Fate/EXTRA 汝、復讐の徒よ   作:キングフロスト

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毒の名手

 

 緑色をした毒霧は、辛うじてこちらの視界を完全には奪い切れておらず、アーチャーの姿も向こう側に確認出来ている。

 

 この状態で、対策もなく透明化を使われればゲームオーバーだっただろう。だが、『聖者のモノクル』により、私だけは彼が姿を消そうが見逃さないで済む。

 アーチャーもそれが分かっているのだろう、透明化はせずにこちらの動きを窺って、機を見ているようだ。

 

(マスター、一つ提案があります)

 

(何?)

 

 おもむろに、アヴェンジャーが念話にて話しかけてくる。提案があるとの事だが、この状況を打開出来るのだろうか?

 警戒だけは解かず、前を向いたまま彼女は続けた。

 

(貴方が、敵マスターに攻撃を仕掛けなさい)

 

 ───っ。

 

 その提案に、私は言葉が詰まる。

 

 私が、ダンを攻撃する?

 

 何故? 何の為に? それにどんな意味があるのか?

 私の混乱などつゆ知らず、アヴェンジャーはお構いなしとばかりに続きを話す。

 

(多分、貴方は把握してないでしょうけど、この聖杯戦争の決戦には、猶予期間のものとは異なった明確なルールが二つ存在しています。一つ、サーヴァントは決戦において敵マスターに攻撃出来ない。そしてもう一つ、マスターは敵サーヴァントにも敵マスターにも攻撃出来る)

 

(…………え?)

 

 いや、待て。ちょっと待ってほしい。それだと、色々とおかしい事がある。

 思い出されるのは一回戦における決戦の折の事。確かライダーは私に向けて銃撃してきたはずだ。彼女には遠慮もなければ、そこにセラフからの制約も特になかったと記憶しているが……。

 

(あれは貴方が標的ではなかった。単に、()()()()()()()()()()()()()()()()()というだけの話。あくまで私が狙いだったから、副次的に発生するマスターへの被害はルールには当てはまらない……ってところかしら)

 

(つまり、あの時ライダーはルールの穴を上手く突いてきた、って事?)

 

 それならなんとなくではあるが納得出来る。問題は、それにより私が瀕死、あるいは死んでしまう事だろう。さすがにその攻撃で私が死ねば、ライダーは反則となっていたはず。

 おそらく、ライダーは賭けだと分かった上であの攻撃を行った。彼女の性格からして、そういった賭けは好きそうだし、実行しても何らおかしくはない。

 

(そして今回。今、空気中を漂うあの毒はルール上、マスターへの攻撃には見なされないでしょうね。だって、これはマスターを狙った訳ではないのだから)

 

 ふむ、だからアヴェンジャーは私を急いで後ろに下がらせたのか。アヴェンジャーの動きを阻害する事を目的としているが、それにより副次的に私が毒の被害に遭う可能性があったし。

 死ぬまでとはいかずとも、毒により私の動きが鈍ってしまえば、アヴェンジャーのサポートもままならない。そうなれば、彼女も毒を受けてしまったらその時点で私達はチェックメイトとなる危険も考えられる。

 

(このように、決戦でのルールにも穴があります。敵はそこを上手く利用してきますが、私達は逆にそのルールに則って仕掛けるのよ)

 

 それは……多分、向こうもまさか私が攻撃を仕掛けてくるとは思いもしないだろう。

 しかも、マスターとしても素人、魔術師としても素人で、誰かと近接戦闘を行った事もないような、どこにでも居るような女子高生の私だ。

 私が彼らの立場だったとしても、私が直接攻撃してくるとは到底思わない。

 

 だけど。

 

(でも、私が攻撃したところで、ダンに届くとも思えないんだけど……)

 

 問題なのは、私程度ではダン程の強い戦士に到底及ばぬであろうという事。それは言わば蟻が巨象に挑むにも等しい愚行。彼からしてみれば、赤子の手を捻るようなものに違いない。

 

(だからこそ、よ)

 

 けれど、そんな私の迷いをバッサリと断ち切ってくるのが、この魔女なのだ。

 アヴェンジャーは一切の迷いなく断言する。それで良いと。弱くても、届かなくても構わないのだと。

 復讐の魔女は、自らの主人の弱さを肯定した上で、その考えを口にする。

 

(いい? マスターに戦闘能力が皆無だという事は、奴らにも筒抜けでしょう。だから、そんなマスターがあの老騎士に特攻を掛けるのは、インパクトとしては十分すぎるくらいに効果を発揮するはず)

 

(確かにインパクトは大きいだろうけど、その先は?)

 

 結局、私の力ではダンには遠く及ばないのに、そこからどうしろと言うのだろうか。

 

(別に勝てって言ってる訳じゃないわ。マスターには、貴方が敵のマスターを攻撃するという事象を引き起こしてほしいだけ。その上で、アーチャーへとこちらが仕掛ける手を打つのよ。時間もそう無いから、手短に説明するわよ───、)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 敵は一向に動きを見せない。このままでは散布した毒霧も、無意味に霧散してしまうだろう。

 停滞はすべきではない。故に、アーチャーへと出すべき指示は……。

 

(アーチャー、ストックしている毒粉末も全て使用してしまって構わん。場の支配を維持し、敵の周囲を毒で囲んでしまうのだ)

 

(了解っと。いやぁ、ダンナもエグい手を打つもんだ。逃げ場を奪っちまえば敵さんも格好の的ってね)

 

 アーチャーはこちらの指示通り、持っていた毒粉末入りの小袋を全て取り出すと、一斉に敵サーヴァントの方へと投げ捨てる。

 

「む……」

 

 アーチャーがそれらを投げ捨て、射抜くよりも先に敵マスターである少女が包囲陣より単独で脱け出す。

 サーヴァントを置いて離脱する事自体は愚かではない。サーヴァント諸共毒を浴びる事を避けたのだろう事は容易に想像がつく。

 だが、あれでは毒の治療など到底不可能となってしまうだろう。見たところ、彼女にコードキャストでの治療は出来ないはずだ。

 でなければ、敵の接近を許してまで直接サーヴァントに治療薬を用いるなどという危険な行為はしない。以前アリーナで見たあれは奇策ではあったが、同時に危険な賭けでもあったに違いない。今回とて同じ事。

 

 ならば、何故。

 岸波白野はどうして、サーヴァントだけを置いてその場を離れる事を選んだのか。

 機転が利くところを見るに、賢いタイプの人間であるように見受けられる。それゆえに、その事を分かっていない訳でもあるまいに。

 

 彼女が取った行動には何か意味がある。そう思い、アーチャーには引き続きアヴェンジャーへの攻撃を任せながらも、わしは岸波白野の動向にのみ注意を払う。

 

 そして、やはりというべきか、彼女は完成した毒霧の包囲網から離れると同時、こちらへ向けて一直線に走り出してきた。

 

「なんと……! 狙いはわしか……!?」

 

 この状況での彼女の突進は、もはやそれ以外には考えられない。岸波白野は、自ら敵であるわしへと攻撃するという手段を選んだのだ。

 

 だが、無益。あまりにも無益なり。

 

 長年、狙撃手として戦場に身を置いていたと言えど、これでも英国騎士の端くれ。近接戦闘とて当然ながら心得ている。

 あの少女は確かに機転が利くし、頭の回転も良い。されど、身体は年相応の少女のそれで、身のこなしも戦士には程遠いもの。

 敵わないと分かった上での特攻か、それとも何か策があるからこその突撃か。

 どちらにせよ、体術で負ける気は全くしないのだが。

 

 しかし、迷いのないその足取り。もしや、何かこちらの想定外の戦術でも練っているというのか?

 

 そうこうしているうちに、少女はわしとの距離を詰めてくる。近くにまで来て分かったが、手には小刀を。もう片方の手に端末を持っているようだ。

 

 小刀はまだ分かる。それを武器として戦うつもりなのだろう。だが、端末は? 一体何のために今、武器でもない端末を手にしているのか?

 

 それが判断を鈍らせ、どう対応するかを決めかねている間にも、少女は既に目と鼻の先までに迫っていた。

 

「むぅ……!?」

 

 歳故か、岸波白野の身体が若さ溢れる故か、想像以上に距離を詰めてくるのが早い。彼女は小刀の射程圏内に入るや、ナイフでも扱うかのように、左手に持った小刀で斬り上げてくる。

 

「せいやぁぁぁぁ!!!!」

 

 気迫の乗った一撃。けれども、腰の入っていないその斬り上げを、わしは寸でのところで体を後ろに下げるようにして避ける。

 振り上げきって隙だらけの胴は、打ってくれとでも言わんばかりで、無論そこにガンドを撃ち込む。

 

「かはっ!?」

 

「脇が甘い。腰も入っておらん。刃に怯えも見える。気迫だけではわしには届かんぞ」

 

 胸にガンドをもろに受け、岸波白野は勢いあまって後方へと弾き飛ばされていく。今の一撃はまさしくクリーンヒットだった。ダメージは軽視出来ないはず。

 

「……ケホッ! ゴホッ! ……くっ!!」

 

 なのに。苦痛に顔を歪めながらも、少女は尚も歯を食いしばって立ち上がってくる。痛みに胸を押さえ、呼吸するのも苦しいだろうに、それなのに彼女の意思は折れていない。

 戦う事への恐怖はある。だが、それ以上にサーヴァントへの信頼に応えたい───そんな感情が、岸波白野の目からは読み取れた。

 

「戦意が失われないのは良い事だろう。しかし、君とわしでは、戦闘経験の差が大きい。単純に向かってくるだけでは、そちらに勝ち目はない。ならばサーヴァント同士の決着を静かに見守るべきではないか?」

 

「確かに、私には技術も経験も、圧倒的に不足している。貴方になんて遠く及ばないのも分かってる。私程度じゃ、貴方には勝てないなんて百も承知。だけど」

 

 本物の戦士とは、その技量がそれを示すものではない。本物の戦士が何を以て“本物”と言わせしめるのか、それは───

 

「それでも、私は見てるだけなんて出来ない。アヴェンジャーと一緒に、この聖杯戦争を戦っていきたい」

 

 それは、何人にも負けぬという不屈の精神。実力差などお構いなしに、ただ勝つ為だけにもがき、抗う強き意志。負けも痛みも恐れぬ鋼の心。

 それらを持つ者こそ、“本物の戦士”と呼ぶべきなのである。

 

 そんな事が、彼女──岸波白野を見て、わしの脳裏には浮かんでいた。

 

 

 

 そして、それこそが、こちらにとっては最大の隙であり、彼女にとっては唯一無二の好機となってしまったのだ。

 

 

 

 ただ、ただただ、彼女の心の有り様に感服した。そのほんの一瞬の僅かな隙を、岸波白野は見逃さなかった。

 予期せず訪れた好機に、彼女は的確にわしの意表を突いてみせたのである。

 

「…………グフッ!?」

 

 意識の外から、突如この身を襲った、決して軽くない一撃。握り拳が腹を抉ったかのような、鈍い痛みに、思考が一時停止する。

 何が起きた? 衝撃が来た方向からして、今の一撃は正面からによるものだ。ならば、やったのは岸波白野に違いない。

 しかし、どうやって……?

 

 腹を押さえ、其方へと目を向けてみれば、いつの間にか小刀よりも更に短い見慣れぬ刀を持って、そしていかにもそれを振り切ったような姿の岸波白野の姿があった。

 先程まで手にしていたはずの小刀は、気付けば腰のチェーンベルトに差し込まれている。

 

「……なるほど、流石は若さ、だな」

 

 一連の出来事、現在の状況から読み取るに、今のは岸波白野によるコードキャストでの攻撃だろう。

 かつて見せた携帯端末の素早い操作で、今彼女が手にしている短刀を取り出し、そしてそれを用いてガンドのようなものを打ち出した。

 あの短刀は、彼女にとって最大の隠し種であったのだろう。何せ、こちらも予想外の不意打ちに、良いダメージをもらってしまった。

 

「参考までに聞かせてくれないか。今の技は何だったのだね?」

 

 こちらの問いかけに対し、彼女は存外にも素直に答える。一度使った技はもう通用しないと分かった上での判断だろう。

 

「空気撃ち/一の太刀、です」

 

 躊躇いなく、技──コードキャストの名前を口にした少女は、どこか清々しいまでに何事かを成し遂げたかのような顔をしていた。

 

 

 

 

 

 ───そしてそれを契機に、場の流れが変化していく。

 

 

 

 

 

「マジかよ……!? 老いてるとは言え、ウチのマスターは騎士だぞ。なのに素人がダンナにダメージを負わせるとかどういう了見なワケかね!?」

 

 目に見えてアーチャーの顔には驚愕が浮かび上がっていた。まさかダン・ブラックモアが素人マスター相手に一本取られるとは、夢にも思わなかったからだろう。

 彼は毒粉末による牢獄で、私の動きを封じ込められたと思っているのか、背後に居る自らのマスターへと視線を送った。

 アーチャーが見せた油断、そして怠慢。後方に向ける視線はほんの一瞬のつもりだったのだろう。だけど、そのほんの一瞬が命取りになる。

 

「………フフッ」

 

 マスターは上手くやった。ならば、今度は私がやらなければ。

 二秒にも満たないであろう好機。魔力を指先に集中させ、アーチャーが振り向くよりも先に、私は指を鳴らすと共に魔力を解放させた。

 

 炎を放つのではなく、火花を散らす程度の魔力。だが、それで十二分に効果を発揮する。

 小さな種火、それによって巻き起こるのは遥かに上回る大爆発。いわゆる、“粉塵爆発”と呼ばれる現象である。

 

「!!!?」

 

 いきなりの爆発は、最も毒粉末の近くに居た私、そしてアーチャーに否応なく襲いかかった。

 しかし、私はあらかじめこの爆発を頭に入れていたので、爆風を利用した炎の噴出で上へと逃れるという算段だ。まあ、無論ながら少しは爆発のダメージは喰らうので、無傷とまではいかないが。

 

 それでもアーチャーは違う。彼は予期せぬ爆発を、かなり間近で受けてしまった。そのダメージは計り知れないものとなったはず。

 

 爆発の余波は、マスター達の方にも出てはいたが、少しばかり熱風に煽られるという程度のもの。問題視する程の事でもない。

 私は爆発から離れた位置に着地するや、すぐに大鎌を旗へと持ち替えて、未だ轟々と燃え盛る爆発の炎を、さながらモーゼの海割りのごとく左右へと分断する。

 爆発の要因こそはアーチャーの毒粉末だが、それに発火させたのは我が炎。

 ならば、あの爆発で生じた火炎は全て私のものと言っても過言ではない。それを操る事など造作もなく、出来て当たり前なのだ。

 

 炎の割れた先、爆発で吹き飛ばされたアーチャーの姿を視界に捉えた。大ダメージを負ってはいるが、それでも致命傷までには至らなかったのだろう。手をついて今にも起き上がろうとしている。

 

「隙だらけよ!!」

 

 私は炎の裂け目を縫うように走りながら、同時に黒槍を宙で形成する。仕上がった黒槍をアーチャー目掛けて射出し、腰に提げた剣を抜いて、旗との二刀流の要領で敵へと突進した。

 

「チィ、このクソが!!」

 

 黒槍を矢で相殺させ、こちらが切迫するよりも早く、全身をバネのようにして後転倒立で体勢を整えるアーチャー。

 私はお構いなしに二つの得物を、目の前の獲物へと問答無用に振り抜く。

 

「くおっ!?」

 

 剣こそ射程不足で届かないものの、旗の凪ぎ払いはアーチャーの胴へと入り、苦悶の声を捻り出させる。

 そのまま力任せに彼の体ごと、旗を大振りに振り回して、アーチャーを思い切り振り飛ばした。

 

 放り出されたアーチャーは、運が良いのか、たまたま己のマスターであるダン・ブラックモアの方向へと転がっていき、それと入れ替わりでマスターがこちらへと駆けてくる。

 

「アヴェンジャー! 作戦成功だよ!!」

 

 想像以上の成功に、マスターの声も明らかに高揚を隠せていないが、それを指摘するのも今は野暮というもの。

 私はちょっかいを掛ける事もせず、次へと意識を集中する。

 

「マスター、まだ戦いは終わっていません。敵の動きに注意しなさい」

 

「う、うん……。でも、今のでアーチャーにも相当のダメージを与えられたはず───」

 

 マスターは、そこでハッとしたように口を紡ぐ。どうやらマスターも気付いたらしい。

 

 アーチャーは、()()()()()()()()()を行っていない。

 

 これまで散々小細工をしてきたアーチャーだったが、彼の主力とも言うべき『祈りの弓』は、単なる武器としてしか扱っていなかった。

 なら、この状況で考えられるのは、宝具による逆転狙い。追い詰められた今こそ、宝具を使わずして何となる。

 

 こちらの危惧は、やはりというべきか、当たっていた。

 

「まさかこれほどまでに追い込まれようとはな」

 

「まったくっすよ。素人マスターだと侮った結果がこのザマだ。ハハッ、笑えねぇ」

 

「だが、それでこそ戦うに値する。アーチャーよ、宝具を使え。これで決着を付ける」

 

「おうとも。仕込みは足りないが、まあ上々だろうさ」

 

 ダンが宝具の使用を許可した。つまり、宝具の真名解放───敵の切り札を出してくるという事。

 

 でも、『祈りの弓』の効力がマテリアルに書いてあった通りなら、こちらが毒を受けていないと意味がないはずなのだが……?

 

「悪いねぇ、お嬢さんが隠し玉を持ってたみたいにさ、オレにも有ったりすんだわ。これがさ。注意しな、オレの宝具の真名解放は早いぜ?」

 

 こちらの考えが読まれたかのように、アーチャーは的確にその答えを口に、し……た?

 

 トスン。

 

 そんな音でも聞こえてくるくらいに小気味良い、それでいてズブっという肉を抉る感覚があった。

 途端、腕に走る鋭い痛み。そして腕を通して全身に広がろうする鈍い痛み。

 

 もしかしなくても、私の腕に、矢が刺さっていた。

 

「ど、うし、て……!?」

 

「アヴェンジャー!? 一体どこから……?!」

 

 分からなかった。私も、マスターも、どこから矢を射られたのかが、まるで分からなかった。

 

 しかし、敵も待ってはくれない。アーチャーは既にこちらへと弓を向けていた。

 

「我が墓地はこの矢の先に――森の恵みよ、圧政者への毒となれ。毒血、深緑より沸き出ずる! (なばり)の賢人、ドルイドの秘蹟を知れ―――!!」

 

 マスターが解毒するよりも早く、言葉の通り、アーチャーの短い詠唱が終わるとほぼ同時に、彼の宝具が真の力を露わとする。

 

 弓より出でし大樹の腕が、地を這う蛇の如く、瞬く間に私の腕を絡め取り、締め上げるようにすっぽりと覆い尽くす。

 抜け出そうにも、まるで動かず、びくともしない。

 

「アヴェンジャー、今からでも解毒すれば───」

 

 マスターが目に涙を溜めて、端末から治療薬を現出させるが、そんな彼女の言葉を阻むかのように、無慈悲な言葉が被せられた。

 

「もう手遅れだぜ、お嬢さん?」

 

 

 そして、次の瞬間には、私の腕は

 

 

 

 

 

 

 ───弾け飛んでいた。

 

 

 

 

 




 
前に活動報告でも述べましたが、Fate/EXTELLAの続編が制作決定し、公式サイトも立ち上がりましたね!
そして今度のキーパーソンは、かのフランスに名高きシャルルマーニュ十二勇士を従える王──シャルルマーニュ本人だとか!

それも良いですが、個人的にグッときたのはザビーズのサバイバルな新衣装!
なにあれザビ男マジイケメン! ザビ子の新方面の可愛さ発見!

うん、これは買いですな。

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