アナザーラバー   作:なめらかプリン丸

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第2話

千冬「すまない束。帰りの会が長引いてしまった…、って誰なんだお前は?」

 

教室の扉を開け入ってきた千冬は、束と楽しそうに話している幸太郎を見てそう言った。

 

束「あっちーちゃん。丁度良かったよ、紹介するよ今日から親友になった幸太郎だよ。」

 

幸太郎「はじめまして。束から紹介があった通り、束と親友になった寿 幸太郎です。

君は束が言ってた、大親友の織斑千冬だね?よろしく。」

 

束の時と同じ様に、幸太郎は千冬に握手を求めた。

 

千冬「あぁ、こちらこそ束共々よろしく頼むぞ。」

 

千冬「全く、私がいない間に、こんないい男をゲットしてるなんて隅に置けないな束。」

 

千冬は束を茶化すように、そう耳打ちをした。

 

すると束は、耳まで真っ赤にした。

 

束「ち、ちーちゃん!なんて事言うのよ!べ、別に幸太郎の事なんて、何とも想ってないんだからね!

それよりも、速く帰らなきゃいっくんとの練習の時間が無くなるよ。」

 

千冬「そうだったな。もうそんな時間になったか、速く帰らんと一夏はうるさいからな。

そうだ!おい幸太郎、お前も一緒に束の家に来るか?」

 

千冬にそう聞かれた幸太郎は、嬉しそうに笑いながら束の手を握った。

 

幸太郎「遊びに行っても良いの!?本当に良いの!?」

 

そんな嬉しそうな幸太郎を見ると、断る事は出来なかった。

 

幸太郎「やった!実は親友の家に遊びに行くの、憧れてたんだ!

えへへ、今日は凄く幸せな日だな。ありがとう束!」

 

束「わかったから、いつまで手を握ってるつもりなの//」

 

幸太郎「あっ、ごめん。じゃあ速く行こうよ!先に下駄箱でまってるよ。」

 

そう言って幸太郎は、教室から出ていった。

 

束「はぁ、なぜか幸太郎の笑顔を見ると、断れないよ…。それにドキドキするし。」

 

千冬「大丈夫だ。一目惚れも、立派な恋の始まりだ。」

 

千冬は束の肩に手を置きながら、そう言った。

 

~~~篠ノ之家~~~

 

幸太郎「ここが束の家か…、凄く大きな神社だな。て事は、束は巫女さんだな!」

 

千冬「お前は日本に来たばかりの外国人か?それよりも、一夏が道場で待ってる筈だ行くぞ。」

 

そう言うと千冬は、足早に道場の方へと歩いていった。

その後を、束と幸太郎はついていった。

 

千冬「すまん一夏、待たせたな。」

 

道場の扉を開けると、既に自主連をして汗を流している一夏と箒がいた。

 

一夏「別に待ってないよ千冬姉。それよりも、その人誰なの?もしかして千冬姉の彼氏?」

 

束「いっくん、それは違うよ?この人は寿 幸太郎。束さん達と今日から親友になったんだよ。」

 

束は一夏に近づいて、目を見ながら言った。

 

一夏「へぇ、そうなんだ…。あ、あと束さん、目が怖いよ…。」

 

箒「寿 幸太郎ねぇ…。」

 

箒は幸太郎をジックリ見た後、幸太郎の前に立った。

 

箒「不束な姉ではございますが、今後ともよろしくお願いいたします。」

 

そう言いながら箒は、幸太郎に深く頭を下げた。

 

束「箒ちゃん!そんな言い回し、どこで覚えてきたの!?止めてよ恥ずかしい//」

 

幸太郎「姉って事は、君は束の妹さんだね。言葉の意味は良くわからないけど、こちらこそよろしくね。

それにしても、かわいい妹さんだね。」

 

幸太郎は、箒の頭を撫でながらそう言った。

 

自分より先に、幸太郎にかわいいと言われている箒に束は、少し嫉妬してふくれていた。

 

一夏「ねぇねぇ千冬姉。俺あんな乙女な束さんを見たのは、初めてだよ。」

 

千冬「心配するな一夏。私も初めてだ。

だが、これがキッカケであいつもまっとうな人間関係が築けれる筈だ。恋する乙女って不思議なものだな。」

 

ふと幸太郎の顔を見てみると、顔色が悪く汗をかきだしていた。

 

束「幸太郎、顔色があんまり良くないけど、大丈夫なの?」

 

幸太郎「えっ…、あ…あぁ、だ…大丈夫だ…よ、このく…らい…。

なん…ともな…い…よ。」

 

とは言っているが、顔色は悪くなる一方で足がおぼついていない。

 

幸太郎「ゴホッ!ゴホッ!ハァ…ハァ…ハァ…。」

 

咳を抑えた手をはずすと、手のひらに血がついていた。

 

束「全然大丈夫じゃ無いよ!箒ちゃん、速く救急車呼んできて!」

 

幸太郎「だ…だか…ら、だいじ…ょう…」

 

言い切る前に、幸太郎はその場に前のめりに倒れ混んでしまった。




束が、なんだがかわいいヒロインに見えてきますね…。

そして幸太郎の大ピンチ!
はたして幸太郎は大丈夫なのか!?

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