桜華「なるほど・・・ロゼットの気持ちは痛いほど理解出来るわ。」
桜華「なら、この話を聞いてあなたはどうしたいのかしら一夏くん?あなたの意見も聞きたいわ。」
桜華が振り向いた所には、一夏とアルベルトが立っていた。
桜華「さて、後は若い者たちに任せて私たちは中に入ってましょ。」
そう言って桜華は、アルベルトの肩を叩いた。
桜華の考えを理解したアルベルトは、なにも言わずに桜華の後についていった。
二人残された一夏は、今まで一番気まずい状況になっていた。
自分は、よく言えば誰とでも気さくに話せる人間だと言うのは、周知の通りだが、さっきまでのロゼットの言葉を聞いて何を話せば良いのかわからなかった。
それを察したのか、ロゼットはため息を吐きながら一夏に近づいてきた。
ロゼット「言っておくが勘違いするなよ?お前が良い人間だってのは、さすがに俺だってわかってる。兄貴が認めてるんだ。それはわかる。」
一夏「じゃ、じゃあ俺達は仲良く出来ないのか?俺はお前とも和解していきたいんだ。」
ロゼット「それは無理だ。お前が兄貴の右腕になる気なら、俺はお前を殺してでもそれを止める。俺がお前を嫌っている理由はそこだからな。」
一夏「だったら、俺が右腕じゃなければ良いんだな?俺だって幸太郎さんの為に働きたい。でもそれには、俺一人じゃダメなんだ。
俺とお前じゃ無ければ、幸太郎さんを支えれないんだ。俺とお前が協力すれば、どんな敵が相手だろうと絶対に負けないんだ!」
一夏は同意を求める意味で、ロゼットに手を差し出した。
そしてふたりの間に静かな時間が流れた。
数秒しかなかったが、まるで何時間かのように一夏は感じた。
するとロゼットは一夏の手をはね除けた。
ロゼット「お前の言いたいこと。そしてそうした方が正しいのはわかっている。」
ロゼット「わかった・・・。お前の提案受けてやる。その代わり、俺が兄貴の右腕。お前はただのサポートだ。それだけは忘れるなよ。」
一夏「あぁ!お前がそれで納得してくれるのなら、俺はそれで十分だ。その代わり、俺だってやるときにはお前よりも頑張っていくからな!」
そう言って二人は、お互いの手を取りあった。
お互いに様々な想いが交差した握手であったが、二人は決して目を離す事なく、お互いの目を見ていた。
その目には、言葉に出来ない熱い想いが二人には感じ取れた。
ロゼット「俺が言えた立場じゃ亡いが、お前も思ったよりも頑固で譲れねぇな。」
一夏「当たり前だろ?なんたって俺は、世界初のIS男子操縦者だぞ?中途半端な気持ちじゃ生きてねぇよ。」
これで、めでたく二人は和解しましたね?
果たしてこれが和解と言えるのかはわかりませんが・・・。
まぁ、ロゼットも一夏事態を否定してる訳じゃありませんしね。