秋水「ふっ、ここだと生徒達に話を聞かれてしまう。ひとまず、中庭に行こう。」
秋水は不敵に笑うと、歩きだした。
~~~中庭~~~
秋水はベンチに腰掛け、松陽は秋水の前に立っていた。
そして秋水の胸元をつかんだ。
松陽「単刀直入に言う。幸太郎は、お前みたいなクズには渡さない!!」
秋水「ったく、汚ならしい下等野郎が気安く俺に触れるなよ。」
松陽「やっと化けの皮を取ったか。いくら取り繕っても、お前の本性は最低だ。」
秋水「俺が最低だと?ふん、父も母も、国もわからない様なお前みたいな奴に言われたく無い!!昔から、お前の存在自体が許せないんだよ!!」
松陽「やはり、奈々の事で俺を憎んでるのか。」
秋水「そうだ!!姉さんは完璧な人間、いや生きる神となるべき存在だった。誰からも愛される、素晴らしい存在だ。だが、お前みたいな汚物に惑わされたせいで姉さんは殺されたんだ!!」
秋水「お前がいなければ、姉さんは寿家をついで全世界の下民から愛されるはずだった!!お前が姉さんの全てを壊したんだ!!
姉さんがいないこんな世界、壊れてしまえばいいんだ。もうすぐ、あの男が出所する。それをアルベルトに教えれば・・・クッ、アハハハハハハ!!!そうすれば面白いだろうな。お前達から壊していけば、どれほど愉快で爽快だろうな!!ハハハハ!!」
まるで、狂気に囚われた様な姿を秋水は先程までとは違う。まるで無邪気な子供のようで、怒りに狂った獣その様か表情をしていた。
松陽「貴様!!そんなことをすればどうなるか、わかってるのか!!」
秋水「だからだよ?下らない、こんな姉さんのいない糞のような世界で少しでも楽しむために必要だろ?
でも、少しは心苦しいんだぜ?アルベルトが壊れれば、マイルナも壊れる。そうなれば、幸太郎も必然的に壊れしまう。それだけが、唯一の絶望だよ。」
秋水「お前の様なクズの存在価値は、あの幸太郎を産んでくれた事だ。あの子は、姉さんを越える存在だよ。あの子こそ、真に愛され愛す神に等しい存在だ。だが、姉さんと違いあの子は世界の汚れを知らない。まぁ、そのお陰で純粋な水晶の様な美しい存在になった訳だが。」
秋水「姉さんを失った世界に必要なのは、あの子の様な完璧な神の存在なのだよ!!あの子こそ、その存在にふさわしい!!世界が哀しみに包まれれば、あの子はそれを癒そうとする。いや、必ず癒せる。そうなれば、世界のクズはあの子を讃え、心から愛し全てを捧げる。それこそ!!あの子が生きながら完璧な存在になれる方法なんだよ!!」
秋水「フフッ、フハハハハハハ!!そうだ!!その為に俺が壊すんだ!!あの子を愛するために俺が壊す。それが、姉さんを失った世界に対する報復と、救済なんだよ!!」
松陽「狂ってる。お前は狂ってるんだ!!そんな事のために、幸太郎を利用させる訳にはいかない!!幸太郎は私が護ってみせる!!それが奈々と交わした約束なんだ!!」
秋水「ふん、せいぜいご託を並べてろ。どうせ俺が手を下さなくても、ISと言う下らない存在のお陰で、いずれ世界は破滅する。そうなれば、なにもしなくてもあの子は神になる!!あの子が神になるのは、時間の問題なんだよアハハハハハハ!!!」
秋水は高笑いをしながら、中庭から歩いていった。
政府の人間は悪人でしたが、この秋水は狂人。
この言葉につきますね。
しかも奈々の弟だったとは!!
まさしく、混沌とした世界になりそうですね。