アナザーラバー   作:なめらかプリン丸

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第21話

授業も無事に終わり、放課後となった。

 

ラウラは幸太郎のお見舞いに行こうと、教室を後にした。

 

ラウラ(マイルナさんにあぁ言われたが、今さら私とタッグをくんでくれる人なんか…。)

 

そんな事を考えながら歩いていたラウラは、前を意識しておらず不注意で人にぶつかってしまった。

 

ラウラ「すまない!少し考え事をしていて、前を見ていなかった。」

 

箒「別にきにしてはいない。それよりも、お前の方こそ大丈夫なのか?」

 

ぶつかった相手は、箒だった。

 

箒とも、あまり話した事が無いラウラは少し気まずくなり、その場を急いで去ろうとした。

 

箒「おいラウラよ、そんなに急いでどこに行くのだ?部屋なら、逆方向だぞ。」

 

ラウラ「いや…その、教官に用があるんだ。」

 

なぜだかラウラは、幸太郎へのお見舞いを誤魔化した。

 

倒れて眠っている幸太郎を、知られなく無いと思っていた。

 

箒「はぁ…、そんな誤魔化さなくてもわかっている。幸太郎さんのお見舞いだろ?

織斑先生から、幸太郎さんが倒れたのは聞いている。それに、お前は毎日お見舞いに行って、夜も寝てないんだろ?このままだと、お前も倒れるぞ。」

 

自分の行動がマルバレで、ラウラは恥ずかしくなった。

 

ラウラ「それはわかっている。だが、なぜか私は幸太郎の側にいたいんだ。

側にいれば心が暖まるし、離れていると心苦しいんだ。」

 

ラウラのその言葉、その表情で幸太郎に対する想いを箒は感じ取った。

 

姉である束が、幸太郎に向けている感情と同じ。

そして自分が一夏に向けている感情と、同じモノであるとすぐにわかった。

 

だが、その感情をわかっていないラウラには、それが何かは言わないつもりである。

 

箒「そうか…そうだ!ラウラ、お前はまだ学年別トーナメントの、タッグは決まって無いんだろ?」

 

ラウラ「まぁ、当たり前だな。転校初日に、一夏にビンタを喰らわせたんだ。

私がクラスで浮いた存在だという事は、嫌でもわかっている。」

 

自分でそう言い、ラウラは気持ちが落ちていた。

 

自分が目指す力、目標にしたい強さがわかったのだが、それを目指すにはあまりにも、孤独なスタートだった。

 

箒「そうか、なら私とタッグを組まないか?」

 

ラウラ「な!いきなり何を言い出すんだ!私の様な人間と組んでも、何も得はないぞ!

それにお前は、一夏の事を好いているんだろ。だったら、余計に私の事を嫌ってる筈だ。」

 

箒「確かに私は一夏が好きだ。一夏を叩いた時のお前に、激しい敵意を向けた。

だが、理由がわかった今はそんな事は関係無い。それに、お互い相手は違えど恋する乙女。私は貴方と仲良くなりたいの。」

 

そう言って箒は、タッグ了承を意味する握手を求めた。

 

ラウラ「こ、恋する乙女だと//別に私は、幸太郎の事を愛してるのではない//た、ただの憧れ…そう憧れなんだ!でも…。」

 

ラウラ「こんな私とタッグを組んでくれるのなら、喜んでその申し出を受けよう。

こちらこそ、よろしく頼むぞ篠ノ之。」

 

箒「誰も愛してるまでは、言っていないが…。まぁ良い、これで私達はタッグだ。」

 

そう言いながらラウラと箒は、固い握手を交わした。

 

箒(ごめんなさい姉さん。本当なら貴方の恋を応援したいけども、目の前にいるラウラも私や姉さんと同じ様に、恋をしているわ。

だから、姉さんには悪いけど私は姉さんだけじゃなくて、ラウラを応援するわ。)

 

ラウラ「さて、私達はタッグになった事だし、早速幸太郎のお見舞いがてら、マイルナさんや幸太郎に報告しよう!」

 

箒「全く…、報告はオマケでしょ?」

 

そう言いながらも、幸太郎に会うのを楽しみにしているラウラを見て、満更でもない箒だった。




無事にラウラのタッグが決まりましたね。 
いや~よかったよかった。

恋する乙女に限らず、誰かを好きになるって美しい事ですね。

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