食事を無事に済ませた幸太郎とマイルナは、自室に戻ろうと廊下を歩いていた。
すると目の前に、怪しそうに千冬の部屋を盗み聞きしている鈴音とセシリアがいた。
幸太郎「二人とも何してるんだろう?おーい!何か面白いものでも聞こえるの?」
セシリア「声が大きいですわ幸太郎さん!」
鈴音「そうよ!今は、それどころじゃ無いのよ!」
少しキツイ言い方をした二人は、幸太郎の後ろにいたマイルナに気付き血の気が引いた。
ショッピングの時、そして先ほどの件でマイルナを怒らせてはならないとわかってたからだ。
マイルナ「そんなに怖がらなくても良いわ。それよりも、千冬の部屋に聞き耳なんか立てて何が聞こえるのかしら?」
そう言ってマイルナも、扉に耳を近づけた。
千冬「や、やっぱりお前にしてもらうのは、気持ちが良いぞ//」
一夏「そうだろ千冬姉、だって凄く溜まってたみたいだから、今日は頑張るぜ。」
中から聞こえてくる声に、マイルナは事情を理解した。
それでも、勘違いをしている二人にイタズラをしたくなった。
マイルナ「これは、お前達が考えている通りの“あれ”だな。全く、一夏も若いんだな。」
鈴音「や、やっぱり//私達がいくらアピールしても気づかないのは、千冬さんが相手だったからなのね。」
赤面しながら慌てる二人を見て、満足したマイルナはそのまま扉を開けた。
マイルナ「一夏に千冬、マッサージも疲れをとるのに最適だけど、情けない声が外に漏れてるわよ?」
セシリア「マ、マッサージ…、マッサージですって//」
鈴音「そんな、一夏達は“あれ”をしてるんじゃ…マイルナさん!わかってたなら、何で嘘をつくんですか!」
マイルナ「幸太郎に対しての、あの言い方の報復よ。」
笑顔で答えるマイルナに、やはりこの人に逆らってはいけないと実感した。
幸太郎「わぁ、マッサージか。ねぇ一夏、俺にもマッサージしてよ。」
突然の訪問者に、一夏と千冬はキョトンとしていた。
一夏「別に良いですけど…、それよりも皆さんはどうしてここに集まって来たんですか。」
千冬「はぁ、おい鈴音にセシリア。お前達は今すぐ箒とシャルロット、そしてラウラと束をここに呼んでこい。
束の誘い方だが、幸太郎が呼んでるかマイルナさんが呼んでると言えば、必ず来る。」
千冬に頼まれた通り、鈴音とセシリアは四人を呼びに行った。
幸太郎「それじゃあ一夏、早くマッサージをしてよ。こっちは準備万端だから。」
いつのまにか、幸太郎はうつ伏せの状態で待っていた。
マイルナ「一夏、あんまり幸太郎を待たせないでね。それに、ちゃんとマッサージをしてあげてね?」
マイルナからのとてつもないプレッシャーを感じながら、幸太郎へのマッサージが始まった。
そして約五分後、千冬の部屋にメンバーが集結した。
束「幸太郎が私に話があるって聞いたけど、どうやらちーちゃんにはめられた様だね。」
束は、マッサージの気持ちよさで眠りについている幸太郎を見ながら言った。
千冬「人聞きの悪い言い方をするな。それよりも一夏、今からお前は幸太郎を部屋に連れていって来い。」
一夏「えっ、でもいきなり何でなんだよ?」
マイルナ「今から女だけの話し合いをするのよ。少しは察しなさい。
それよりも、幸太郎を起こさない様に運んでね。」
こうして一夏は、寝ている幸太郎をおぶり部屋から出ていった。
そして残されたメンバーで、熱いガールズトークが幕を開けるのだった。
大人が三人いる時点で、ガールズじゃ無いかも知れませんが、そこは御了承下さい。