~~~海水浴場~~~
一夏「いや~考えてみたら、こうやってのんびり過ごすのって、久しぶりな気がするぜ。」
水着に着替えた一夏は、広大に広がる水平線を眺め大きな伸びをしながら言った。
セシリア「それよりも一夏さん、今日は日差しが強いので、出来れば日焼け止めを塗っては頂けませんか?」
シートの上でうつ伏せになっているセシリアは、水着の紐をほどきながら、一夏を誘惑した。
鈴音「そんなに塗って欲しいなら、私がタップリ塗ってあげるわ。」
セシリア「ちょっと鈴音さん、手で温めてからじゃないと…そ、そこは…いや//」
セシリアの思惑は、見事に失敗してしまった。
一夏「それにしても、箒のやつ束さんと二人きりで話があるって言ってたけど、何の話をしてるんだろうなぁ。」
一夏はさっきまで自分達がいた、ニンジンロケットが落ちてきた所を見ていた。
~~~ニンジンロケットの場所~~~
箒「姉さん、この前電話で話したあの件はどうなったの?」
束「そんなに心配しなくても良いんだよ箒ちゃん!ほらご覧なさい!」
そう言って束が見せたのは、真っ赤なIS『紅椿』だった。
箒「これが、私の専用機になるISか…。強そうな見た目だな。」
束「強いのは見た目だけじゃ無いよ。なんとこのISは、世界初の第4世代型なんだよ!
本来はこんなの作らないけど、他でもない箒ちゃんの頼みだからね!」
そして束は、紅椿にパソコンをつなげた。
束「今から箒ちゃんのデータを入力するから、ちょっと待っててね。」
そう言って束は、静かに黙々と作業を開始した。
そのあまりの沈黙に耐えれなかった箒は、束に前々から気になっている事を話しかけた。
箒「そう言えば姉さん、姉さん程の科学力があるなら義兄さんにも専用機を作れると思ってたけど、作らないの?」
束「あぁ、その事ね。確かに、今の束さんにかかればこの紅椿よりも高性能なISを、幸太郎の専用機に出来るよ。
でも、例え大きな動きをしなくてもISは体に沢山の衝撃を与えるわ。幸太郎の体を考えれば、作れないわ。」
束の考えを聞いて、箒は納得したのかそれ以上何も聞かなかった。
束「それよりも箒ちゃん、私からも聞きたい事があるの。」
箒「いきなり何を改まって。私に答えれる事なら何でも答えるぞ。」
束「そう…、じゃあ遠慮なく答えてもらうよ。」
そう言った束だったが、凄く聞きづらそうにしていた。
これを聞いて、もし自分が考えている答えが帰って来たら…そう思うと束は言い出せなくなっていた。
束「正直に答えてね。あのさ…、もしかしたらだけど幸太郎の病状は確実に悪化してるよね?」
束の質問に、箒も答えに困っていた。
束を心配させまいと、幸太郎の今の病状については一言も教えてなかったのだ。
それなのに束は、勘づいていた。
束「隠さなくても大体わかるよ。毎日続いた電話が無くなったし、やっと電話がかかって来たらと思ったら、幸太郎は苦しそうな声…。
これだけ分かれば、幸太郎の病状についてはある程度分かるわ。」
箒「姉さんの言う通り、義兄さんの病状は本格的に危険な状態だって義姉さんが言っていた。
でも、義兄さんが心配をかけまいと姉さんには内緒にして、って言われてたんだ。」
束「そうだと思ったわ。でもそうなら、私の心は決まったわ…。」
箒「何が決まったんだ姉さん?」
束「今は内緒、それよりもデータ入力は終わったよ。それよりも速く紅椿を待機形態にして、私達も泳ぎに行こうよ!」
良く良く見てみると、いつの間にか束は水着に着替えていた。
束「幸太郎に会える今日の為に、新調した水着なんだ。はぁ…速く幸太郎に見せて、綺麗って言われたいな//」
箒「わかったわかった。じゃあ私達も早速皆の所に行こう。」
そう言って束と箒は、仲良く海水浴場に向かって歩き出した。
幸太郎の病状が、束にマルバレですね。
まぁ、束程の人ならすぐ見抜けるでしょう。
そして箒は無事に、紅椿をゲットしました!
これで後は、海水浴場での束とラウラの修羅場だけかな?