クロス・ブレイド~剣爛舞踏~   作:ゲキガンガー

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第二章「シーサイドクロスブレイド」④

「・・・・・・くっ。お姉さまの見事なまでの雌豚ぶり。淫乱ですわ。みだらですわ」

 遠く離れたところ。そこにはカフェコーナーがあった。カフェといっても水着で利用できるカフェである。

 とこで水穂はトロピカルなパフェを食べつつ、双眼鏡で対象を覗いていた。対象とは勿論、姉である姫乃とそれからそれに付きまとう(正確には付きまとわれているのだが)蠅。どこの馬の骨ともわからない平凡な男だ。

「全く、あのお姉さまをどのような手を使って、あんな見事なまでの雌豚にしたのか。問いつめたいものですわ」

 スプーンでパフェを口に運ぶ。

 二人はどんな関係に進展しているのだろうか。まさか既にもう。深淵の奥底のような関係なのかもしれない。そう、二人のみだらな、嫌らしい関係は。

 バイブ。鞭や縄。蝋燭を使うような関係なのかもしれない。果ては木馬まで。勿論経験はない。だが断片的な性知識は妄想に歯止めというものがきかない。妄想はどこまでも広がっていき、そして常識の範疇ではとどまらなかった。

「い、いけない! 二人をこのままにしておくわけにはいかない。あの男の呪縛からお姉さまを解かないと。きっと取り返しのつかないことになるに違いない!」

 水穂は叫び立ち上がった。

 ーーと。対象に動きがあったようだ。引き続き、監視に映る。

 その時。彼女は自分以外に二人を熱心に見ている少女に気づいた。金髪碧眼の少女だった。勿論、二人を見ている者は大勢する。だがその多くは好奇の視線だったりする。そこには感情というものが含まれている。

 それに対して彼女の視線は淡泊だった。感情というものが含まれていない。何となく鷹が獲物を狙うような、目的のある目だった。冷徹な眼差し。

 勿論、彼女が姫乃とあの粗野な男に対して危害を加えるという確証もなく、証拠もない。

 だからただの錯覚かもしれない。

「・・・・・まさかね」

 水穂は頭を振り、否定をした。考えすぎるのが自分の悪い癖だ。今回もまたその考えすぎる癖の結果だろう。その結論に達し、彼女は自らの姉を追った。

 

 流水プール。普通のプール。波をうつプール。などなど、様々な流水施設がこのアミューズメントパークにはあった。確かに人気があるのも頷けた。どれも凝っていた。中にはジェットコースターのような施設もあった。金がかかっている。

 そして、この会場施設でも売りだったのが超高所からのウォータースライダーだった。最高高さは100メートル近い。

 下手をすれば怪我、さらには死亡事故などの重大な事故につながりかねないとは思うのだが、テーマパーク側からすれば安全には配慮しているとのこと。何にせよリスクの大きい遊び程、人間の心をくすぐるのだろうか。大勢の人がこのウォータースライダーを滑っていった。

 刀哉と姫乃の二人もこのウォータースライダーを滑りに高台に昇っていく。そして結構な長い時間をかけて、二人は頂上までたどり着いた。

 高所恐怖症だったのなら卒倒してしまうだろう。下手なビルの屋上にいるよりも高い。

「どうしたの?」

 姫乃は心配そうに聞いてきた。

「・・・・・・何でもない」

 刀哉は頭を振る。

「へー。怖いんだ」

 意地が悪そうに笑う姫乃。

「そんなわけないだろうが!」

「ムキになって否定するところが怪しい。それより、さっさと滑ろう」

「・・・・・・ああ」

 二人は超高所からのウォータースライダーを滑り始める。下の方では多くの悲鳴が聞こえてきた。純粋に楽しんでいる時にあげる声もあれば、単なる恐怖心からあげる声も含まれていることだろう。

 

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