幸太郎「水着も決まった事だから、ちょっとトイレに行ってくるよ。」
一夏「ですが幸太郎さん、トイレの場所わかんですか?それに一人で行動するのは、危ないんじゃないですか?」
一夏の心配を降りきり、幸太郎は一夏の肩を叩いた。
幸太郎「そんなに心配する事ないよ。トイレの場所くらいわかるし、一人って言ってもほんの数分もかからないくらいだから。」
そう言って幸太郎は、水着売り場から出ていった。
その頃、外で待機していたマイルナだったがもう我慢の限界に到達していた。
マイルナ「セシリア、鈴音!これ以上外にいるのは耐えられないわ!
今から私達も中に入るわよ!」
鈴音「えっ!でもマイルナさん、今日は幸太郎さんの気持ちを汲んであげるんじゃ無かったんですか。」
鈴音がそう聞くと、マイルナはニッコリと笑った。
マイルナ「えぇ、貴方の言う通り幸太郎の気持ちは裏切らないわ。だから私達も、千冬と同じで水着を買いに来たの。」
セシリア「買いに来たと言いましても、私達は既に水着は持っていますが…。」
マイルナ「もう一度言うわ。私達は水着を買いに来たの…わかった?」
声や顔は笑っているが、目が笑っていないマイルナに二人は反論出来なかった。
マイルナ「そう、物分かりが良い子は好きよ。それじゃあ、私達も行きましょう。」
意気揚々とショッピングモールへと向かっていくマイルナの背中を見て、この人には絶対に逆らってはいけない!
と、肝に命じた二人だった。
幸太郎「ふぅ…、ちょっと迷ったけど無事にトイレに到達出来たよ。」
トイレをすました幸太郎は、一夏の待つ水着売り場に戻ろうとした。
だが、肝心の帰り道を忘れてしまっていた。
あまりの人混みに、道行く店舗も見れなかったし周りには、目立った物もない。
幸太郎は迷子になってしまっていた。
幸太郎(確か、こっちから来たはずだな…。)
幸太郎は、自分が来たと思う道を引き返す事にした。
そして歩いていると、突然誰かにぶつかってしまい、幸太郎はその場に尻餅をついてしまった。
幸太郎「いたた…、何が起きたんだよ…。」
目の前を見てみると、二人組の女性が立っていた。
幸太郎とぶつかった女性は、予想外な事が起きた様な顔をしていた。
女性1「お、おい!何ぶつかってきてんだよ!今ので少し、ケガしちまったじゃねえかよ!」
その女性は、凄い剣幕で幸太郎に問いただしていた。
その女性達は、いわゆる当たり屋の様な行為をしてきたのだ。
だが、本来なら自分が倒れるはずだったが、幸太郎が尻餅をついたので予定が狂ったのだ。
幸太郎「そうですか!大丈夫ですか?」
女性2「大丈夫も何も、こっちはケガしてるんだよ!まずは慰謝料だろ、慰謝料!」
女性1「そうだよ。それに、今のご時世であんた達男が、私達女に逆らって良いと思ってるわけ?」
ISが出来て以来、世界中で女性の地位が劇的に上がった。
そのせいで、この女性達の様な悪質な嫌がらせをする女性が増えているのである。
幸太郎「でもこのお金は、お姉ちゃんから水着を買う様に渡されたんです。
ですから、すぐには払えないです。」
女性1「つべこべ言わずに、さっさと金を出せば良いんだよ!」
そう言って女性1は、幸太郎に殴りかかった。
ラウラ「ほう?慰謝料が必要な程のケガをしてるのに、随分と動ける様じゃないか?
それに嫁に殴りかかるなんて、そんなにも私を怒らせたいのか。」
女性達の後ろから、ラウラが声をかけた。
女性1「何よ!あんたに何も関係無いじゃない!」
女性2「ねぇ止めなさいって!この人、代表候補生の…。」
マイルナ「やっぱり、こんな一般人にも知れわたってる何て、有名人なのねラウラは。」
マイルナが、幸太郎を立たせた。
女性1「チッ!覚えてなさいよ!」
女性達は、その場から立ち去った。
幸太郎「何だったんだろうね?それよりも、お姉ちゃん達も水着を買いに来てたんだ。」
マイルナ「えぇその通りよ。じゃあ、早く水着売り場に行きましょう。」
そう言って幸太郎とマイルナは、先に歩いていった。
鈴音とセシリアは、ラウラに近づいていった。
セシリア「そのですね…、これから大変だとおもいますが。」
鈴音「私達は応援してるからね!」
ラウラ「いったい、何の事を言っているんだ?」
二人が言っている事を、ラウラは理解していなかった。
最終的に、強行手段に出ましたねマイルナさんは。
本末転倒な気もしますが、さほど幸太郎も気にしてないので、大丈夫かも知れないですね。
セシリアと鈴音が、ラウラを応援したい気持ちマイルナの考えを聞いた後ですから、わかりますね。