幸太郎「良し!いよいよ、人生初の海水浴だ!」
マイルナ「その前に、まず準備体操をしっかりとしときなさい。足がつったら一大事よ。」
逸る気持ちを押さえて、幸太郎は事故防止の為に念入りに準備体操を行った。
その後ろで、束とラウラは自分の手を見ながら惚けていた。
ラウラ「考えてみたら、あんなに嫁の体を触ったのは初めてだ//」
束「うん//幸太郎の体って物凄く、柔らかくてスベスベしてた//」
マイルナ「貴方達も惚けて無いで、泳ぐなら泳ぐよ。」
マイルナにそう言われ、二人はハッ!となり幸太郎達の後に続いた。
一夏達は、随分と深い方へと泳いでいってしまってる為、幸太郎達は浅い所で遊んでいた。
遊んでいたと言っても、ただ波にゆらゆらしている幸太郎の周りで、楽しく話をしているだけだった。
幸太郎「ふぅ…、海水って聞いてた通りしょっぱいんだね。それにこうやって、波にゆられるだけでも楽しいね。」
ラウラ「そうだな。それよりも、体調の方は大丈夫なのか嫁よ。もし異変を感じたなら、すぐに私に伝えてほしい。」
束「なによ!幸太郎、こんな小娘より私を頼って欲しいの。私の方が、幸太郎の為に何でも出来るわ!」
またしても二人は、些細な理由で口喧嘩を始めてしまった。
マイルナが今回も、注意をしようとした瞬間幸太郎が口を開いた。
幸太郎「さっきから二人とも、喧嘩ばっかりでつまんない。」
この幸太郎の一言は、他のなりよりも二人の心にダメージを能えた。
束「つ、つまんない!そ…そんな。」
ラウラ「嫁に愛想をつかされるなんて…。」
そして二人は、お互いに顔を見合わせて目で何かの合図を送りあった。
束(私達はまだ、仲良くなっていないけども。)
ラウラ(私達のすべき事はただ一つ。嫁を満足させる事だ!)
束「いや~、今まで喧嘩腰で悪かったね。別に悪気があった訳じゃないんだよ。」
ラウラ「こっちこそ、すまなかった。嫁の幼なじみが羨ましかったんだ。」
幸太郎「良かった。これで二人とも仲直り出来たね。うん!やっぱり、喧嘩は良くないよ。」
マイルナ「全く、こんな二人が幸太郎の支えになってると思うと、苦労が絶えないわ…。」
マイルナがそう言うと、幸太郎は恥ずかしそうに慌ててマイルナの口をふさいだ。
幸太郎「お姉ちゃん!恥ずかしいから、その事は言わないって約束したでじょ!」
束「心の支えって?それってどう言う事なの?」
ラウラ「そうだぞ嫁よ!私達に内緒の隠し事はいかんぞ!」
二人に迫られて、幸太郎は観念した。
幸太郎「その…、俺は産まれた時からこの病気のせいで、周りに友達も出来なかったし遊ぶ相手もいなかった。
でも、そんな俺に初めて出来た親友が束なんだ。」
幸太郎「そしてIS学園に来て、一夏達と再会したけど、一夏達も一人前の大人。すでに出来上がってる繋がりの中に、入る事は出来なかった。そんな時に、俺にとって束とは別の特別な繋がりがラウラなんだ。」
幸太郎「だから、束とラウラには喧嘩をしてほしくない。だって二人が喧嘩して仲が悪くなったら、俺は嫌なんだ!」
初めて聞いた幸太郎の想いに、束とラウラは心が温かくなっていた。
そして、幸太郎にそこまで想われてるととても恥ずかしくなっていた。
幸太郎「それに、俺はお姉ちゃんにも感謝してるんだ。幼い頃に一度、人生を諦めようとしてた俺に生きる希望を与えてくれたのは、お姉ちゃんなんだ。
だから俺は、三人には感謝の気持ちでいっぱいなんだ。」
マイルナ「幸太郎…、フフッ一端に言っちゃって。私は感謝される様な事はしてないわ。
それよりも、今は遊びましょう。」
突然の感謝の言葉に、普段は冷静なマイルナもタジタジになっていた。
良いですね。お互いが想い想われの関係。
そして幸太郎の感謝の言葉。
やはり、幸太郎と束とラウラはお似合いですね。
重婚でも良いですよね?と想います!