オーバーロード《剣神と死の王》   作:アニ好きコーラ

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至高の二人階層守護者に会う

第六階層 闘技場

 クロウが自分の部屋からいくつかのアイテムと装備を取りに行き、少しモモンガと整理をした後、リングを使い第六階層の闘技場の入り口へと転移した。中に入ると内装は外国に存在するコロッセオをモデルとした物であり、これを要望したのはこの第六階層の守護者を創造したぶくぶく茶釜さんだ。二人が懐かしみながら中央へと足を運ぶとから男装をしたエルフ耳の少女が貴賓席から飛び降りてきた。飛び降りるにはかなり高さのある場所から器用にくるんっ! と一回転し見事に着地を成功させた少女は、ぶいっ! と両手でピースをしなんとも可愛らしい笑顔を見せた後二人の下まで一瞬で走り寄ってきて急ブレーキで前に止まる。

 

「ようこそおいで下さいましたモモンガ様、クロウ様!」

 

「アウラか」

 

「久しぶりだね、アウラ」

 

 アウラと呼ばれた彼女はこの第六階層の守護者のダークエルフである。

 

「少しばかり邪魔をさせてもらうぞ」

 

「何を仰っているんですか!ナザリックを支配する至高の御方々であらせられるモモンガ様とクロウ様が邪魔者扱いされる筈がありません!」

 

そう言い、人懐っこい笑顔を見せて二人がこの場所に来たことを身振り手振りで喜びを表そうとしている。

 

「そうか……」

 

 その様子を微笑ましく思い二人は表情を表せられない顔でありながら微笑んでいるようだ。ふと思いクロウはアウラに問いかける。

 

「そういえばマーレは?」

 

 そう、この第六階層にはアウラともう一人第六階層を守護する者がいる。クロウの問にアウラは、あっ! と思い出したように先ほど飛び降りてきた貴賓席を見た。その場所にはオドオドとした様子で立っている少女がいた。

 

「マーレ!モモンガ様とクロウ様に失礼でしょ!さっさと飛び降りてこっちに来て挨拶しなよ!」

 

 そう張り上げた声でマーレを呼ぶアウラに「む、無理だよ、お姉ちゃん」と気弱な声で返答するが、「マーレ!」再び自分の名を呼ぶ姉に観念したのか「わ、わかったよ〜、、えいっ!」と、貴賓席から飛び降りた。しかし、アウラのように上手く着地出来ず着いた瞬間少しグラついたようになるもののなんとか体勢を立て直し、杖を持ちながら可愛らしく女の子走りでと駆け寄ってくる。アウラの横まで来て立ち止まり、スカートを片手で直し二人に向き直り、またオドオドとした様子で挨拶をする。

 

「お、お待たせしました。モモンガ様、クロウ様……」

 

 マーレはアウラと共に第六階層の守護を任されたダークエルフである。見てわかるように二人は双子である、女性の服を着ているがマーレは男である。なぜ双子が別々の服を着ているのかと言うとそれは二人の創造者であるぶくぶく茶釜さんの趣味であるからだ。

 

「久しぶり、マーレ」

 

「は、はい!お久しぶりです、クロウ様!」

 

 少しオドオドとした所はあったがクロウからの挨拶にしっかりと挨拶を返すマーレの姿にはまるで小動物のような愛らしさがあり、クロウはつい頬が緩むような感覚になる。

 

「二人に頼みたい事があるのだが」

 

挨拶を終えてモモンガは用件を切り出そうとした時

 

「そ、それは!モモンガ様しか触ることの出来ない伝説のアレですか!」

 

モモンガの持っていた我らがアインズ・ウール・ゴウンの象徴であるスタッフをアウラとマーレは感激と好奇の目で見つめる。その反応を見てモモンガは語りだす。きっと、ギルドの皆で多くの時間を費やし素材を取りに行き皆の力で作り上げた努力の結晶とも言えるギルド武器を自慢したいのだろう。だか、モモンガには悪いと思うが今は用件を進める為に熱弁しているのを制止し先に進むよう促す。

 

「モモンガさん、ギルド武器についてを語りたいのは分かりますがやることがあるでしょう」

 

「す、すみませんそうでしたね。すまないアウラ、マーレ、実はこのスタッフの能力実験をしたいのだ、頼めるか」

 

クロウからの催促の声で我にかえり本来の用件を話した。

 

「はい!分かりました、直ぐに準備します」

 

元気な声で了承の言葉を伝えリザードマン達に剣や魔法の鍛錬などに使われる案山子の準備をするように指示をだす。

 

〈根源の火精霊召喚〉(サモンプライマル・ファイアーエレメンタル)

モモンガの召喚に応じるように持っているスタッフに付いている蛇の内の一つが紅い光を灯した瞬間、案山子のいる下から炎の柱が現れそのまま形を作り出し姿がを見せる。

 

〈根源の火精霊〉(プライマル・ファイアーエレメンタル)レベルは80後半か……アウラ、戦ってみるか?」

 

「え!?」   「良いんですか!」

 

 モモンガの申し出にアウラは目を輝かせていたがマーレは少し遠慮したいような声を上げる。アウラはマーレを強制的に連れて戦闘を始める。

 

「流石に楽勝のようですね、二人共」

 

「そうですね」

 

 双子は精霊に圧倒的な勝利をしこちらに戻ってきた、「見事だったぞ二人共」「お疲れ様アウラ、マーレ」二人の戦いを見てお互いに称賛の言葉をかけると二人は嬉しそうな顔で此方を見上げる。 

 

「ありがとう御座います!こんなに運動したのは久しぶりです!」

 

そう言い額の汗をを腕で拭う仕草を見せ笑顔でそう返してくる。

 

「そうか、二人共喉が乾いただろう」

 

 モモンガはそう言い何もない空間に手を差し出したところ、何かに飲まこまれたように消えていく。どうやらアイテムボックスに手を突っ込んでいるようだ、少しボックス内を探り無限の水差し(ピッチャー・オブ・エンドレス・ウォーター)を取り出し他にグラスを二つ取りアウラとマーレに渡しグラスに水を注ぐ。

 

「さあ、飲むといい」

 

「ありがとうございます!」

 

「あ、ありがとうございます」

 

二人は水の入ったグラスを飲み干し、小さな声で話し出す。

 

「モモンガ様ってもっと怖い方だと思いました」

 

アウラのモモンガへの印象を聞きクロウは少し笑っていた。

 

「そうか?そっちの方が良いならそうするが?」

 

「いえ!こっちの方が良いです!絶対良いです!」

 

そう言うアウラに同調するようにマーレは「うんうん」と頭をブンブンと縦に振る。

 

「モモンガさんはこう見えてかなり優しいからね」

 

「や、やめて下さいよクロウさん」

 

クロウの褒め言葉に少し恥ずかしかったのか肉のついてない骸骨の頬を掻いて言いアウラにあともう少しで守護者達が集まることを告げる。

 突如、何もない空間に黒い影が出現した、その影は次第に大きくなりその影の中から一人の少女が出てきた。黒のボールガウンを身につけている綺麗な顔立ちをした少女、その少女の目は真紅のように真っ赤な目、血が通っていない肌、など不可解な点がある。その理由は彼女が人間ではなくアンデッドであるからだ。

 

「おや?私が一番でありんすか?」

 

そう言い放ち視界に捉えたモモンガに向かい手を這わせ首に巻付け抱きつく。憂いを見せる瞳になりまた、血の通っていないはずの頬を朱に染め熱っぽい声で口を開き出す。

 

「あぁ、我が君、私が唯一支配できない愛しの君」

 

『うお〜近〜!?』と心の声で慣れない対応に対しての叫びを上げるがそれを見越しクロウが話しかける。

 

「君に会うのも久しぶりだね、シャルティア」

 

「クロウ様!ご機嫌麗しゅうぞんじんす」

 

 彼女は第一、第二、第三階層守護者シャルティア・ブラッドフォールン、真祖の吸血鬼(トゥルーバンパイア)だ。

シャルティアはモモンガに抱きつくのをやめクロウに向き直り綺麗な動作で挨拶をかえす。そんなやりとりを見ていたアウラはシャルティアに棘のある口調で言い放つ。

 

「全く何してんのよアンタは! モモンガ様にはいきなり抱きついて無礼を働くわ、クロウ様に遅れて挨拶するわで本当にバッカじゃないの!」

 

「おや?チビすけ居たでありんすか?視界に映らなくて気づきんせんでありんした」

 

「ぬぐぅ」

 

そんなアウラの言葉に対し嘲笑しながらかえす。そんな言葉にアウラは少し顔を引きつらせた顔を見せその後に――――

 

「偽乳」

 

「な!?」

 

場が一瞬にして凍り付く爆弾を落す。シャルティアは胸を手で庇うようにして後退りする。

 

「胸を盛り過ぎちゃって走ったらどっか行っちゃうから、わざわざ転移門(ゲート)で来たんだー」

 

「だ、黙りなさい!アンタなんか全く無いでしょー!」

 

「私はまだ七六歳だから可能性はあるけど、アンタはアンデッド。もう成長できないからそのままの姿で満足したらー、ぷぅ」

 

「おんどりゃー!吐いた唾は飲めんぞー!」

 

シャルティアはアウラと口論を始める。マーレはどうすればいいのか分からずオドオドとその場でアタフタしている。そんな光景を見てモモンガとクロウは懐かしい感覚を思い出す。

 

「何だか懐かしい光景のように思えますね」

 

「そうですね、ペロロンさんや茶釜さんの喧嘩を思い出しますね。モモンガさんや他の皆もそれを眺めて楽しんでましたもんね。」

 

そんな懐かしくも微笑ましい二人のやりとりを見ていたら、また一人此方に着いた人物が声をかけ空気を揺らす。

 

「二人トモ、至高ノ御方ノ前デ遊ビ過ギダ」

 

 きらびやかな水色で装甲のような外皮を持ち四本の腕を持っている。呼吸をする度に空気が凍りついている威圧感を覚える体躯。

彼は第五階層守護者コキュートス、確かコンセプトデザインが武人の蟲王(ヴァーミンロード)

 

「このチビが私に無礼を……」

 

「事実だ!」

 

 二人が再び言い争いになろうとしたとき、コキュートスが手に持っている戦斧の柄の端部分を地面に突き立てると途端に地面が凍りついた。

 

「そこまでた!シャルティア、アウラ、じゃれあうのもそこまでにしろ」

 モモンガの制止の声により先程まで喧嘩していた二人は「「申し訳ありません!」」と謝罪を示した。それを見てクロウはそろそろ気を引き締めないとな、と意識に留めている。

 

「よく来たなコキュートス」

 

「オ呼ビトアラバ即座ニ」

 

「コキュートス、久しぶりだね」

 

「コレハ、クロウ様オ戻リナラレタノデスネ」

 

「戻る?」

 

 挨拶をしたはいいがコキュートスの言葉に少し気掛かりなものがあった。『これはまさか、まだゲームの時であったユグドラシルで既に意識があったのか? ……まさかな』そんな考えを振り払い意識を戻す。

と丁度新たな人影が現れる。

 

「皆さんお待たせ致しました」

 

「デミウルゴス」

 

「久しぶりだね」

 

アルベドと共に来たのは第七階層守護者のデミウルゴス、守護者内の参謀にして防衛指揮官である悪魔だ。

 

「モモンガ様、クロウ様、お待たせしてしまい申し訳ありません」

 

「俺達は大丈夫だよ」

 

「ありがとうございます」

 

デミウルゴスはそういい丁寧に礼をしながら他の守護者達に続き整列する。それを確認しアルベドは号令をかける。

 

「それでは皆、至高の御方に忠誠の儀を」

 

 その号令に応じるように各階層守護者は口を開く。

 

「第一、第二、第三階層守護者 シャルティア・ブラッドフォールン、御身の前に」

 

「第五階層守護者 コキュートス、御身ノ前二」

 

「第六階層守護者 アウラ・ベラ・フィオーラ」

 

「お、同じく第六階層守護者 マーレ・ベロ・フィオーレ」

 

「「御身の前にに」」

 

「第七階層守護者 デミウルゴス、御身の前に」

 

「守護者統括 アルベド、御身の前に」

 

一人一人跪き忠誠の意を示す守護者をモモンガは見渡し「うむ」と頷きクロウは無言で立ち尽くす。

 

『『何この光景……』』

 

そんな言葉が心の中に響いた―――




自分的に結構書いたつもりです。
まあ、オリジナル展開がまだ出ていませんが次からルートを少しいじっていこうと思います。

ちょっと覗いてみたら見て下さった方がいたのに少しばかし安心しました。これからも読んでいただけると幸いです。
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