アナザーラバー   作:なめらかプリン丸

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第19話

~~~保健室~~~

 

シャルル「あの…、マイルナ先生何か用ですか?」

 

放送で保健室に呼び出されたシャルルは、なぜ呼ばれたのかわからなかった。

 

マイルナ「用って程じゃ無いけど、まぁ立ち話もなんだから座って。」

 

マイルナは、シャルルを椅子に座らせると冷蔵庫から缶のオレンジジュースを差し出した。

 

マイルナ「突然呼んで悪かったわね。実は、貴方と少し話がしたかったのよ。」

 

シャルル「話ですか…、その…何の話ですか?」

 

面識はおろか、自己紹介の時に少しだけ顔合わせをしただけなので、シャルルは緊張していた。

 

マイルナ「単刀直入に聞くわ。どうして貴方は、男装なんてしてるの?」

 

いきなりの質問に、シャルルは驚いてしまった。

なぜなら、自分が男装している事がバレてしまったからだ。

 

シャルル「男装って、いきなり何を言うんですか。僕は男ですよ。」

 

必死に言い訳をするシャルルだが、マイルナには意味が無かった。

 

マイルナ「私は保健員よ?貴方が女の子って事くらい、すぐにわかるわ。

貴方の資料にも、男の子って書いてあるから、国ぐるみで偽ってるのが気になっただけよ。」

 

マイルナの言っている事は、全て合っている。

 

なので、シャルルはどうすれば良いのかわからなくなっていた。

 

自分に課せられたある種の任務は、下手をしたら国際的な問題になってしまうのだ。

 

マイルナ「まぁ、ある程度予想はつくわ。大方、男性操縦者の一夏に近づき、一夏か一夏のISの情報収集でしょ?」

 

シャルル「いや…その…あの…。」

 

マイルナ「その分かりやすい動揺で、全てわかるわ。でも、誰にも言わないから安心して。

ただ、理由が知りたかっただけよ。」

 

そう言ったマイルナに、シャルルは少し安心した。

 

すると、保健室のドアが勢いよく開いた。

 

ラウラ「誰か、幸太郎を助けてやってくれ!」

 

そこには、幸太郎をおぶさったラウラが息を切らしながら立っていた。

 

マイルナ「幸太郎!これは少しヤバいわね…、シャルル棚の中にあるC5って書かれた瓶を頂戴!」

 

マイルナに言われ、シャルルは急いでその瓶をマイルナに渡した。

 

そして幸太郎をベッドに寝かし、その瓶の中身を幸太郎に注射した。

 

ラウラ「細身の私でも、背負えるくらい幸太郎は軽すぎる!本当にこれで、幸太郎は大丈夫なのか!」

 

ラウラは、幸太郎に何かの機械を着けているマイルナに、心配そうに聞いた。

 

マイルナ「わからないわ…、血圧の低下が今までよりも酷いわ。それに、脈が弱い…。

貴女達、F2を頂戴!急いで!」

 

急いでラウラは、マイルナが言った点滴の袋を渡した。

 

マイルナ「今はこれで、様子を見るしか無いわ。それよりもラウラ、貴女いつの間に幸太郎と仲良くなってるのよ。」

 

ラウラ「別に、深い意味はない!」

 

恥ずかしそうに赤面しながら、ラウラはそう言った。

 

マイルナ「さて貴女達、もうすぐ授業が始まるわ。速く教室に戻りなさい。」

 

ラウラ「たが、このまま戻る訳には…。」

 

マイルナ「幸太郎の事なら、何も心配はいりません!私がついています。だから、行きなさい。遅れると、千冬に怒られるわよ。」

 

マイルナがそう言うので、シャルルとラウラは名残惜しそうに保健室から出ていった。

 

マイルナ「ふぅ…、あぁ言ったものの、いよいよ本格的に幸太郎が危ないわね。」

 

マイルナは、幸太郎の無事を祈りながら呟いた。




シャルの男装が、すぐにバレてましたね。
さすがマイルナです。

幸太郎が、なんだか危ない状態になっていますね。
このままで、大丈夫なのでしょうか…。

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