ハイスクールD×D ~終焉の道化師~ 作:元気マックスssさん
黒歌もだいぶここの生活になれた。最初はどこかぎこちなく完璧に皆に心を閉ざしていたが、ここで生活するにつれて黒歌は嫌なこともすべて忘れていた。
ふと黒歌はいつも自分を見張っているネアが寝ているのに気づいた。
ネアのすぐそばにはネアがいつも読んでいる本が置かれていた。
「(いつも何を読んでるんだにゃ。まさかエッチな本とか読んでたり)」
黒歌はその本のカバーをはずすと中から表紙が出てくる。そこには。
「…………」
『女の子の気持ち』
という本が書かれていた。内容は女の子にはどう接すればいいのかとか書かれている。
「ばっかみたい」
ふと黒歌はネアの寝顔を見るとあの光景が頭に浮かんでくる。それは妹との別れ。
「…………出よう」
黒歌は教会から出ていった。
数時間後。
お…………て、おき、……て。……ア!
「……ん」
起きて!ネア!!
「おわっ!!ってなんだよバーバか。どった?」
「た、大変だ!黒歌がどこにもいねぇんだ!!」
「………そうかよ」
あの野郎人が寝ている合間に。もうどうでもいいか。
「いいから追いかけな」
「マザー」
そこにいたのはマザーだった。マザーはタバコを吸いふぅと煙を吹くと。
「あんたはいつからそんな薄情者になったのさ。早く行きな」
「どうしようが俺は知らねぇぞ。あいつが勝手に出てったんだ。それにもう傷も治ってる」
「あんたはあの傷が自然についたもんだと思ってるのかい?」
「確かにあれはつけられた傷だ。でもそれは」
「シチュー抜きにあんたのここの立ち入りを禁止する」
「だぁぁぁ!!いけばいんだろ!いけば!あの猫女!面倒ごと増やしやがって」
そしてネアはコートを着て外へと出た。
「まったく素直じゃないねぇ」
「うんうん」
出ていった黒歌を探しに出掛けたネアは必死に黒歌を探していた。
「どこ行ったー!猫女!」
たくあの女。と愚痴をこぼしながらもネアは探していた。
ネアsideout
黒歌side
「う……はぁ、はぁ。……しろ、ね」
「追い詰めたぞ。黒歌」
黒歌は現在、悪魔に囲まれていた。
「ここまでだ。わが主の仇、ここでとらせてもらう」
「だがその前に」
「あぁ、ちょっとくらい楽しませてもらおうか」
黒歌はふとあの日々を思い出す。
「(そんなに楽しかったのかにゃん。あの日々は)」
ここまでか。と黒歌は諦めた。
あぁ。マザーのシチューもっと食べたかったなぁ。
あぁ。白音に会いたかったなぁ。
思えば自分がこれまで歩んできた人生はとても良いとは言えなかった。
主に騙され。悪魔に追いかけられ。とても嫌な奴に悪口を言われ。とてもおいしいマザーのシチューを食べたり教会にいたバーバやマザーと楽しい話を…………あれ?
いつの間にか黒歌はポロポロと泣いていた。
「(なんだ。私って幸せだったにゃん。………白音。ごめんね、……さき言ってるから)」
その時だった。
ドサッと何かが倒れる音がした。見れば先程の悪魔が無惨な姿で死んでいた。
「え?」
「なにベソかいてんだ?」
そこにいたのはあの男。ネアだった。ネアの右手には血がベッタリとついた大きな十字架模様の大剣が握られていた。
「なんでここが」
「あぁ?お前を追ってきたんだよ」
「どうして」
「どうしてだぁ?お前は怪我人だからおとなしく寝てろって前にも言ったろうが。これだからガキは」
「ガキいうな。…………ありがと。でも私は」
「SS級のはぐれ悪魔。なんだろ」
「ッ!…………うん」
「別にマザーも俺もどうもしねぇよ。……ほら帰るぞ。今夜はシチューらしい」
「う、ん」
帰る道中。黒歌は泣いた。ネアはマザーのいる教会へと戻るとそこにはマザーやバーバが迎えてくれた。
「泣きつかれて寝ちまったみたいだ」
「まったく。世話の焼ける子だよ」
そして翌日。
「そっとそっと」
「なに逃げようとしてたんだ」
「ひゃう!!」
黒歌は朝、教会から出ようとしたところまたネアに見つかってしまった。
「たく。お前もこりねぇな」
「私には」
「んぁ?」
「私には生き別れの妹がいるにゃん。私はその妹を探さないといけないにゃ」
「……………」
「それに私ってほら。SS級はぐれ悪魔だから。またいつアイツらみたいなのが襲ってくるかもしれないにゃ。そうしたらここにいるマザーやバーバに迷惑かけちゃう」
「おい」
「ん?っておわっ!」
ネアは黒歌に大きな鞄を投げ渡す。
「これは?」
「それは俺の商売道具。持つのめんどいからお前が持て。……いくぞティム」
するとネアはもうひとつの鞄をもって相棒のティムをつれて歩き始めた。
「いっちまうのかい?」
「おう。今度はこいつの妹探し」
「え!?」
「なに驚いてんだ。ほら行くぞ」
「バイバイ!!ネア!黒歌!」
「おーう!じゃあなバーバ!」
黒歌は何が何だかわからなかった。
「ちょっ!どういう事にゃ!」
「手伝うっつってんの。それに前も言ったろう、俺は旅人だって。だが俺がお前の妹探しを手伝うかわりにお前には俺の仕事を手伝ってもらう」
「し、仕事?」
「お前猫になれんだろ?」
「う、うん」
ニヤリ。とネアのオーラは黒くなる。
「へ?」
「これからお前は俺の商売道具だぁ!!ガッハッハッハ!!」
「にゃ、にゃにーーー!!!」
こうして二人のちょっぴり苦労な旅が始まったとさ。
めでたし、めでたし。
「めでたくないにゃん!!」