ~♪」
三『帰るし帰るし~☆』
あの二人声おっきい...
廊下側、僕とは反対側の席からその声は響いた。
三『んじゃ☆また明日○○♪』
戸「っべー♪二人ともお疲れ~☆」
窓側に詰め寄り僕たちに一声かけると僕と川崎さんが手を振り二人は教室を後にした。
沙『私達も行こっか。』
「うんっ」
足早に帰っていった二人の轍をゆっくりなぞりながら昇降口へ向かう。
沙『入学式終わったね。』
「うん、やっとねぇ...」
″色々″あって長く感じたのかもしれない。
沙『今日親来てた?』
「ううん、二人とも仕事。」
沙『私と同じだね。』
「そーなんだ、忙しいなら仕方ないよね。」
そう言うと校門の方で三浦さんと戸部くんが両親を交えながらワイワイ門を潜っていく様子が目に入る。
「あの二人怖かったけど話したら面白いかも。」
沙『そーかもね、戸部は煩いけど。』
「ふははっ」
そんな川崎さんの顔を見上げると僕に笑って見せた。
沙『ねぇ、今日これから暇?』
「うん、暇だけど?」
沙『家来ない...?』