Fate/EXTRA 汝、復讐の徒よ   作:キングフロスト

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アヴェンジャー?「主よ、この身を捧げます────」

はくのん「え、アヴェンジャー……? でも、なんか全体的にキラキラしてる……?」

邪ンヌ「……!!」

※茶番です。

それでは本編をどうぞ。
 


暗躍?する慎二。奔走するはくのん。

 

 そして翌日。

 もはやルーチンワークと化した、起床後にマイルームの隣教室へと脚を運ぶ事に、違和感を感じる事もなく、私は自席……といっても予選時の話だが、そこに腰掛けて朝食を摂っていた。

 

 今朝のメニューは、

 

“~朝の焼きそばパン。冷えた紙パック牛乳を添えて~”

 

 なんとなく、フランス料理店で日本語で書かれていそうな言い方をしたが、これは単なる見栄です。

 実際はそんな高級な料理には遠く及ばない、質素な朝食。

 いや、別に文句はないよ? むしろ焼きそばパン最高。朝から濃厚なソースを絡めた焼きそばを、気軽に気楽にパンに挟んで食べられるなんて、ある意味贅沢じゃない?

 

 だというのに、

 

『……毎朝毎朝、焼きそばパンばかり食べて飽きないとは、呆れたマスターね』

 

 などとのたまうアヴェンジャー。そんな彼女は朝は食べない派らしく、何かあるか、お昼までは霊体化しているとだけ告げて姿を消していた。

 

 ……焼きそばパンの魅力、いつか彼女にも伝えてやろう。それはもう、嫌と言う程に。泣いて謝っても、その口に次から次へと突っ込んでやるゼ☆

 

 まあ、多分実行しようとした時点で、私が返り討ちに合う未来なのだろうが。

 

 

 

 

 朝食を終え、しばらく食休めをしていた私だったのだが、意図せずして周りの話し声が耳へと届いてくる。

 どうやら慎二の事らしい。

 

「そういえば、朝早くから間桐が何かしてたな。自分の机んとこでゴソゴソと。あいつ、目立つから、行動がバレバレなんだよな」

 

「早朝も早朝だから、それこそ起きてるマスターもそこまで多くないけど、それでも、ね……。『ふふふ、これで…』とか言ってたけど。私、顔は良くてもあの自信過剰な性格、全然タイプじゃないわ」

 

 男女二人組で会話しているマスター達。何やら慎二は、朝の早くから自席で何かをしていたらしい。

 そんなに早い時間に……という事は、もしかしたら私に見られるのを避けたかったのだろうか?

 

 そんな事を考えていた私に、少し離れた所から声が掛けられる。

 

「おっ。おはよう岸波! いやあ、やっとトリガーが二本揃ったよ。岸波はどうだ?」

 

 声の主、それはいつぞやのマスターだ。確か前にも、この教室で声を掛けられたのを覚えている。

 その顔に、以前と変わらず、やはり何も思い出せないのだが……。

 

「ううん。私はまだ一本だけ……」

 

「…そうか、相手があの慎二だもんな。大変だな、お前も」

 

 私の返事に、少しの同情を示す彼。やっぱり、慎二が対戦相手というのは、他のマスターからしても手強いという事なのだろう。

 確かに、強気な発言の多い割に詰めの甘い慎二だが、彼のサーヴァントは一級品のように見受けられたし。

 そして慎二自身も、ゲームチャンプという肩書きを持つ事から、決して侮っていい相手ではないのは確実だ。

 

「ま、元気出せよ! 気分が滅入ったら、調子も出ないしさ。それじゃあな。俺はアリーナにでも行って、鍛えてくるよ」

 

 パンパン、と私の肩を軽く叩き、気合いを入れようとでもしたのだろう彼は、爽やかな笑顔と共に教室から出て行った。

 気の良いマスターだなぁ……などと感じてしまう私は、もしかして場違いなのかも。普通のマスターなら、何か裏があるのではと勘ぐるのが自然だろうし。

 

『マスター、アリーナに行く前に、校内を探索してみましょうか。あのワカメ野郎が何か小細工をしたのは確実でしょうし。もしかしたら何か手掛かりが掴めるかもしれません』

 

 霊体化したままのアヴェンジャーが、アドバイスを出してくる。先程の二人組の会話を、彼女も聞いていたのだろう。

 

 うん、それに賛成だ。もし罠でも仕掛けられていたら、情報も無しにアリーナへ出向くのは危険だし、少しでも探っておくのが得策か。

 

 予選の記憶を頼りに、一応、慎二の席も調べておく。まあ、いくら慎二でも流石に証拠を残しているはずもなく、神経質な慎二らしく、机の周りは綺麗に整頓されている。

 ここに手掛かりを期待するのは無駄のようだ。

 

 調べるものは調べたし、校内を見て回るとしよう。もしかしたら、慎二本人に遭遇するか、もしくは彼の犯行現場を目撃した証人が見つかるかもしれない。

 

 

 

 

 

 さて、色々と聞いて回った私だが、とりあえず上から順に階を絞りつつ聞き込んでみた結果、やはり何人かは慎二の姿を目撃していた。

 残念ながら、最も取れるであろう情報源の慎二本人には、遭遇どころか影すら掴めなかったが。

 

 ここで、私が集めた話をいくつかピックアップしてみよう。

 ……ピックアップと聞くと頭が妙に痛くなるが、きっと気のせいに違いない。

 

 

『なんか、また慎二がバタバタ走り回ってたぜ。忙しい奴だな、あいつも…』

 

『慎二も忙しい奴だな。昨日もそうだけど、今日もあちこち走り回ってたぜ』

 

『間桐くんも必死みたいね。セラフへの介入なんて出来っこないのに、アリーナにあんな細工をするなんて。あの子、あれがセラフにバレたら、相当なペナルティがあるわよ』

 

 

 とりあえず、ここまでが二、三階で得た情報。少し気になる事を言っていたな。アリーナへの細工がどうとか……。

 そして、私は一階にて、もっと確信に迫る話を聞く事に成功した。

 

「間桐君? 彼ならさっき、保健室の方で何かしてたけど」

 

「ああ、俺も見た見た。慎二の奴、保健室のところで何してたんだ? あんなに慌てて……」

 

 最初の方は慎二の目撃証言も、かなり時間が経っていたものだったが、これは鮮度がまるで違う。

 ついさっき、つまり慎二が来てまださほど時間が経っていないという事だ。慌てていたという事は、もしかすると何かしらの痕跡が残っているかもしれない。

 そうと決まればいざ、保健室へ! 別に、桃色な展開を期待してなどおりません!!

 

 

 

 

 

「……え? 間桐慎二さんがどうかしました?」

 

 キョトンとしながら、目をパチクリさせて問い返してくるのは、保健室の彼女と名高い、健康管理AI兼支給品担当の間桐桜だ。

 予選では慎二の妹という配役を与えられていた彼女だが、どうやら慎二が何をしていたかどころか、慎二の姿をまず見ていないらしかった。

 

 なんと、慎二は保健室に入っていなかった!

 となれば、彼は一体何をしていたのだろう?

 

「えっと、岸波さん。せっかくですし、良かったらお茶でも飲んでいきませんか? 皆さん、一回戦が始まって最初の日しか来てくれなくて……」

 

 いじらしく、どんどん語尾が小さくなっていく桜。ふーむ……凛や他のマスターを見ていて分かったのだが、魔術師とは他人にけっこうドライなところが多いらしく、保健室にも支給品を貰ったら、『はい、サヨウナラ』と寄り付かないらしいのだ。

 そんな事もあり、初日こそ忙しい桜は、翌日以降、まるっきり暇になるという算段らしい。

 

 こうして、私のように毎日でなくとも、たまにでも足繁く通っているマスターは、私の他には居ないと、この前来た時に聞いた。

 それを知っていた私は、あまりにも桜が不憫に思えて仕方なくなる。どうせ慎二がアリーナに何かしたというのは分かったし、昼までは桜に付き合う事にしよう。

 

「……! ありがとう、ございます。……センパイ」

 

 お礼の後に何か言ったらしいが、声が小さすぎて聞き取れなかった。でも、たいした事でもないだろう。

 今だけは、聖杯戦争の事も、慎二の仕掛けた罠についても忘れよう。たまには、聖杯戦争抜きに私情を挟んでも、罰は当たらないと信じて。

 

『まったく……マスターらしくないマスターね、本当に』

 

 

 

 

 

 

 

 少しの楽しい時間を過ごし、私は保健室を後にした。さあ、ここからは気持ちを切り替えて、慎二が何をしたのかを突き止めるか。

 いや、突き止めようにも、近くで見ていた者でさえ、慎二が何をしていたのかは分からなかったのだし、諦めて素直にアリーナで罠に対峙した方が良いかもしれない。

 何も知らずに向かうのではなく、あらかじめ“何かが”あると踏んでいれば、多少はマシだろう。

 

 既に保健室で昼食も済ませてある。アヴェンジャーは嫌々といった風に現界して昼食を摂っていたが、ともあれ保健室からアリーナ入り口へと直行した私達。

 そこで、慎二が施した細工が何かを知る事となる。

 

「んにゃ!?」

 

 アリーナに入ろうとした瞬間、何かにぶつかったような感触を覚え、体が弾き返された。どうやら、目の前に見えない壁があるようだ。

 

「チッ。空間に何か細工したようですね。こんな事をする輩は一人しかいないでしょう」

 

 ……もしかしなくても慎二しかないな、うん。

 

「やあ」

 

 と、機を見計らったように後ろから声を掛けられる。この声、今しがた噂になった慎二だな。

 

「アリーナでの強化に、精を出してるみたいだね。悪いけどさ、この辺りにちょっと、細工をさせてもらったよ。岸波みたいなレベルの低いマスターにアリーナで出会うと、イジメになるからね。これは僕なりの優しさなんだ」

 

 勝ち誇った顔で、私を果てしなく見下した台詞を口にする慎二。私とて、言われっぱなしでカチンとくるものがあったが、更に私よりも沸点の低いアヴェンジャーは、流石に口を出さずにはいられなかったらしい。

 

「よく言えたものです。昨日、私達に反撃された分際で、どの口が吠えますか? サーヴァントの力を自分の力と同視し、勘違いする愚かな魔術師。そもそも、小細工を仕掛けてくる癖に……ああ、なるほど。昨日の戦闘で、私達に負けるのが怖くなったのね。情けないったらありません」

 

「……っぐ、ぐく」

 

 高慢にも程があるアヴェンジャーの態度だったが、慎二には思いの外、重くのしかかるものだったようで、一気に悔しそうに顔を歪めてしまう。

 

「う、うるさい! そんなんじゃないさ! た、ただこれも戦略の内に過ぎないんだよ! でも、そうだな。どうしてもアリーナに入りたいなら、二個……こ、この学園に隠した僕の魔法陣(アンテナ)を探せばぁ? ただし、アリーナに入ってきたら、今度は全力で君を潰すからね。覚悟が出来てるなら入ってくればいいよ」

 

 アヴェンジャーに図星を突かれた上に、言い負かされたというのに上から目線の姿勢を崩さないどころか、開き直っている節も見られた慎二。

 図太いのか打たれ弱いのか、一体どっちなんだ……。

 

「じゃあね。魔法陣(アンテナ)の場所? はは、それは自分で見つけなくっちゃ!」

 

 言いたいだけ言うと、彼はさっさと場を後にした。これ以上、アヴェンジャーに何か言われたくなかったのかもしれない。歩調が足早だったのが、それを裏付けていた。

 

「くっ……今この場で、ワカメを炙り焼きたいところですが、規約(ルール)上、そうもいきませんね」

 

 かなり悔しそうに、犬歯を剥き出しに威嚇するアヴェンジャー。苛立ちに鋭い睨みのまま、彼女はアリーナの扉へと視線を移し、細工の観察を開始する。

 

「──見たところ、これはアリーナの入り口を施錠したのではなく、周囲の数値を歪める事で、この場所を塞いでいるようですね」

 

 うーん……、つまり、どういう事?

 

「要は、周りに川を作って、ここに水を流し込んでいるようなものです。さて、面倒な事この上ないですが、仕方ありません。マスター、あのワカメが魔法陣を設置したと思われる場所を探し、歪みを正すのです。先程のワカメの言葉の通りなら、その場所は二カ所でしょうね」

 

 なるほど。慎二が仕掛けを施したと思われる場所を探せ……と。

 

 ……ん? いや、なんというか、その……心当たりありすぎるんですけど。

 

 

 

 

 

 はい。ありましたよ、保健室の扉にそれらしきモノが。なるほど、確かに桜が気付かない訳だ。

 というのも、この魔法陣───というか御札なのだが、肉眼で見つける事が難しい代物で、道理で他のマスターも慎二が何をしているのか分からなかったのだろう。

 私とて、さっきここに来た時はまるで気付かなかったし。

 

 ちなみに、私がこれを見つける事が出来たのはコレ、『聖者のモノクル』のおかげだ。

 アリーナでコードスキルの媒体に使えば、エネミーの情報を知る事が出来るのだが、実はコレには他にも能力が備わっている。

 端末を通してではなく、直接身に着ける事により、モノクルを通して見た視界には不正や隠匿、秘匿行為が浮き彫りとなるらしいのだ。

 四苦八苦して探している時に、ふと脳裏に浮かんだ『誠のメガネ』という単語をヒントに、この聖者のモノクルの隠された力を知る事になったのである。

 

 いやはや、やってて良かった『エ○ヤの伝説』。たまたま購買で格安で見つけたゲームだったが、まさかこんな風に役立つとは。

 

 ちなみに、『エ○ヤの伝説』というゲームは、シリーズも数多く出ており、私がプレイしたのは主人公が少年期と青年期を行き来するもので、サブタイが『時のフライパン』。少年期は普通の少年なのに何故か青年期になると褐色の肌に白い髪を持つハードボイルドになるという、主人公が不思議な変身を遂げるのが有名だ。

 

 おっと。脱線してしまったようだ。

 とにかく、私は慎二の仕掛けた御札を剥がすと、そのままクシャリと握り潰した。これで、残るはあと一つ。

 そして、その場所は───。

 

 

 

 教室でした。うん、捻りが無さすぎて、少々リアクションに困る。

 保健室の時と同じく、聖者のモノクルを通してのみ見える御札が、慎二の机のど真ん中に貼り付けてあった。ふむ、机で何やらしていたというのは、これの事だったのだろう。

 

 御札を剥がし、今度はビリビリに破り捨てる。これで、アリーナの扉の結界も崩れたはずだ。

 

『これで二つ、ね。さあ、下らない遊びはここまでです。さっさとアリーナへ行きましょうか。私を煩わせた事、たっぷりと後悔させてやるわ』

 

 おおう……復讐する気満々ですね、アヴェンジャーさん。いや、頼りになるんだけど、ブレーキ掛ける私の身にもなってね?

 

 

 

 

 満を持して、私はアリーナへの扉前へと戻ってくる。すると、そこには、

 

「ちっ……意外と早かったじゃないか」

 

 待ち構えるように立っている慎二の姿があった。しかし、何やらさっきとは様子が違うような……?

 

「これじゃあアイツもあんまりお宝を取れてない可能性が……」

 

 ブツブツと何かを呟きながら、慎二はアリーナへと姿を消した。アイツ……というと、ライダーの事だろうか?

 お宝、となればライダーは海賊のようだし、アリーナで宝探しでもさせていたのか?

 

 ここで頭を悩ませていても仕方がない。私もアリーナへと向かうとしよう。仕掛けは結界の事だったんだろうし、多分他に罠はもうないはずだ。

 

『うふふふ……私専用に調整(チューニング)した鎌の切れ味、早速試せそうで楽しみね』

 

 ああ…霊体化しているのに、舌なめずりして鎌に頬ずりしている様が目に浮かぶ。

 別に気合い十分なのは良い事だが、出来れば深追いだけはしないように、私が注意して手綱を引かないといけないな。

 

 

 

 

 

 

 アリーナ内に入った私達だが、入り口から慎二と鉢合わせるという事もなく、とりあえず私達は昨日行けたところまで行った。そして、閉じていたゲートの前まで辿り着いたところで、ある事に気がつく。

 

「あ……スイッチ、押してない……」

 

 フェンスゲートは閉ざされたままになっていたのだ。

 そう。昨日、あの沈没船でスイッチにアイテムフォルダを見つけた私達だったが、先にフォルダ開封してすぐに、あの甲高いアラームが鳴り響いたために、スイッチを押すのを忘れていたのである。

 

「意気揚々と来てみればこのざま……あなた、たまに抜けてる時があるわよね」

 

 ぬぐぐ……。アヴェンジャーだって、分かってたならあの時教えてくれたら良かったじゃん!

 それをしないって事はつまり、自分だって気付いてなかったくせに!!

 

「な……!? べ、別に? そんなの分かってましたとも! あ、あれは、あなたを試すためだったのよ。マスターとしての洞察力に観察眼がいかほどのものかを見るためにね!」

 

 そんなの、それこそ言い訳じゃないか。ずるい、後からなら何でも言えるもんね!

 それによく思い返してみれば、あの時のアヴェンジャーって、エネミーから鎌を奪い取って気分上々だった。浮かれてスイッチの事も忘れてたに違いない!

 

「うぐ……要らない事ばっかり覚えてんじゃないわよ! ああもう! 分かったわよ、分かりました、分かりましたとも! 私も気付いてなかった、だからおあいこよ。それでいいでしょう、もう……」

 

 いや、おあいこというか、そもそもアヴェンジャーの方が先に私を──と、いや、もう言うまい。

 こんな口喧嘩をしていても不毛なだけだ。こうしている間にも、慎二達が襲ってくるかもしれないのに、仲違いしている場合じゃないだろう。

 

「なんか、ごめんねアヴェンジャー。今度から気をつけるね」

 

「……そう。まあ、あなたの洞察力はさっきの結界破りでよく分かりましたし、今度からは私も気をつけるとしましょう」

 

 なんとなく、喧嘩はしたけど、少しだけアヴェンジャーと仲良くなれたような気がした。

 ……気がした、ではなく、“仲良くなった”とハッキリ言えたら良いのになぁ。

 

 

 喧嘩を終えた私達は、早速スイッチを押しにもう片方の分かれ道に向かう。

 あと、言い忘れていたが、実はここに来るまでに既に何体かのエネミーを倒している。もちろん、エネミーから奪った鎌で。

 アヴェンジャーにより、アヴェンジャーお手製の特注鎌へと変貌を遂げた鎌は、柄の部分が彼女の持つ旗の柄と同じくらいの長さへと加工され、デザインも、刃の箇所に炎をイメージした意匠が凝らされている。

 正直、すごくカッコイいです。

 

 そして、恐ろしい事にアヴェンジャーは元々の武器でなかったにも関わらず、器用に鎌でエネミーのことごとくを切り裂いていった。それは今までの戦いぶりよりも苛烈で、サクサクエネミーを刈り取る様はまるで、本物の死神の如し。

 

 なぜ、そんなに鎌の扱いが上手いのか聞いてみたところ、彼女曰わく、

 

「私の知り合いに、ランサーなのに鎌使いの英霊が居るのですが、それの見様見真似ですよ」

 

 という事らしい。

 いや、ツッコミどころ満載だが、見様見真似で出来てしまうアヴェンジャーもどうなんだ……?

 と、意見を述べたのだが……、

 

「ふん。こう見えて、私は模倣する事に一日の長がありますから。たいていの事は、ある程度訓練すれば修得など容易いものです」

 

 才女、ここに見たれり。こういうのを、天才肌っていうんだろうな。見ただけで──いや、アヴェンジャーの場合、まず見て、それを模倣という形で訓練してる訳だから、天才に違いないが、彼女の場合は『努力の天才』なのだろう。

 そうでなければ、模倣なんてまずしない。足りないものがあるからこそ、誰かの技術を()()する必要があったのだ。

 アヴェンジャーはそういう点においては、人一倍得意だった、そういう事である。

 

 ともかく、私達はスイッチを押して、ゲートの所にまで戻ってきた。気になるというか、心配なのは、ここまで慎二に遭遇しなかった事か。

 どうやってか、このゲートの先に進んでいたのかもしれない。

 もしそうなら、この先に十中八九、慎二とそのサーヴァントである女海賊、ライダーが居るだろう。

 警戒して進もう。昨日の一件で、向こうはもう油断も容赦もなく、本気で潰しに掛かってくるはず。

 

 決戦まであと二日。ここで倒される訳にはいかない───。

 




 
前書きの茶番ですが……またやってしまいました。
はい、12日。ピックアップにて正当なジャンヌをようやく召還出来ました。
勢いに任せてやった、反省は以下略。

かねてより欲しかったジャンヌ。我がカルデア初のルーラーに、心躍る私。
メイヴも欲しいけど、そこは見送るか……。


あ。あと、ジャンヌが引けたので、ちょっとしたお知らせというか報告がありますが、活動報告にて発表してありますので、詳しい事はそちらを見るようお願いします。
では。
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