アナザーラバー   作:なめらかプリン丸

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第101話

~~~車内~~~

 

アル「いや~、忙しい時にわざわざ迎えの車なんかさせちまって、なんか悪いな。」

 

「何言ってるんですか。社長直々の頼みですから。そこは、喜んで足になりますよ。」

 

アルベルトは、社員でもある運転手と楽しそうに和気あいあいと話していた。

 

そんな二人を他所に、一夏はずっと浮かないかおをしていた。

その理由が何なのかわかっているアルベルトは、あえてなにも聞かずにいた。

 

「そう言えば社長、またボーナスがはいってましたよ。俺達社員は言いましたよね?ボーナスはいらないですから、その金をマイルナさんの為に使って下さいって。」

 

アル「良いって良いって。俺からすれば、そんなのははした金だ。あっても無くても変わらんよ。」

 

すると一夏は、決心したのかアルベルトの法を向いた。

 

一夏「アルさん、言いたい事があるんですけど。」

 

アル「俺の答えは却下だが、聞くだけ聞いておく。」

 

一夏「俺をアルさんの会社で働かせて下さい!」

 

アル「はあ・・・どうせそうだと思ったがよ。理由を言ってみろ。」

 

一夏「俺は今日、裏社会の事情を知ってしまった。知ったからには、改善していきたいんだ!

俺だって、平和の為に役に立ちたいんだ!その為にも、アルさんの会社に入らなければ・・・」

 

言い終わる前に、アルベルトは一夏にデコピンをした。

 

アル「お前がどう思おうとも、何をしようとも変わらん。それに、お前には資格がない。」

 

一夏「そんな!俺だって最近は体力もついてきたし、ISの操縦も様になって来てるんですよ!」

 

アル「だったら、そのISであそこのおっさんを殺してみろ?」

 

そう言って指差した先には、ベンチで一休みしているおっさんがいた。

そんな事一夏には出来るはずもなく、ただ下を向いていた。

 

アル「俺らの仕事はこんなんばっかだ。このロゼットだって、お前と同い年だが既にそこそこの数をすましてる。

お前みたいな熱血正義が通用するほど、常識の世界じゃ無いんだよ。」

 

アルベルトはそう言うと、なぜか衝撃に備える体勢に入っていた。

 

アル「だがまぁ、お前がほんきだったら、幸太郎の右腕に推薦してやるよ。」

 

すると車は、急ブレーキがかかり一夏は助手席に大きく体をぶつけてしまった。

 

ロゼット「どういう事ですか社長!!兄貴の側近には俺を推薦してくれるんじゃ無かったんですか!

それなのに、こんな人の血の色も知らない様な青臭いガキだなんて、いくら社長でも兄貴に失礼ですよ!!」

 

一夏「イッタ・・・急に何なんだよ。それに、兄貴って幸太郎さんの事ですよね?それってどういう事なんですか。」

 

アル「ロゼットは幼い頃から、幸太郎や松陽さんの世話になっててな。その頃から幸太郎を兄のように慕ってるんだよ。

それより、早く車出せよ。」

 

アルベルトがそう言うと、ロゼットは納得していなかったがとりあえず車を走り出させた。

 

車内には言葉に出来ない不穏な空気が流れていたが、事の発端であるアルベルトは我関せずな態度をしていた。

 

~~~学園前~~~

 

アル「さて、やっとついたか。思ったよりも長かったな。」

 

そう言ってアルベルトは、さっさと学園に向かって歩き出した。

一夏も後を追おうとしたが、ロゼットに肩を強く捕まれた。

 

ロゼット「お前が社長や兄貴と仲が良いのは聞いている。でもな、兄貴の側に立って兄貴を護ってくのは、俺の役目だ!

お前みたいな野郎には、荷が重すぎるんだよ!!」

 

ロゼットの言いたい事はわかっているが、なぜか一夏は引こうとは思わなかった。

 

一夏「そうかもな。でも、俺にだって護りたい正義があるんだ。その為だったら俺は、どんな事だろうが引く気は全くない!」

 

ロゼット「そうかよ。まぁ精々無駄に足掻くんだな。いずれ、自分が浅はかだって知るんだからな。」

 

そう言ってロゼットは、車に乗り込んでいった。




意外な所でライバル出現ですかね?
幸太郎が兄貴だなんて、なんだか違和感があるような。

ロゼットが運転出来ているのは、アルベルトの会社の影響力のお陰と思ってください。
一夏と同い年なら、車の免許取れないですが。

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