千冬「すまない束。帰りの会が長引いてしまった…、って誰なんだお前は?」
教室の扉を開け入ってきた千冬は、束と楽しそうに話している幸太郎を見てそう言った。
束「あっちーちゃん。丁度良かったよ、紹介するよ今日から親友になった幸太郎だよ。」
幸太郎「はじめまして。束から紹介があった通り、束と親友になった寿 幸太郎です。
君は束が言ってた、大親友の織斑千冬だね?よろしく。」
束の時と同じ様に、幸太郎は千冬に握手を求めた。
千冬「あぁ、こちらこそ束共々よろしく頼むぞ。」
千冬「全く、私がいない間に、こんないい男をゲットしてるなんて隅に置けないな束。」
千冬は束を茶化すように、そう耳打ちをした。
すると束は、耳まで真っ赤にした。
束「ち、ちーちゃん!なんて事言うのよ!べ、別に幸太郎の事なんて、何とも想ってないんだからね!
それよりも、速く帰らなきゃいっくんとの練習の時間が無くなるよ。」
千冬「そうだったな。もうそんな時間になったか、速く帰らんと一夏はうるさいからな。
そうだ!おい幸太郎、お前も一緒に束の家に来るか?」
千冬にそう聞かれた幸太郎は、嬉しそうに笑いながら束の手を握った。
幸太郎「遊びに行っても良いの!?本当に良いの!?」
そんな嬉しそうな幸太郎を見ると、断る事は出来なかった。
幸太郎「やった!実は親友の家に遊びに行くの、憧れてたんだ!
えへへ、今日は凄く幸せな日だな。ありがとう束!」
束「わかったから、いつまで手を握ってるつもりなの//」
幸太郎「あっ、ごめん。じゃあ速く行こうよ!先に下駄箱でまってるよ。」
そう言って幸太郎は、教室から出ていった。
束「はぁ、なぜか幸太郎の笑顔を見ると、断れないよ…。それにドキドキするし。」
千冬「大丈夫だ。一目惚れも、立派な恋の始まりだ。」
千冬は束の肩に手を置きながら、そう言った。
~~~篠ノ之家~~~
幸太郎「ここが束の家か…、凄く大きな神社だな。て事は、束は巫女さんだな!」
千冬「お前は日本に来たばかりの外国人か?それよりも、一夏が道場で待ってる筈だ行くぞ。」
そう言うと千冬は、足早に道場の方へと歩いていった。
その後を、束と幸太郎はついていった。
千冬「すまん一夏、待たせたな。」
道場の扉を開けると、既に自主連をして汗を流している一夏と箒がいた。
一夏「別に待ってないよ千冬姉。それよりも、その人誰なの?もしかして千冬姉の彼氏?」
束「いっくん、それは違うよ?この人は寿 幸太郎。束さん達と今日から親友になったんだよ。」
束は一夏に近づいて、目を見ながら言った。
一夏「へぇ、そうなんだ…。あ、あと束さん、目が怖いよ…。」
箒「寿 幸太郎ねぇ…。」
箒は幸太郎をジックリ見た後、幸太郎の前に立った。
箒「不束な姉ではございますが、今後ともよろしくお願いいたします。」
そう言いながら箒は、幸太郎に深く頭を下げた。
束「箒ちゃん!そんな言い回し、どこで覚えてきたの!?止めてよ恥ずかしい//」
幸太郎「姉って事は、君は束の妹さんだね。言葉の意味は良くわからないけど、こちらこそよろしくね。
それにしても、かわいい妹さんだね。」
幸太郎は、箒の頭を撫でながらそう言った。
自分より先に、幸太郎にかわいいと言われている箒に束は、少し嫉妬してふくれていた。
一夏「ねぇねぇ千冬姉。俺あんな乙女な束さんを見たのは、初めてだよ。」
千冬「心配するな一夏。私も初めてだ。
だが、これがキッカケであいつもまっとうな人間関係が築けれる筈だ。恋する乙女って不思議なものだな。」
ふと幸太郎の顔を見てみると、顔色が悪く汗をかきだしていた。
束「幸太郎、顔色があんまり良くないけど、大丈夫なの?」
幸太郎「えっ…、あ…あぁ、だ…大丈夫だ…よ、このく…らい…。
なん…ともな…い…よ。」
とは言っているが、顔色は悪くなる一方で足がおぼついていない。
幸太郎「ゴホッ!ゴホッ!ハァ…ハァ…ハァ…。」
咳を抑えた手をはずすと、手のひらに血がついていた。
束「全然大丈夫じゃ無いよ!箒ちゃん、速く救急車呼んできて!」
幸太郎「だ…だか…ら、だいじ…ょう…」
言い切る前に、幸太郎はその場に前のめりに倒れ混んでしまった。
束が、なんだがかわいいヒロインに見えてきますね…。
そして幸太郎の大ピンチ!
はたして幸太郎は大丈夫なのか!?