千冬「それで、なんでわざわざ外で待っているですか?」
次の日の朝、マイルナと千冬は幸太郎の部屋の前で立っていた。
マイルナ「あの子は、基本的に8時まで寝てないと寝起きが悪いのよ。あと5分ね…、さてそろそろ入りましょうか。」
そう言ってマイルナは、腕時計を確認しながら部屋のドアを開けた。
中にはいると、裸のラウラと束に双方から抱き付かれ寝苦しそうにしていた幸太郎がいた。
それを見た瞬間、ラウラと束はマイルナに怒られるな。と、千冬はわかった。
千冬「その…、仲良さそうに寝てますね、ハハハ…。」
マイルナ「余計な気遣いはいらないわ。さて…、幸太郎もう朝よ?起きなさい。」
幸太郎「う…うぅん…。あっお早うお姉ちゃん…。なんたが、凄く眠たいよ。」
ラウラ「あぁぁ、よく寝た。教官にマイルナさん、お早うございます!」
束「あれ?なんで私裸なのかしら…あっ//」
マイルナ「幸太郎、顔を洗って着替えてて。私達は外で待ってるから。」
そう言ってマイルナは、ラウラと束を外に連れ出した。
幸太郎「ねぇ千冬、なんでお姉ちゃんは怒ってるの?」
千冬「幸太郎よ、世の中には知らなくて良いこともあるんだ。」
そうだけ言い、千冬も外に出ていった。
ドアの前では、ラウラと束は正座をさせられていた。
千冬「マイルナさん、今から何が始まるかわかるのですが、まず二人に服を着させた方が…。」
マイルナ「そんなことは、後で良いわ。それよりも二人とも、なんで私が正座をさせてるかわかる?」
束「その…、私達が裸で寝てたからですか?」
マイルナ「違うわ。そんな事じゃ無いわ。貴方達が裸でも、幸太郎に手を出してないのはわかってるわ。
それに、貴方達はもう大人。いずれ幸太郎とはそんな事をするでしょう。」
マイルナのまさかの回答に、千冬は驚いていた。
ラウラ「でしたら、どうしてマイルナさんはお怒りになってるのですか?」
マイルナ「私が昨日、貴方達になんと言って別れたか覚える?それを思い出せば、自ずとわかるはずよ。」
二人は、昨日の事を必死に思い出していた。
だが、昨日で思い出すのは幸太郎と見た満月と、マイルナに見られていた事だけだった。
マイルナ「はぁ…、これだからまだ幸太郎を任せられないのよ。私が言ったのは、幸太郎の睡眠を邪魔しないで。と言ったのよ?」
マイルナ「それなのに、貴方達ときたら自分達の幸せな睡眠で幸太郎に抱き付き、幸太郎が寝苦しそうにしてたのよ?」
マイルナの言葉に、二人は背筋が凍る様な恐怖を感じていた。
マイルナ「まぁ、過ぎた事をグチグチ言うのは好きじゃないわ。それより早く服を着なさい。
はぁ、やっぱり幸太郎はあの子にしか任せられないのかね?」
ため息混じりに呟いた言葉を、着替え中の二人は聞き逃さなかった。
束「そ、その義姉さん!幸太郎を任せられる人って、誰の事ですか!」
ラウラ「そうですよ!この女なら兎も角、他の女に負けるとは思いません!」
マイルナ「あら?聞こえてたのね。そうね…、言っても良いのかしら。まぁ、言いか。」
マイルナ「その子は私の旦那の妹、つまり私の義妹よ。」
千冬「でもマイルナさん、昨日のガールズトークで、幸太郎を任せられるのは二人しかいないって…。」
マイルナ「そうだったかしら?もし期待させたのなら、ごめんなさい。私酔ってたから、あんまり覚えてないわ。」
そう言ってマイルナは、部屋の中へ入っていった。
ラウラ「私達以上に、マイルナさんに認められた女…。」
束「でも、まだ完全に負けた訳じゃ無い!」
二人は、まだ見ぬ強力なライバルに激しい対抗意識を燃やしていた。
まさかの新キャラ登場のフラグです!
あのマイルナが認めている、旦那の妹とはどんな人物なのでしょうね?
まさに、最強のライバルですね。