クロス・ブレイド~剣爛舞踏~   作:ゲキガンガー

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第二章「シーサイドクロスブレイド」③

明智家は先祖代々伝わる武家の家系である。そう、戦国大名でも明智と名の付く性は多かった。それの由来といえるかもしれない。もっとも何百年も経過すれば人類皆兄弟というか、何代も続けば殆ど他人のようなものかもしれない。直接的な血縁としては弱いが、その武家の形式は以前として残っていた。民を守る為に先人をきるのが武家である。

 とはいえ、今は昔のように武家の家系とはいえ、民からの年貢があるわけではない。凌ぎを行う必要があった。その凌ぎとは現代で言えば妖魔を退治する事にある。

 平たく言ってしまえば妖怪退治だった。

 姫乃の家系はそれを生業にしている。姫乃は時としてアルバイト代わりにその生業を手伝っていた。今日はその手伝いをしにある目的地に行こうとしているのだ。

 刀哉を連れてきたのは手伝って欲しいから、という事である。

勿論それは方便である。はっきり言ってしまえば。当の本人は顔を真っ赤にして否定するとは思うが。

そういう理由づけの元、刀哉を連れ出したかったのである。

ただの逢引(デート)である。

 

「……ここが目的地か」

 二人がたどり着いたのはテーマパークだった。総合型アミューズメント施設というか。早い話が遊園地だった。特に流水プールやウォータースライダーなどの施設に力を入れており、様々な遊びで楽しむ事ができる。若い男女に人気のテーマパークだった。周りを見ればそういう人間も多かった。

「本当にこの中に妖魔がいるのか?」

「い、いるわよ。そう聞いているもの」

 半信半疑の刀哉を半ば強引に施設の中に入る。

 入場料は偉く高かった。あまりこういった遊びに関心のない刀哉にとっては関心がなかったが。千葉の有名なテーマパークと同じくらいには値段が張った。

 

 施設に入る。次に男女の更衣室があった。なんでも施設の中では水着で行動するのが主らしい。仕方なく刀哉は事前に持ってきたバミューダ型の海水パンツを身に着ける。そして、男子更衣室から施設へと移動する。

 そこはいくつものプール型の施設があった。流水プールに、ウォータージェットスライダー……などなど。市民プールでは味わえないような、様々な流水施設がその場にはあった。

 そして、そこには多くの水着を着た若い男女がいた。中には目のやり場に困るような、露出度の高い水着を着た女性も多く見られた。そしてそれが目当てとしか思えない鼻の下を伸ばした下心満載の男達もまた存在した。

「……待った?」

 やはり水着の着替えは女の方が手間取るようだ。朝の待ち合わせの時と同じく待たされる。今回は仕方ないとはいえるが。

 ――そう。他にも水着を着た女性は多くいたが、一際、男性陣の目を引いた。姫乃の水着は清純な白。そしてそのビキニは彼女のイメージと調和していて似合っていた。

 それは同時に、女性陣からの嫉妬と羨望を同時に買う事になる。

「いや。別に……」

 あまりそういった感性を持ち合わせていない刀哉も、所詮は思春期の男の子である。多少なり意識もする。思わず視線を逸らす。

「どうしたの?」

 無邪気にのぞき込むようにしてこちらの様子を伺う姫乃。思わずその豊満な胸元。谷間に視線がいってしまうのは男の性か。

「別になんでもない」

 刀哉は頭を振る。

 それよりも疑問点があった。

 こんな所に果たして妖魔がいるのだろうか。これではただ単に遊びにきているだけではないか。

「いこ」

 そう言われ、手を引っ張られる。 

 ーーただ、その時妖魔ではないが、人間の視線というものを感じた。

 見られている。そう、周囲の人間とは異なり、明確な目的を持った視線だ。刀哉はそれが気になった。

 

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