アナザーラバー   作:なめらかプリン丸

107 / 143
第107話

~~~マイルナの研究所 集中治療室~~~

 

この日、幸太郎をよく知る面々には今まで以上に緊張感と終わりのない不安感に教われていた。

なぜなら、幸太郎の病状が悪化してしまい峠に入って入るからだった。

 

一夏「なぁ千冬姉、幸太郎さんは大丈夫なんだよな?」

 

千冬「え・・・あ、あぁ。当たり前だ。なんたってマイルナさんが付きっきりなんだ。大丈夫だ心配するな。」

 

まるで、自分に言い聞かす様な口調で千冬は言った。

 

すると、集中治療室の扉が開きマイルナが出てきた。

 

束「義姉さん!!幸太郎の様子は!?」

 

ラウラ「嫁は!嫁は大丈夫なんですか!!」

 

マイルナ「皆少しは落ち着いてね。この研究所全ての医学を施したわ。今のところは、最悪の事態は避けれたわ。」

 

マイルナの言葉に安堵する皆をよそに、アルベルトだけは曇った表情をしていた。

 

アル「お前の予測で何日だ?お前の事だ、もうある程度わかってるんだろ?隠さず言え。それがお前の義務だ。」

 

少し怒りを感じられる口調に、マイルナは唇を噛み締めた。

 

ルアネール「それはどういう事ですかお兄様。」

 

マイルナ「わかったわ。はっきり言うから覚悟しててね。」

 

マイルナの言葉に、皆の緊張は増していた。

 

マイルナ「今以上に危険な状態になってしまったなら、間違いなく私達・・・いえ、誰も幸太郎の命を繋ぎ止めておけないわ。

それに、今のままでも1か月持つかどうか・・・」

 

皆の顔に、絶望が走った。

これ程までの絶望は、恐らく今後二度と味わう事はないだろう。

 

アル「ふぅ・・・、ウジウジしても幸太郎は変わらん!!俺達に出来る事は何も無い!わかったら、さっさと学園に戻れ!」

 

アル「あと、一夏と千冬とロゼット。お前らは残ってくれ。大事な話があるんだ。」

 

なぜこの三人なのかだれもわからなかったが、アルベルトの言う通り、自分たちには何も出来ないと痛感し、大人しく帰る事にした。

 

残った連中は、研究所の応接室に来ていた。

 

ロゼット「この残った面子で、ただ事では無いのは理解しました。何かあったのですか社長?もしかして、秘密の仕事ですか?」

 

アル「亡国機業からの報告だが、ここ数日世界各国の要人達の動きがおかしいらしい。どうやら、日本政府を中心としたあるプロジェクトが秘密裏に進行しようとしている。」

 

一夏「秘密裏に、プロジェクトがですか?」

 

マイルナ「まさか!!そのプロジェクトって!」

 

アル「そう。幸太郎の病原体の化学兵器活用。そして、病原体の確保だ。このプロジェクトに、わかってるだけでも10ヵ国の先進国が賛同してる。代表候補の母国も、もれなく賛同済みだ。」

 

千冬「それで、彼女達には話さなかったんですね。ですが、アルさんの力を使えば、今すぐ中止にでも。」

 

アル「それは難しい。日本政府を信用してねぇから、上層部に部下を入り込ませ切れなかった。今わかってんのは、奴らは幸太郎をどんな手を使ってでも手に入れるつもりだ。

恐らく、邪魔をするものには容赦しないだろうな。」

 

一夏「そ、そんなバカな話があるかよ!!じゃあ、俺達は黙って指を咥えて見てろってのかよ!!」

 

アル「心配すんな。と、言いたいが今の俺には後手後手の行動だけだ。だが、会社全ての力を結集して迎え撃つ。恐らく、相手は各国の特殊部隊だろう。

そして、決戦は学園付近だ!!それだけは心しておけ!!」

 

 




幸太郎が、まさに危険な状態にありますね。
久々の登場だと思ったら、大変な事になっています。
 
そして、世界各国がそんなプロジェクトを起こしているとは。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。