Angel Beats! ~expressionless boy~ 作:ヘビガラス
天城は一人、女子寮に向かっていた。
...決して変な意味では無い。
あの後、立華さんが
「...貴方のskillを考えるわ。
後で私の部屋へ来て。」
と、言い残して去ってしまったのだ。
机の上には部屋の番号らしきものが書いてあるメモが残されていた。
...結局、後でというのは何時ぐらいなのか聞きそびれたが、とりあえず人通りが少ない時間帯に訪れることにして、現在に至るわけである。
しかし、〈skill〉とは一体何なのだろうか?
わざわざ自分の部屋に招かなければならない様な代物なのか?
...いや、今は誰にも見られないようにする事に集中しよう。
仮にも彼女は生徒会長、私は生徒会役員なのだ。
変な誤解をうけ、後で面倒なことになることだけは避けなければ...。
本来ならば5分あれば到着出来る距離を、10分かけてきた。
人通りの少ない時間帯を選んだとはいえ、全くいないわけではない。
細心の注意を払いつつ、メモ通りの部屋の扉をノックする。
「...天城です。宜しいですか?」
「...ええ、入って。」
扉を開けると、そこはいたって普通の、女性らしい部屋だった。
可愛らしいぬいぐるみやクッションが部屋を彩っている。
...そうだ、例え強い姿をしていても、彼女は普通の少女なのだ。
オシャレを楽しみ、可愛らしいものを愛でる女性なのだ。
だからこそ、私は彼女を支えなければならない。
彼女の願いを実現し、彼女自身を救わねばならないのだ。
天城は、改めて自分の決意を固くした。
「早速だけど、貴方の〈skill〉を作成しなければならないわ。
彼等と戦う以上、こちらもある程度武装しなければならない。」
「その、〈skill〉というのは、一体?」
「...以前、方法さえ知っていれば物質を変化させることが出来る事は話したかしら?」
「ええ、貴女の腕から生える剣も似たようなものだと教えて頂きました。」
「これも、その方法の内の一つ。
〈Angel player 〉と呼ばれているものよ。」
...と言っても、目の前にはごく普通のパソコンが置いてあるだけだ。
恐らく、ソフトの事を指しているのだろう。
「これを使う事によって、対象に防御用の特殊能力を付与する事が可能よ。」
「...防御用、ですか?」
「そう、正しくは〈Gird skill 〉。
あくまで彼等が武装しているから装備するだけで、攻撃用では無いわ。」
成る程、確かに、武装した集団は何をするか分からないからな。
「...本来は身体能力を強化する事も可能だけど、
今日は時間が無いから、また後日にするわ。」
「分かりました。では、今日は何を?」
「まず、〈skill〉が正常動作するか確認するわ。
そして、貴方専用の〈skill〉を作るにあたって、意見を聞きたいの。」
成る程、どうやら〈skill〉は開発が可能らしい。
「...とりあえず、確認をするわ。
一つだけ既に設定してあるの。
『Gird skill,Hand sonic 』と言ってみて?」
「...はい。Gird skill...Hand sonic!」
...
......ふむ、どうやら大丈夫そうだ。
右手から、以前立華さんが私を貫こうとしていた時に使った物と同じ剣が生えている。
少々違和感があるが、問題は無さそうだ。
「...大丈夫そうね。良かったわ。
何か変えて欲しい事はある?」
そうだな...。
腕から生えているせいか、少々重心のバランスがおかしい気がする。
出来たら、普通に手で持つ物が欲しい。
また、対人用としては必要以上に厚く、そして短い。
もう少し細身で、リーチが長い方が取り回し易くて良い気がする。
その旨を立華さんに伝えると、
「...分かったわ。少し時間がかかるから、暫くはソレで我慢して。」
とのことだ。仕方ない。
「では、私はこれにて失礼させて頂き」
「見回りをするわ。」
「は...?」
「彼等は夜間に許可していない活動をしている。
だから、見回りをしているの。」
成る程、主な戦闘時間帯は人目の少ない夜間というわけか。
彼等も一応その辺りは立場をわきまえているようだ。
「彼等は私達とは異なる制服を着用しているから、見分けやすい筈。
警告を無視して攻撃してきたら、迷わず〈skill〉を使って。
ただし、一般生徒には危害が及ばないように。」
「分かりました。」
「大丈夫。私も一緒に行動するわ。」
「有難うございます。
では、まずどちらから?」
「...そうね。彼等はよく食堂付近にいるわ。
そこから回りましょう。」
「はい。」
「忘れないで。私達はあくまで、生徒会役員として行くだけ。
校則に反していなければ、戦闘をする必要は無いわ。」
「はい。
では、行きましょう。」
...遂に戦闘か。
私が生前どのような人間かは分からない。
私はもしかすると、とても弱いのかも知れない。
だが、例えその通りだとしても、全力を尽くすまでだ。
今は、それで充分だ。
天城達は、既に暗くなっている道を静かに歩いていく。
浮かんでくる微かな不安と戦いながら。
投稿が非常に遅くなってしまいました。
申し訳ないです。
アイデアはあっても、ソレを文字化するのは時間かかりますね。
立華さんのキャラも崩壊しかけている気が。
何とかしないと...(汗
さて、次回ぐらいから、天城視点以外の文を作ろうかな?と、考えています。
まだまだ検討中ですが、どこかで入れるつもりなのでお楽しみに。
ではでは、さよなら、さよなら。