短編集   作:雨の日

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鍛冶の王・閑話 魔道具について

 鍛冶の王こと古鍛治神代とクロエ・スミスの対面は原作から8年も前のことだった。その8年の間に古鍛治はクロエの所属している魔術結社『アメクメネ』の強化にいそしんだ。その強化のためにつくられたのが魔道具『無限の可能性』である。

 

 この魔道具の最初の形状は蒼いリストバンドで1週間ほど持ち主を観察する。人間関係やどんな魔術を使用するのか、血統はどんな感じかなどあらゆる情報を収集する。そして魔道具が観察している間はどんなことをやってもこの魔道具を外すことはできなくなっている。流石に神の一撃に耐えることはできないが魔術師の攻撃には耐えることができるのだ。

 

 そして情報が十分に集まると持ち主に相応しいものに変化する。よく武器を壊す騎士の場合は生半可なことでは壊れない頑丈な武器に、精霊に呼びかける魔術を使用するシャーマン系の魔術師の場合はそれを補助する杖にっといった風に。

 

 変化した魔道具の情報は古鍛治の屋敷にあるデータベースに載っていてそれを見ればどんなものかわかるようになっている。ただ、古鍛治の屋敷に入れるものは少ないので基本的に古鍛治がそのものにどんなものになったか文書で教えることになっている。

 

 この変化が魔道具の第1段階である。次に様々な経験を積んだりすると第2、第3と魔道具は成長していく。そして第7段階に至ると魔道具に固有の名前がつく。その名前は様々な神話の神だったり、英雄だったり、書籍のタイトルだったりと様々である。

 

 名つきにまで成長した魔道具を所持している者は実力で言うと聖騎士の少し下あたりに相当する。そしてそこから魔道具によって違うその魔道具に関係のある試練を達成することによってさらなる成長を遂げる。

 

 最終10段階に至った魔道具の所持者はまつろわぬ神に運が良ければ勝てるというくらいの実力を持ち、実際に弑逆した者が4人もいる。

 

 1人目はシャイテ・イズイット。最初に弑逆した神はアスクレピオス。天真爛漫な性格だがそれは表面だけ。人との付き合いのために被っている仮面である。故に彼女の魔道具は『仮面(ペルソナ)』となった。基本武装は古鍛治が鍛えた神をも傷つけられる槍で仮面によって異なる異能を使ってたたかう策士である。権能の完全掌握は4年前のヴォパン公爵のまつろわぬ神招来の時であった。

 

 2人目はクロエ・スミス。最初に弑逆した神はボイボス・アポロン。冷静で理知的な優秀な秘書というのはこういう人だと見本になりそうな女性である。アポロンを弑逆したことによって魔術結社『アメクメネ』の総帥にさせられてしまった。古鍛治と魔術結社の橋渡しも行っているのでかなり多忙。彼女の魔道具は下っ端時に魔道具の鑑定やまつろわぬ神について調べているうちに変化したもので『妖精の眼(グラム・サイト)』という。あらゆるものを観察し分析することができる眼鏡型の魔道具である。権能の完全掌握は6年前の古鍛治直々の試験の時であった。

 

 3人目はスーダン・モーテル。最初に弑逆した神はモーゼ。猪突猛進な性格で一度こうだと決めるとそれに向けて一直線に向かっていく性格をしている。魔術についてはさっぱりだが剣についてはサルバトーレと同等かそれ以上の才能がある。目標に向かうためにあらゆる犠牲を払うタイプで魔道具を渡された時に古鍛治に聞いた多次元屈折現象を習得しようとしてよく剣を折っていたので折れない剣『不壊聖剣(デュランダル)』に変化した。権能の完全掌握は2年前に目標として半年ほど経った時であった。

 

 4人目はマユ。最初に弑逆した神はバルドル。原作開始の3年前にシャイテがオーストラリアに襲来したまつろわぬトールによって廃塵と化した村から拾ってきた少女である。年齢も原作当時8歳と魔術結社『アメクメネ』内で最年少である。シャイテとクロエ以外とは誰も口をきかないため古鍛治もシャイテ経由で魔道具を渡している。彼女の魔道具は村に襲来したまつろわぬ神が脳裏に強く残っているのか『戦神の鎚(トール)』とその時襲来した神の名を関している。権能の完全掌握は原作開始から1カ月後であった。

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