友人A「ブラウザのほうの艦これでイベントやるってよ。今度北海道だぜ!?」
作者「へー俺らの地元じゃん」
友人A「しかもさ、部活敬語のキャラ追加されるんだよ!」
友人B「......あのさ」
作者「うん?」
友人B「どっちもお前の小説で先取りしてね?」
友人A 作者「「!?」」
アザミとステラがブルーショルダーに入隊してから二週間が経ったある日。
パラオ泊地内部にある、基地の自前の艤装の整備工場の監視室にて、ガラス越しに装備の自主点検を行っている艦娘達を見ていた富川へ、部下の男が口を開いた。
「あれから二週間が経ちましたが、特にこれといった動きは二人にありません。それどころか、模範生と取れる行動ばかりを、奴はとっています」
「続けろ」
「はっ。まず五十鈴ですが、基本的には朝の8時に起床し、午前中の大半を訓練に費やし、午後は空き部屋で読書に励んでいます。まるで面白味のない毎日を......」
監視カメラ越しに得られた情報が綴られた書類の束を片手に話す男へ、富川が抑揚の無い声で割り込んで話の流れを止める。
「それじゃあない」
「は?」
「もう一人の駆逐艦の事が聞きたいのだ」
「はぁ...アザミの、ですか」
富川の言葉に、強面の男は紙を何枚か捲り、アザミの日常についての観察シートを見つけると、それを目を細めながら読み上げる。
「彼女は......少し変わって...いや、むしろこの環境の中では変人の部類に入るでしょうな」
「勿体ぶらず、教えてくれ」
「は。まず、毎朝の6時に必ず起床、あまり艦娘の連中がやりたがらない給仕係を率先して引き受け、朝食を用意。そして昼食の用意も同時に済ませてから、様子見程度に訓練に参加し、夕食の準備へ......この際、毎日ではありませんが、食堂でピアノの演奏を行っています」
「ほう。なるほど」
「なかなかに芸達者なようで、訓練で疲れた者からは、このコンサートは心が落ち着くなどと好評です。また、彼女が給仕係を務めるようになってからは、不味かった飯が上等になった、などとこれも受けが良いようで」
「む......」
「他にも、司令が今ご覧になっている整備実習での怪我人の手当てをする救護係も兼任しているとのことです。それに加えてあの腕なので、おかげで現場ではかなり頼りにされている存在になっているようです」
「が、しかし......」。書かれていた緒情報をほぼ全て読み上げた後、持っていた書類を睨み殺すように鋭い目で見つめながら、男が今度は持論を述べ始める。
「司令。私は不思議でなりません」
「......続けたまえ」
「観察を続ければ続けるほど、解ってきたことがあります」
「それは、彼女が、上が送った諜報員ではないか、ということです」
男の言葉に、富川が何かが嬉しそうに笑顔になる。上司のそんな顔を見てから、そのまま男は続ける。
「規則正しい生活リズム......職務に忠実で、素行に問題なし。そして周囲の期待に応えての仕事ぶりと、豊富なボランティア精神......。どれひとつとっても、とても問題のある艦娘だとは思えません」
「司令の意向で、これまでの連中は、薬に、暴力に、命令違反など......それが日常茶飯事でもおかしくない連中ばかりを配属させるよう仕向けました。ですが奴はそんな問題を起こす素振りすら見せない......「居場所を間違っている」ような違和感を、私は持ちます。たった二週間と言えども、そんな感想を私は抱きました」
「......なかなかいいところに目をつけたな、矢部。ちょうど私も気になっていたところだ」
「司令も、で、ありますか」
部下の男が書類を見ていた頭を上げると、横には、自分の上司が楽しそうな笑顔でこちらを見ていたことに気づく。
富川は手すりに掛けていた自分の上着を手に持ち、尚も愛想のよさそうな笑顔で口を開く。
「戦闘の腕は確かだが......ボロを出さないように、と優等生ぶった行いが逆に目立っていることに、私も時々違和感を感じていた。だがそんな演技の下手な内偵がいるものか、と自分をごまかしていたんだ」
「では何故?」
「おおかた、共食いで生き残れない者が多く、凄腕が必要になったのだろうな。内偵の経験など皆無でも、ほんの少しでも情報が取れれば御の字、と考えて送り込まれたとでも思えば合点がいく......あの強さは手放すには惜しいが、機密を漏らすわけにもいかんしな」
「あまりにも「善人」すぎたのが運のつきだったな」。富川が続ける。
「磯風、嵐、加古を管制塔に呼べ。奴を始末させる」
「了解」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「呼び出しかよ。俺らが何したってんだ」
「おいおい、思い当たるものが多すぎて解らないの間違いじゃないのか?」
「へへっ、違えねぇ」
なんて、軽口を叩いているが。あの所長が何を言ってくるか、まるで想像が出来ないのがなんとも不気味だ......まぁ、死んだらその場の運とするだけか。
古ぼけたエレベーターの中で、館内放送で管制塔への呼び出しを受けた磯風が、仲間の嵐と加古と他愛ない会話を楽しみながら、そんなことを考える。
数秒後、最上階に着いたエレベーターが停止し、開いたドアから三人が出る。黄色い電球の光が広がるモニター部屋には、三人のよく知る屈強な男たち数名と、富川が居た。
富川へ、詐称を含めた言い回しで磯風が挨拶をした。
「これはこれは所長!」
「こっ、ここは収容所ではない!司令官と呼べ!」
「おっと、では司令官殿。直々にお呼びとは、何か用がおありですかな?」
にんまりと笑顔を作りながら、それでいて目は笑っていない様子で磯風が言い、お返しにと富川も彼女へ笑顔で返答した。会話に立ち会った人間は富川の部下以外の四人が笑顔だったが、漂う空気は重いものだった。
「私の目標......最強の艦隊を作るために、運、知恵、技術......そして時には汚い手段も平気で行える人材を欲していることを、お前たちも知っているだろう?」
「おかげで私たちは七年間もここでクサーい飯を食っております?」
「きっ、貴様らぁ!?」
上官に向かって平然と暴言に近い皮肉を垂れ流す磯風に、部下の一人が流石に見過ごせず大声を出すが、それを持っていた教鞭で制して、富川が本題に入る。
「君たちを呼んだのは他でもない。始末してもらいたい奴がいるのだ」
「始末してほしいヤツ?」
眉を潜める三人へ、富川が部屋にあったコンピューター機器の一つを操作し、モニターに写真が映る。そこに映し出されたアザミを顔を見て、三人が少し驚いたような顔になった。
「っ!こいつか......」
「ただのコック担当ですぜ?」
「知っている。こいつにはスパイ疑惑が出ていてな。君たちが処理してくれ」
「言うことを聞くとでも?」
「ふふ、手厳しいな......だが、こうはどうだ?そうだな......こいつを殺した後は、今後どれだけ暴れまわろうが私は見ていない」
「乗った」
富川から提案された「報酬」を聞き、三人が意気揚々と部屋を出ようとする......が、富川はそれを引き留めて説明を始めた。
「まだ待て。懸念事項があるのでな」
「懸念事項?」
「こいつの戦闘力だ。少し過去の記録を漁ったが、なかなかに恐ろしいものが出てきた」
「これを見ろ」。そう言って富川が機械のボタンを押すと、モニターに映っていたアザミの顔の上に、白地の文字列が現れ始める。
しかし、三人は書かれた出来事を読んで笑う。彼女が大きな戦果を稼いだなどという象徴的な記録がなかったからだ。
「何が恐ろしいんです?大した戦歴もない!」
「下をよく見てみろ。特にここだ」
「......戦場の平均被弾率73%に対して、自己被弾率10%以下...」
「なるほど。確かに普通じゃねぇ」
「しかし奴はまだ軍に入って一年です。戦歴が浅いからそういう結果になっているのでは?」
「見ろよ、ペーペーだから助かったんだ......」
富川の指摘も、自分達の考える「恐ろしいもの」には届いていない。そう考えて磯風と加古が大したことがないと言う。しかし富川は彼女たちのそんな行動を予測していたようで、得意気な顔をしながらボタンを押し、ページを切り換える。
「そう言うだろうと思っていた。これは去年の第五鎮守府防衛戦の記録だ。ここを見ろ」
「......!?...推定戦力比10対1の戦いで被弾ゼロ......?」
「まさか!?敵だらけの海ん中で一発も当たってねぇだと...?......ッハン、何かの間違いだ」
「アタシらに任せれば本物かどーかなんてすぐに見分けられますが?......ただの逃げじょーずの可能性だってありやすぜ?」
「......果たしてそうかな?」
加古の言葉への返事の富川の発言に、笑顔だった三人の顔が一気に険しくなる。
「私は心配だ。共食いでも手玉にとられて、君たちが皆殺しにされはしまいか......とね」
「.........ジョーダンじゃない」
「自分達が生き残ってきたのはウデがあったからこそだ。こんな新米、あっという間にバラバラにだってできる」
磯風の発言の後。最後に嵐が舌打ちをして、三人はエレベーターに乗り込み、部屋を後にする。
「.........司令官、大丈夫なんですか?」
「大丈夫だ。ブルーショルダーの最高練度が相手では、流石に死ぬはずだ」
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あろうことか、基地内で銃撃戦を行う三人。
そして逃走する影が二つ。
前代未聞の逃走劇が始まり、それは、
しかし意外な方向へと発展することに。
次回、「地図書き換え」。 ここから先は、ショウ・タイム。
春イベの海防艦のステみてびっくりしたのは俺だけじゃないはず(白目