臨海学校当日の朝6時前、生徒達は校庭に集められていた。
その中に、マイルナと幸太郎もいる。
千冬「これより本日は、臨海学校を開始する。目的地までは、およそ3時間を予定している。
各々忘れ物が無いかを確認し、クラス事にバスに乗れ。」
千冬の合図と共に、沢山の生徒達は一斉に移動を始めた。
千冬「朝早くだから仕方がないとは言え、大丈夫なのか幸太郎?」
千冬は横を見て幸太郎に聞いたが、幸太郎はその場に寝込んでいた。
マイルナ「もう、こんな朝に集めるなんてある種の拷問よ?」
そう言ってマイルナは、幸太郎をお姫様だっこで持ち上げた。
一夏「やっぱり幸太郎さんは、朝が弱いんだね。まだパジャマのままじゃん。」
幸太郎「大丈夫…大丈夫…、寝てない寝てない…。」
幸太郎は寝ぼけたまま、返事をした。
そんな幸太郎を、いとおしそうにラウラが見ていた。
ラウラ「あの嫁の寝顔、そして寝ぼけた声。可愛いなぁ…。
それに、嫁をお姫様だっこするなんてうらやましいなぁ。」
箒「ラウラ、お前は恋を知ってから本当に変わったな。はぁ…、姉さんにこの事を何て説明すれば良いんだか。」
こうしてマイルナと幸太郎は、一夏達と同じバスに乗り込んだ。
千冬「良し、全員乗っているな。それではこれより、目的地に向かう。
だがお前達、今回はあくまでも授業の一環だと言う事は忘れるな。わかったか。」
生徒達「はい!」
寝ている幸太郎に気を使ってか、千冬はマイクを使わずに静かな声を出した。
そして生徒達も、同じ様に小さな声で返事をした。
バスの移動中、マイルナは幸太郎を着替えさす為にパジャマを脱がし始めた。
シャルロット「ま、マイルナさんいきなり何をするんですか!女子が沢山乗ってるんですよ!」
マイルナ「あらシャルロット、顔が真っ赤ね。まぁ、幸太郎のを風呂場で見たのなら、しょうがないわね。
ラウラ、着替えを手伝って。」
マイルナの言葉で、シャルロットは大浴場での事を思い出して余計に赤面していた。
シャルロット「あ、あれは事故であって…、それに男性のなんて見た事が無かったから…。」
あたふたしているシャルロットを見て、一夏と千冬はマイルナがドSだと言う事を改めて実感していた。
一夏「ラウラは、恥ずかしく無いのか?幸太郎さんのは、男の俺でさえ見ていて恥ずかしくなるぞ。」
ラウラ「何をバカな事を言うんだお前は?私は幸太郎の夫だぞ?夫足るもの、嫁のを恥ずかしがる必要は無いだろ。それに私の裸を見られている。お互い様だ。」
マイルナ「貴方達、変な妄想はしないで欲しいわ。脱がすのは服だけで、下着は脱がさないわよ。
全く…、それに恥ずかしいなら見ないでね。」
そう言いながらマイルナは、幸太郎からパジャマを脱がして、持ってきていた服に着替えさせた。
幸太郎「うぅ…、ありがとうお姉ちゃん…。」
寝ぼけながら幸太郎は、お礼を言った。
そしてラウラの膝に、膝枕をされる様に倒れていった。
マイルナ「昨日の買い物で、そうとう疲れていたのね。悪いんだけど、幸太郎が起きるまでそのままで良いわねラウラ。」
ラウラ「はい!嫁を膝枕出来るなんて、夢の様です!任せて下さい。嫁が起きるまで、私が嫁の安眠を護ります!」
こうして、幸太郎の目が完全に覚めたのは目的地につく数分前だった。
朝6時からは、普通にキツイですよね。
しかも朝が弱い幸太郎からすれば、そうとうの事ですね。
いよいよ次回、束が登場します!
お楽しみに!