アナザーラバー   作:なめらかプリン丸

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第118話

アル「おっ、騒がしい音がしたと思ったら、お前らか。にしても、やり過ぎだろ?可哀想だね~。」

 

ロゼット「倒れてる兵隊を躊躇なく踏みつけておいて、良く言いますよ。それに、スーツに返り血がついてますよ?」

 

それを指摘されたアルベルトは、少し恥ずかしそうに笑った。

 

アル「にしても、初陣にしちゃ上出来じゃないか一夏。」

 

一夏「えぇ。伊達にアルさんにしごかれてませんからね。それにしても、どうしてアルさんはここにいるんですか?」

 

アル「暇潰し。」

 

アルベルトが自信満々にそう言うと、ロゼットと一夏はズッコケそうになった。

 

アル「て言うのは冗談で、各階の状況確認と見回りが主な理由だ。まぁ、暇なのは事実だかな。」

 

そんな事をしていると、突然アルベルトの携帯に一件の着信が入った。

 

アル「おうどうした?そうか、それで。そうか、ならご苦労だった。後は、摘発通りに。そうだ。あぁ、こっちも順調だ。待ってるぞ。」

 

電話を切ると、アルベルトは無線のスイッチを押した。

 

アル「皆に朗報だ。喜べ、この戦闘もあと二時間弱頑張れば終了する。だが、最後まで気を抜くなよお前ら。」

 

 

『了解しました!!』

 

一夏「後二時間弱で何が起こるんですか?」

 

アル「そう言えばお前には言って無かったな。俺が派遣した別動隊が、今回の作戦に加担した世界各国の要人を拉致ってここに連れてくるんだよ。」

 

そう言うとアルベルトは、壁に空いた大きな穴を眺めていた。

 

アル「今後の未来を切り開いていく子供達の学舎に、こんな穴を開けるのは・・・。野蛮極まりないねホント。」

 

ロゼット「そこを戦場にした人が言える言葉ですか。」

 

ロゼットが的確なツッコミを入れると、満足そうにアルベルトは笑った。

 

アル「皮肉な事を言うようになったな。まっ、どうでも良いけど。」

 

~~~職員室~~~

 

マイルナ達がいる職員室のドア付近に、沢山の足音が近づいて来ていた。

 

そして、ドアを抉じ開けようと攻撃している音がしていた。

 

千冬「どうして、ここがバレたんですか!!まさか、誰かが密告したんじゃ。」

 

マイルナ「そりゃあ、相手はここの地図くらいは把握してるわ。地図があるのに、ドアがなきゃ怪しいと思うわ。」

 

マイルナ「それに、私達の中に密告なんてするような愚か者は誰一人いないわよ。裏切りが起こるのは、それだけ上に立つ人間が支えるに値しないって事よ。」

 

マイルナ「でも、私達は違う。ある人は宗次郎さんや桜華さんに、ある人は松陽さんや奈々さんに、ある人は幸太郎に生きる希望、生きる理由、生きる素晴らしさ、生きる場所を創ってもらったの。そんな私達が裏切りなんて・・・いえ、疑うことすら死罪に値するわ。」

 

その時、爆発音と共に職員室のドアが壊され銃を構えた兵隊が職員室に流れ込んできた。

 

兵隊「お前達は完全に包囲されている。例のブツをこちらに差し出せば、命だけは助けてやる。」

 

そう言って二人に銃口を向けた。

 

千冬「マイルナさん、私が盾になります。その隙に幸太郎をつれて、なんとか逃げてください。

現役を退いたとは言え、これくらいの数なら逃げ道くらいはつくれます。」

 

マイルナ「盾になる・・・ね、そんな事をしたら流石の貴方でも確実に死ぬわよ?」

 

千冬「ここで幸太郎を渡してしまったら、親友に顔向けが出来ませんし、それに最後は華やかに散りたいじゃないですか。」

 

兵隊「話は終わったようだな。渡さない様なら、やむを得ない。構え!!」

 

千冬はマイルナの前に立ち塞がり、歯を食い縛った。

だが、兵隊の銃が発射される事はなかった。

 

リズ「それ以上、私の最愛の妻に物騒な物を向けるのは止めていただけないですか?」




皆様、お久しぶりです。お正月期間は、仕事が忙しすぎたので、更新が出来ませんでした。申し訳ありません。

千冬の覚悟、そして妻をまもったリズリー!!
カッコいい!!惚れ惚れしますね。

ただいま、完全オリジナルの新作を制作中です。一応、近日公開予定です。そちらも、よろしければよろしくお願いします。

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